ダム湖の底と信号場!根室本線(滝川ー富良野)の廃駅2か所
JR北海道根室本線(滝川駅ー根室駅)は主に富良野駅、新得駅、帯広駅、釧路駅を境に輸送状況が変わる全長443.8kmの路線です。このうち、富良野駅ー新得駅(上落合信号場)は2024年3月末に廃止(外部リンク)。
富良野駅ー新得駅(上落合信号場)にある、落合駅、幾寅駅、東鹿越駅は過去に紹介済で、他の金山駅、下金山駅、山部駅、布部駅は今後取り上げます。
今回はJR根室本線のうち、滝川駅ー富良野駅の間にあった廃駅2か所を紹介します。石勝線開業や炭鉱閉山などによる過疎化で輸送人数が大幅に減り、現在定期列車は普通・快速列車のみ。臨時では滝川駅ー富良野駅を特急や貨物列車が走っています。
輸送は国鉄時代に比べて減りましたが、意外にも廃駅は少なく2か所。うち1か所はダム建設による集落移転によるものです。そんな廃駅跡を車で追いかけてみました。
1.滝里駅(芦別市・1991年10月廃止)
今はダム湖の底!
滝里(たきさと)駅は現在の野花南駅ー富良野駅の間にあった、芦別市滝里町の駅。1999年に完成した空知川の途中にある滝里ダムの完成後水没し、駅跡周辺に住んでいた住民は全員移転しています。
ダム建設と並行して根室本線が付け替えられ、滝里湖の西側に現在の線路が建設。滝里駅は現在の線路が開通した1991年10月に廃止されました。なお現在の線路はほとんどトンネルであり、車窓から滝里湖の景色を楽しめません。
旧滝里駅はダム湖・滝里湖の底に沈みました。同じく切替られた国道38号沿いから見える滝里湖の景色から懐かしむしかありません。
旧滝里駅を偲ぶ展示などは鉄道施設やその近くにないのでしょうか?実は旧滝里駅の隣、野花南駅舎内に地味ですが写真が展示中。野花南駅へ行ってみましょう。
野花南駅に展示があります!
野花南(のかなん)駅は芦別市野花南にある無人駅です。
この記事で取り上げた廃駅は2か所共野花南駅ー富良野駅の間にありました。写真の駅名標も滝里駅、島ノ下駅の廃止により修正されています。
駅舎の待合室に入ると、発着時刻やポスターの中に、古い写真が展示されています。
かなり昔の滝里駅前で撮影された写真が2葉。
こちらはカラーの滝里駅ホーム写真。駅名標が民営化後のものなので、1987年から廃駅になる1991年の間に撮影された写真です。
ダム湖の底に沈む前の旧滝里駅の様子は、野花南駅訪問をおすすめします。
2.島ノ下駅(富良野市・2017年3月信号場へ)
島ノ下(しまのした)駅は現在の野花南駅ー富良野駅の間にあった、富良野市字島ノ下にある駅。利用者減の影響により、2017年3月4日から列車交換設備があったため信号場となりました。
信号場周辺は数軒の人家があります。また近くに国道38号と道道135号美唄富良野線との交差点があって、道路交通の要所となっています。
島ノ下信号場へは滝川側から市道を進めますが、途中にJRが設置したバリケードがあり、先は関係者以外進む事が出来ません。なお列車交換が出来る2本の線路、現在はホームがない所はバリケード前から確認出来ます。
一方信号場の正面付近に舗装されていない道がありますが、傾斜がきついので徒歩でしか行けません。また春から秋にかけては雑草も生えているので、軽装で行けない事があります。
旧駅舎は残っていますが「JR島ノ下駅」の文字は消えかかっています。また駅舎前には柵と立入禁止の標識がありました。
一般人が島ノ下信号場内を見るには、列車に乗って車窓を眺めるのが一番良さそうです。
まとめ
1.旧滝里駅はダム湖の底に沈んでいる。滝里駅の様子は野花南駅舎内の写真が参考になる。
2.旧島ノ下駅は信号場となっている。敷地に道路から近づく事は一般人には難しい。
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