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殿村誠士

「実は、炎上しているという意識がないんです」――熊田曜子は、なぜくじけないのか

2020/10/17(土) 17:09 配信

オリジナル

整形、クスリ、夫は反社会的勢力……なぜか熊田曜子(38)にはスキャンダラスな検索ワードが並ぶ。夫や義母、子供との日常をSNSやブログに投稿すれば、予想だにしない角度から批判の声があがる。一方で3児の母親にしていまだ現役のグラビアアイドル。写真集を毎年のように出し続けている。熊田は、自らの人生劇場をどう捉えているのか――。(取材・文:岡野誠/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース 特集編集部)

SNSで炎上しがちな熊田家 義母と週8ペースで会う

家庭の話をつづった熊田のSNSは、頻繁に炎上する。最初にネット上で議論を呼んだのは、2018年11月。子供3人を児童館に連れていったところ、大人1人につき子供2人しか入れないとして入館を断られたとブログにつづった。すると、〈同情を誘いつつ、児童館を叩いてほしいという魂胆では?〉などと勘繰られた。

「実は、炎上しているという意識がないんです。むしろ、私に子供が3人いると認知された、自分のプラスになったと勝手に思っています」

さらには2019年4月、インスタグラムで、誘いを断った義母に1時間の電話と30行ものLINEでダメ出しされたと告白。〈自分を“悲劇のヒロイン”に仕立て上げている〉などと邪推された。

「結婚当初は、食器棚の配置や普段の服装についてもアドバイスされて、戸惑いました。でも、8年経って慣れました。いろんな考え方があるし、お姑さんも絶対よかれと思って、言ってくださっている。やり方は違うけど、1回のみ込んで、もう言い返すのはやめようと決めました。同じマンションの違う階に住んでいた時期もありましたし、今も近所なので、すごく子供の面倒を見てくれますから、助かっています。週8ペースで会ってるくらいです」

その2カ月後には、家で夕飯を食べる約束を100回も反故にしてきた夫への愚痴を投稿。当初は共感を呼んだが、『ノンストップ!』(フジテレビ系)で同じ話をすると、〈夫婦問題を自分だけ一方的に話すのは、どうなのか〉などと批判を浴び、離婚への布石かと憶測も流れた。

「『ウチも同じです』とメッセージをくれた方もいました。育児も、共感してくれる人がいると心強くなりますよね。あの後も主人は変わりません。だから、基本的に主人抜きの夕食を作っています。1個課題が減って良かったと思うようにしました。世間から『仲悪そう』と言われるほうが楽ですよ。おしどり夫婦と思われると大変じゃないですか。どの家庭もお互いに不満を持っているでしょうから。主人は全ての出産に立ち会ってくれたし、私の体調が悪いとずっとそばにいてくれる。すごく安心感のある存在です」

肋骨は抜いてない、反社会的勢力も関係ない

熊田にとってこうした「炎上」は結婚して子供を持ってから始まったわけではない。19歳でデビューして以降、熊田には良からぬ噂が絶えない。その話題を投げ掛けると、滑らかな口調で語り始めた。

「20代のころ、『タイで肋骨を抜いた』とよく言われましたけど、今もちゃんとありますよ。雑誌に『胸にシリコンを入れていて、飛行機に乗ると破裂する』とイラスト付きで出たこともありました。整形疑惑はもちろん、クスリやっているとも書かれましたね。あるMCの方に『相当、顔イジってる熊田曜子さんです』と紹介されたり、芸人さんに『全身整形』とイジられたりしました(笑)。もう、“何でも言っていいタレント”という扱いを受けています」

「噂を全部把握しているわけではないので、中には本当のこともあるかもしれませんけど。いま挙げた話は、どれも事実ではないですね」

なぜ、数々の疑念の目が向けられるのか。真実でないことを流布され、怒りは湧き上がらないのか。

「『熊田曜子 整形』『熊田曜子 クスリ』『熊田曜子 胸破裂』……どれもキャッチーですもんね。私、作り手側の気持ちになっちゃうんです。『飛行機で胸が破裂する』という雑誌の記事は、編集さんがイラストレーターさんに『破裂する絵をお願いします』とわざわざオーダーしたわけですよね。そのやり取りを想像しちゃって(笑)。目線を変えると違う部分が見えて、怒りよりも面白さのほうに行っちゃいます。エゴサーチしても平気なタイプです」

