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「成長を見せ続けるタレントでありたい」りゅうちぇる流・世間の声との向き合い方

2020/07/21(火) 18:24 配信

オリジナル

「朝は子どもとお散歩に行って、ご飯をあげてお昼寝させてからきました」

そう話すのは、タレントのりゅうちぇるだ。この日は、14時からの取材。それまで、我が子との時間を過ごしていたという。

2015年、恋人のぺことともに、瞬く間にお茶の間の人気者となったりゅうちぇる。16年の年末にぺこと結婚し、18年には一児の父に。自分のイメージを「強要」されるのが一番嫌だと語るが、「おバカタレント」のイメージは今も抜けず、SNSで傷つくようなことを言われることも少なくない。世間から投げつけられる根も葉もない言葉に、りゅうちぇるはどう向き合っているのか。(取材・文=栗本千尋/Yahoo!ニュース 特集編集部)

世間の声は“受け止める”けれど、“気にしない”

21歳で、最愛の人・ぺこと結婚したりゅうちぇる。若くして結婚することに対し、「早すぎるのではないか」との批判もあった。その声に対し、当時彼は何を思っていたのだろうか。

「自分の感覚や経験でそういうふうに言ってくださるんだろうなーとは思うんですけど、みんな違う人生を生きていますよね。だから、そこまで気にしなかったです」

軸にあるのは、自分と他人は別の人間であるということ。同じような境遇でも、得る経験は決して同じではないはずだ。それなのに、一方的に価値観を押しつけられてしまうことがある。

結婚することについては、一番近い存在である家族や事務所からの後押しがあったことが何より大きかった。

「世間の声と、自分たちのことを本当にわかってくれてる人たち、誰の声が勝つかって言ったら、やっぱり信頼してる人じゃないですか」

ティーンを中心とした若者に支持されてきたりゅうちぇるだが、子どもが生まれてから、ファン層は広がった。彼自身、価値観が大きく変わったことはないが、心がけていることがあるという。

りゅうちぇるインスタグラムより

「インスタ(Instagram)のフォロワーのデータを見ると、年齢層が上がっていて。SNSに書く言葉を少し丁寧にしたり、発言するときに気をつけることはあります。自分のせいで子どもが後ろ指をさされないように」

「おバカタレント」「若者の代表」「ニューノーマル」と、りゅうちぇるにはさまざまなイメージがついて回る。ときには「こんなりゅうちぇるはイメージと違う」と、勝手に絶望されることもある。
ただ、りゅうちぇるには芸能人としてのこんな覚悟があるという。

りゅうちぇるインスタグラムより

「傷つくようなことを言われることはあるけれど、ただでさえ大人になると、注意もされなくなってくる。芸能のお仕事をさせていただくと、チヤホヤされる部分もあるんですよ。そんな中でいろんな声をいただけて、成長させてもらえている。そういう仕事って、なかなかないと思うんですよね」

SNSで届く声にはすべて目を通す。それでもブレずに自分らしさを貫けているのは、ずばり「気にしたことがない」から。

「“ちゃんとその声を聞く”ことと“気にする”ことって全く別物だと思ってて。子育てに対して『こうしたほうがいいよ』ってコメントもいただくんですけど、いろんな意見に振り回されてブレブレの親だと、リンク(長男)がかわいそうだし。ひとつひとつの声を気にしはじめると仕事も取捨選択してしまって、チャンスを捨てることもあるかもしれない。だからやっぱり自分を信じて、可能性にチャレンジしたいんです」

自分が成長しているのに、過去の自分のままだとズレてしまう

テレビに出始めたころのりゅうちぇるは、当時から「5年後はおバカタレントとしてテレビに出たくない」と決めていた。

「自分自身は成長していくのに5年前の自分のままで出演したら、それは演技になってしまうしズレが生じてしまうじゃないですか。イメージを気にされている芸能人の方も多いと思うんですけど、僕は逆に、『こんな面もあるんだ』って部分をどんどん出していきたい」

