北海道の廃駅跡をたどる!函館本線(函館ー森)
函館本線(函館駅ー旭川駅)の廃駅跡たどりは、
2023年6月にJR北海道が無人駅42駅の廃止を検討と北海道新聞が報道(外部リンク)しましたが、42駅の中には函館ー森の仁山駅、赤井川駅が含まれています。またJR北海道は以前にも利用が少ない駅の廃止を進めており、函館ー森で5駅ありました。
JR北海道発足後に廃止された5駅は全て大沼ー森の単線区間。一部は廃駅で跡が見つけにくい場所となり、残りは信号場となっています。廃駅となった5駅の跡を車で追ってみました。(訪問:2023年7月)
本線(大沼公園・駒ヶ岳経由)
廃駅5カ所のうち、大沼ー大沼公園ー駒ヶ岳ー赤井川ー森の本線での廃駅を取り上げます。2か所とも赤井川ー森の間にあり、かつては赤井川ー東山ー姫川ー森の順でした。
東山駅(森町・2017年3月4日廃止)
東山駅は国道5号から離れており、周辺は人家が少ない場所です。
国道5号から東山第1道路踏切の手前にある線路沿いの細道を進んだ先にホームがありました。ホームは踏切から見て函館方向、線路の右に位置。
駅ホームへの細道は立入禁止となり、雑草が生い茂っています。この路線は特急列車と貨物列車の札幌方面行全てが通るため、ホームまでの細道に柵が設けられていました。なおホームは既に撤去済。
東山駅は戦時中にスイッチバック式の信号場として開業。駅ホームがあった反対側には加速線がありました。
一般の人が旧東山駅そばで加速線の跡を安全に見るには列車に乗るしかありませんが、線路の外から見る場合は踏切と砂利道になります。
函館本線砂原支線が開業し信号場としての役割が終わってからは仮乗降場、JR発足後に正式に駅となります。
姫川駅(森町・2017年3月4日信号場へ)
姫川駅は東山駅の隣に存在した無人駅で、現在は列車交換で使用する信号場となっています。
地図を見ただけですと国道5号沿いにあって簡単に行けそうですが、国道と函館本線の間に高台と森林があり、車で行くには森町中心部から、また函館方面から国道5号を利用する場合は途中で右折しう回しなくてはいけません。
舗装された町道を進み、尾白内川を渡った先にある下記写真の場所を曲がります。ここからは砂利道。
途中養蜂場と鉄のアート工房を見ながら進んで到着。駅舎はなく、駅舎跡から先は立入禁止でした。
立入禁止バリケード前から見ると、駅時代のホームへ降りる階段があります。ホームは今はありません。
訪問中に札幌方面行きの貨物列車が通過。信号場で安全に撮影するならこれが限度です。
砂原支線
残り廃駅3か所は函館本線砂原支線で全て七飯町内、しかも大沼ー鹿部の間です。かつては大沼ー池田園ー流山温泉ー銚子口ー鹿部の順でした。
池田園駅(七飯町・2022年3月12日廃止)
池田園駅は大沼公園駅から伸びる道道338号を鹿部方面進んだところにありました。しかし駅舎があったのは道道338号に近い北側ではなく線路の南側。駅跡へ行くには少し鹿部方面に進んだところにある踏切を渡ると便利です。
また道道43号利用で行く場合、道道338号より離れているので地図やカーナビで確認しながら向かいましょう。
駅舎と跨線橋があったのですが、既にありません。
ホームもなく、ホームの土台に使われた感じの盛土が残っていました。
かつて駅舎があった場所から周辺。人家がありますが少な目です。
道道338号を進んでいきます。
流山温泉駅(七飯町・2022年3月12日廃止)
流山温泉駅はJR北海道が開発主体だったリゾート施設へのアクセス駅として2002年4月27日に開業。しかし流山温泉は経営難で2015年2月28日に営業終了し利用者が激減。施設は現在「パド・ミュゼ大沼流山牧場」となっています。
流山温泉が営業終了した2015年3月から廃駅までの間は、大沼流山牧場の私有地をロープをくぐって通る事が出来ましたが、現在はどうなのでしょうか?
道道338号にあるパド・ミュゼへの案内看板を曲がります。
すぐ目の前に「流山温泉」踏切がありますので渡ります。
踏切から道道338号を向いて撮影します。踏切横に資材置場がありますが、駅はここから更に先にありました。
流山温泉駅廃駅前はここから入場可能でした。
出入口反対側に「大沼流山牧場」とあります。
入口に進むと注意事項が書かれた看板が…。
廃駅への立入を実質禁止する内容でした。ここで引き返して道道338号に戻ります。
廃駅前の地図を頼りに道道338号を歩き、流山温泉駅があった場所そばに行ってみます。すると駅跡に通じていたような保守用と思われる道路がありました。道路を軽装で歩くには危険でしたので止めました。
流山温泉駅があった場所に最も近い道道338号場所は、森林の先に大沼が見えます。
流山温泉駅は安全などの面から、手軽に駅跡に行けなくなりました。
銚子口駅(七飯町・2022年3月12日信号場へ)
銚子口駅跡への行き方は、
1.道道338号を進み、東大沼キャンプ場付近で右折する
2.道道43号を進んで左折
です。地図では2のルートを表記。
銚子口駅は列車交換設備があったので、廃駅後は銚子口信号場となりました。
駅舎は現存していましたが、駅名札はなし。駅舎跡の鹿部側にはフェンスがあって立入禁止。
かつての駅待合室を見る事が出来ました。椅子などはなく、現在は信号や保線用の拠点となっているようです。
銚子口信号場内部を安全に見るには、信号場から大沼駅方向・東大沼キャンプ付近から駅舎跡へ向かう途中の鬼柳4号踏切から眺めてみます。
ホームと構内踏切は撤去済。信号場内に入る事は出来ません。
信号場の北側サッカー場「大沼多目的グラウンド トルナーレ」に向かう道からも進んでみました。
立入禁止の看板はありますが、ロープが手薄だったのは何らかの工事などがあったのかもしれません。また鹿部方面ホームの盛土が一部残っていました。
まとめ
1.函館本線(函館ー森)の廃駅は5カ所。
2.姫川、銚子口は信号場に、東山、池田園、流山温泉は駅としての跡がほとんどない。
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