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佐々木康太

今田美桜、芸能浪人を経て「福岡一可愛い女の子」になるまで タイムリミットは22歳

2020/02/09(日) 08:16 配信

オリジナル

話題のドラマ、映画への出演が相次ぐ俳優・今田美桜(22)。1月に発売した写真集『ラストショット』(講談社)は、発売から3日で2度目の重版が決定し、俳優の写真集としては異例の5万部を突破している。いまや女子中高生の憧れの的だが、全国デビューまでには逡巡の1年があった。ときに日雇いのアルバイトをしながら、福岡でモデル活動を続けた日々を「一番、キツかった」と振り返る。両親と決めたタイムリミットは、22歳。迷い続けた若手女優はいかに「福岡一可愛い女の子」になったのか。もうすぐ23歳の今田が語った。(取材・文:山野井春絵/撮影:佐々木康太/Yahoo!ニュース 特集編集部)

大学進学の道を捨てて演技の道へ

俳優・今田美桜の萌芽は高校2年生のある春の日。友人と福岡市内を歩いていたとき、モデル事務所のスカウトを受けた。そのとき、戸惑いながらも、自分の中で「何か」が目覚めたような気がした。

「私は将来についてきちんと考えたこともなかったですし、卒業したら、どこか大学に進学して就職するのかなって、おぼろげに思っていました。でもスカウトされて、ふと『やってみたいな』と心が動いたんです。両親に頼みこんで、学業を優先させることを条件に、習いごと感覚でモデル事務所のレッスンに通わせてもらいました」

モデルのウォーキングレッスンや演技指導などを受け、徐々に芸能の楽しさに目覚めていく。すでに事務所に所属しているモデルや、俳優志望の友人らと語り合うことで刺激され、芸能界への憧れが大きくなっていく。

「でも、ほとんどのオーディションは平日なので、『学業優先』を約束している私にはなかなかチャンスがありませんでした。そんななか、どうしても受けたいテレビCMのオーディションを見つけて。これだけは受けさせてください、と両親に頭を下げ、合格しました。CM撮影前にはきちんと演技レッスンもあったりして、カメラの前に立って……。私は、そこで初めて『仕事の楽しさ』を知りました。本格的にやるには、やはり東京へ行くべきなんだろうな、と」

こうして出演したアウトレットモール・マリノアシティ福岡のCMを皮切りに、行政の観光PRビデオや福岡ローカルの情報バラエティーなど、少しずつ九州での露出を増やしていく。一方、高校では最終学年を迎え、進路を決める時期が迫っていた。

「東京で俳優になりたい」――強くなる一方の思いを両親に打ち明けることができずに、思い悩む日々。

「両親には、仮に芸能活動で失敗しても、大学は別の仕事に就くための保険になるだろう、という考えがあったと思います。確かに俳優として成功するという保証もなく、親を説得させる材料はありませんでした。じゃあ、東京の大学も探そうかなと調べたり……」

「高校を卒業したら、俳優を目指します」という一言を切り出すことができない。今田は3人きょうだいの長女。両親とのネゴシエーションの術(すべ)を知らない。真面目な長女気質も手伝って、なかなか勇気が出なかった。

そんな今田の葛藤を理解し、俳優になるという夢を後押ししたのは、担任の先生だった。

「進路を確定しなければ、という時期の三者面談で、両親のことを説得してくれたんです。だから私も思い切って、本当に俳優になりたいという思いを、その場できちんと伝えることができました。あのとき勇気を出さなかったら、今の自分はないかもしれない。モヤモヤしながらも、大学受験に臨んでいたかもしれません」

両親は俳優への挑戦を認めたが、ひとつだけ条件があった。

「『タイムリミットは、みんなが大学を卒業する22歳』だと。親としては、ずるずるやっていても……と、やっぱり不安だったんだと思います」

「福岡一可愛い女の子」から見た橋本環奈

高校を卒業したものの、すぐに上京はできなかった。福岡でモデル活動をしながら、オーディションを受け続け、たまに日雇いのアルバイトをする毎日。東京には行きたいが本当に自分が通用するのだろうか、そんな不安もあって、なかなか動き出せなかった。