ハリボテのりゅうちぇるではなく、本心や成長を見てほしい――。その時々の自分を表現できる芸能人でいたいと話す。テレビ出演の多かった時期も「2つのこと」は守り抜いた。ひとつは「無理しすぎないこと」、もうひとつは「嘘をつかないこと」。

「もちろん、最初にテレビに呼ばれたときは『爪痕を残すぞ』とは思ってたんですけど、無理しすぎたり、嘘をついたりはしないって決めてました。だから、ちょっとした反抗はしちゃってましたね。例えば打ち合わせとかで、『これは若者に人気なので、知ってる体でお願いします』って言われても、本番で『知らないです〜』って言ってみたりとか(笑)。それくらい、昔から自分は自分でありたいという欲が強くて……、テレビでは使いづらいタレントだと思いますよ(笑)」

活動の場所はSNSやYouTubeなどに広がったが、コロナ禍による自粛期間を通して、「テレビ以外でも発信する経験や実績を積んできてよかった」とあらためて感じたという。

「テレビでいっぱいふざけてみんなに笑ってもらうのだって、もちろん好きですよ。正直、今バラエティーに出てもめっちゃ頑張れるし、面白いと思うんです(笑)。でも、テレビだけに固執していたら、自粛期間中に仕事が減って困っただろうし、SNSやYouTubeでの発信もはじめてよかったなって思います」

TwitterとInstagramのフォロワー数は合計241万人、YouTubeチャンネル『RYUCHELL』のチャンネル登録数は24.6万人にも及ぶ。りゅうちぇるは、より自分らしさを表現できる場を選んだのだ。そんなふうに自分らしく生きたいりゅうちぇるが一番嫌なのは、「強要されること」。

「僕のイメージを人に決めつけられるのとかは、もちろん嫌な気はするんですけど、もう諦めてるんですよ。いろんなイメージを持たれるのは自由だし、そういうイメージを持たないでほしいっていうのも強要になるし。何よりも嫌いなのは強要かもしれない」

あなたの人生の主人公は、あなただよ

ここまで自分を貫ける強さに圧倒されてしまう。今の社会では、人の意見に右往左往したり、言いたいことを言えなかったりするからだ。りゅうちぇるの強さの源泉となっているものは、なんなのだろう。

「自分を好きになる、自己肯定感だと思います。自分を認めてあげること。『なんで自分はこんなにできないんだろう』『どうせできないしな』とか、自分にとってマイナスなことって何個もあって。『子どものことをもっと愛したいのに、もっと大好きって伝えたいのに、こんなに眠たいなんて、親としてどうなんだろう』とか、自分を責めちゃうタイミングっていっぱいあるんだけど、とにかく自分を守って支えてあげる。『大丈夫、だってこれはしてあげたし、ちゃんと返事もしてあげてるし』っていうふうに考えたりとか」

そして、りゅうちぇるは「僕は、人生の主人公を自分にしているんです」と続けた。

「自分でない誰かとか、嫌いな人が人生の主人公になっている人が多すぎると思う。『あなたの人生の主人公は、あなただよ』って言いたいですね。つまずいたり困ったりすることがあっても、自分が主人公なんだから、成長して絶対にハッピーエンドになるんです。自分を主人公にしたら歩き方も変わるし、今日こういうふうに思おうとか、テンションとか気持ちも変わってくると思うので」

「みんなに人生の主人公になってほしい」との思いを込めて、今後は“人生”をバックグラウンドに置いたメイクブランドを出したいと意気込む。

「なんで僕がメイクを好きかというと、人生が変わるからなんですよ。メイクって性格も変えるし、自分自身を取り戻せるし、人生を変える力を持ってるんです。そういうメイクブランドのプロデューサーに、なりたいなって。なりたいなっていうか、なりますね」

“おバカタレント”、歌手、パパ、メイクプロデューサー……。
印象も、肩書も、めまぐるしく変わったし、これからもどんどん変わっていくだろう。それでも、彼は彼らしく、自分の人生の主人公として、生きていくに違いない。


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