常人なら、ネットを見ることすら躊躇しそうな状況。なぜ果敢に自分の名前を検索できるのか。

「考え方ひとつだと思うんです。たしかに『熊田曜子って、まだいたんだ』とか嫌なこともいっぱい書かれます。でも、その人がテレビを見る時間帯に出ていないんですよ。実際、私も結婚して生活リズムが変わると、『あの人はこの方面で活躍していたんだ』という発見がありました。だから、あくまで今の意見で、数年後には変わるだろうなって」

“熊田曜子”と打てば、関連検索キーワードも出てくる。その中には、ネガティブな単語も目につく。

「『旦那』も出てきますよね。主人と笑ってます。『反社会的勢力の人になってるよ。怖いね』とか言って(笑)。たぶん、写真を見たら、真面目な人という印象を持つと思います」

グラビアの仕事、反対した家族との会議

熊田は2012年の結婚後も、大胆な露出を続けている。義母や夫は、どんな反応を示しているのか。

「4年前、お舅(しゅうと)さんと主人と私の3人で家族会議を開きました。お姑さんが、子供が大きくなったときに大丈夫かと心配していたようです。私がお仕事を大好きだと知っていたので、自分からは言いにくかったみたいで」

仕事を選んだほうがいいと懇々と説得する義父。無言でうつむきながら机を見つめる夫。部屋には、時計の秒針が鳴り響く。張り詰める空気の中で、熊田は自分の信念を伝えた。

娘に聞かれても、自信を持って頑張ってきたと胸を張れます。それでも、娘がやめてほしいと言うなら考えますが、続けさせてほしいです――。その熱意に、2人は折れた。

「お舅さんは『各家庭の問題だから息子とよく話し合って決めてね』と言ってくれました。主人は『グラビアに懸ける気持ちがよくわかった。今までと同じ露出ならいいよ』と認めてくれました」

かつて、マツコ・デラックスは〈熊田曜子にとって、グラビアは唯一見つけた「拠り所」という感じなの。「アタシからグラビア取ったら、何が残るっていうの」って鬼気迫るものがあるのよ。(中略)熊田曜子のグラビアだけは手を止めてしまうんだよね〉(『EX大衆』 2011年8月号)と評した。

「芸能界で生きていくうえで、私の唯一の武器なんです。グラビアの仕事がなければ、何の武器も持たず戦場に行く兵士みたいなもの。でも、需要がなくなれば終わってしまう。10年以上前から『これが最後の作品』と毎回覚悟を決めて、出し切っています」

文句も1個の愛情かなって

熊田は冷静に現状を捉え、他人の声に掻き乱されない。だが、今までの人生で1度だけ極端に落ち込んだことがある。

「誰よりも理解してほしい母に芸能界入りを反対されたとき、本当につらかったです。顔も知らない、一瞬しか会ってない方に何か言われても、そんなに深く言葉が入ってこないですけど、私を大事に思ってくれる人の意見は心に響きます。仕事のスタッフが、自分の気づかない点を指摘してくれると、すごく嬉しいです。気を使って『綺麗ですね』と褒めてもらっても何も面白くありません」

ネットで何を書かれても、熊田はプラスに捉える。根底には、こんな考え方がある。

「デビューして数年は打たれ弱かったのですが、あるとき、母に『最近、検索エンジンに“くま”って打つと、“熊田曜子”って出るよ』と教えてもらい、ふと気づいたんです。良いことでも悪いことでも、わざわざ自分の時間を割いてまで、私にエネルギーを費やしてくれる人がいる。これも、1個の愛情かなって。だから、文句を言われても、熊田曜子を世に知らせてくれる人と思うようにしています。発信しても何も反応がないと寂しいものですよ」

批判を肥やしに、誹謗中傷さえも笑いのネタにする。熊田曜子が芸能界で生き延びてきた背景には、グラビアへの熱意と、どんな意見も自分のパワーに変える強さがあった――。

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