「そのころが、いちばんキツかったかもしれません。福岡での仕事は、多い月もあればまったく暇な月もあったりして、収入も不安定でした。でもレギュラーでアルバイトをしてしまうのは、違うな、と思いましたし。オーディションを受けるにはやっぱり東京で、ならば東京に住もうか、でも受かる保証もないのに出ていくのはなぁ、友達もいないし、知らない土地だし……」

福岡から見た、東京の芸能界の華やかさも今田をためらわせた。

「とにかく才能のある方が山ほどいる世界で、成功できるのは、ほんの一握りですよね。才色兼備な女性たちがしのぎを削る場所に、自分一人で進出していく勇気がなかったんです。結局、上京できたのは、高校を卒業して1年後、19歳になってからです。あのタイミングで現事務所の社長から声をかけてもらわなかったら、そのまま出られずに終わっていたかも」

約1年間の、いわば芸能浪人期間を経て、今田がつかんだチャンスは現事務所・コンテンツ3からのスカウトだ。自信はなかったが、「このタイミングを逃してはいけない」という直感はあったという。満を持して上京した今田に、社長が与えたキャッチフレーズは、「福岡一可愛い女の子」だった。

「いやもう、そのキャッチフレーズは、ありがたいんですけど、本音は違うんです、と言い続けてるんです。福岡出身で言ったら、橋本環奈さんとか、それこそ別格の可愛い人たちがたくさんいますし、私なんかには申し訳ない、と思ってました(笑)。福岡って、可愛い子の宝庫なんですよ、本当に!」

ネガティブな性格を乗り越える「デトックス」法

上京後も、何度もオーディションを受けては落ちた。初めて台本をもらい、そこに自分の役名を見つけたときの喜びは忘れられないという。

「基本的にはネガティブな性格」ながら、気持ちを切り替える方法も知っている。それは、「思いきり泣く」こと。泣いてストレスを発散し、心の整理をする。ここで泣いて、心にため込んだものをデトックスしたほうがいい、というタイミングは、自己判断できる。そこが自分の強みでもある、と今田は自己分析する。

「おかげさまで忙しい毎日が続いていますが、もしもまとまったお休みが取れたら、ヨーロッパを旅するのが夢です。あっ、でも、やっぱり、ヨーロッパにいく前後、どこかで福岡には帰っておきたい!」

大好きな家族と、地元の友人たちに会いたい。この年末年始も、2泊で帰省することができた、と嬉しそうに話す。ちょうど、年始には自身が出演した『半沢直樹II エピソードゼロ 狙われた半沢直樹のパスワード』が放送された。

「ついこの間までは、学生役が多かったんですが、最近は社会人を演じる機会も増えています。同級生たちも、みんな社会人1年目。この間、帰省先で集まったときに、金融系に勤めている友人とは、私が出演した『半沢直樹』シリーズの話で盛り上がりましたね。今あらためて見直してみると、なるほど、こういうことだったんだと理解できる部分がたくさんあって。みんなも、私も、大人になったなぁ〜って(笑)」

昨年の3月、両親からタイムリミットとして提示された22歳を迎えた。

「私の職業は、俳優です」

誰かに尋ねられたら、はっきりとそう答えることができる。暗黙の了解を得たのか、22歳を超えても、両親は何も言わなかった。そしてもうすぐ、今田は23歳の誕生日を迎えようとしている。

「結婚は……30歳くらいまでに、したいです。目指している女性像は、母なんです。おっちょこちょいで、天然で、フワフワしているんですけど、めっちゃ頑固なんですよ。自分を貫いていて、すごいな、って尊敬しています。自分の意志を、しっかり持っている人でありたいな、と思いますね」

今田美桜(いまだ・みお)
1997年3月5日生まれ。福岡県出身。2016年に上京し、「福岡一可愛い女の子」として人気を集め、ドラマ、映画、CMなどの話題作に次々と出演。現在、ドラマ『ケイジとケンジ〜所轄と地検の24時』に出演中。2月には『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』が公開予定。2020年1月、2nd写真集『ラストショット』(講談社)を発売。発売日に緊急重版が決まったとして、話題になった。


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