新千歳空港近くの廃駅!JR千歳線「美々信号場」
北海道の空の玄関・新千歳空港。国内線ターミナル地下にはJR新千歳空港駅があり、2021年度はJR北海道の駅で乗降客数が6位(外部リンク)。ところが直線距離で約3km少々、実質約7km先に、乗降客が非常に少なくなったので廃止された駅があります。しかも北海道でも列車本数の多さで知られるJR千歳線。
昔の「美々駅」、現在の「美々信号場」。新千歳空港駅は何とか判るという人から知れば驚くお話かもしれません。新千歳空港に近い、列車では通過するだけの鉄道ファンが立ち寄りたい"秘境"へ車で行ってみました。
新千歳空港と番地以外同住所!なのに空港ターミナルから約7kmの場所
美々信号場はJR千歳線・南千歳駅ー植苗駅(苫小牧市)にあります。住所が「千歳市美々」と番地を除くと新千歳空港ターミナルビルと同じである「廃駅」。1926年8月21日に開駅しましたが、利用者が減少し2017年3月4日駅としての役割を終え、信号場となりました。
空港ターミナルとほぼ同じ住所なのに直線距離で3km以上、滑走路を迂回して行く必要があるため、実質距離7km以上かかる場所にあります。
美々信号場がある新千歳空港滑走路東側は人家が少なく、工場、倉庫、森林、農地などが拡がる地域。
新千歳空港から美々信号場へは国道36号から進むのが便利です。
駅舎は現存!ホーム・跨線橋は撤去
交差点を曲がり、道路が左カーブする場所を真っ直ぐ進むと美々信号場。
駅舎は「美々駅」という名前標は撤去された以外はそのまま。保線などの拠点として活用されているようです。
美々駅はICカード対応改札機があるのに廃駅となった全国初の駅でもありました。
ホームや跨線橋は撤去され、一般人は線路内に立ち入る事は出来ません。駅舎横の立入禁止ロープそばから撮影してみました。
千歳線は南千歳駅ー新千歳空港駅を除き全線複線ですが、美々信号場は複線の間に、両方向の列車が退避出来る線路が1本あります。
中央にある1本の退避線は、貨物列車や臨時列車が特急などに追い抜かれる場合に使用。なお2023年8月現在のダイヤでは追い抜きはわずかです。
駅時代のホームは列車をきれいに撮影しやすいので、鉄道ファンの名所でもありました。
信号場近くには「美々貝塚」と千歳市の"貝塚"!
ここでは美々信号場周辺に注目します。
美々信号場前にある道路の左カーブを進むとすぐに踏切。
踏切から美々信号場の内部を見る事が出来ます。
信号場内にある建物に保線用車両がありました。
踏切を渡ってすぐに史跡「美々貝塚」(外部リンク)と千歳市の環境センター・ごみ処理場があります。貝塚に興味ある方は日時等があえば見学してみるのもいいでしょう。
まとめ
北海道の空の玄関として賑わう新千歳空港近くに、乗降客減で廃駅となった場所があるのは意外かもしれません。
興味ある人はルールを守った上で信号場に立ち寄る、または列車の車窓から眺めてみてはいかがでしょうか。
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