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覚悟ない訪問は危険な場所も!北海道石北本線(遠軽ー網走)の廃駅

宙船乗り物大好きライター・そらふね

JR北海道石北本線の廃駅を新旭川駅からたどります。新旭川駅ー上川駅上川駅ー白滝駅白滝駅ー遠軽駅と続き、最後は遠軽駅ー網走駅の間です。

JRになって廃止された駅が2カ所、信号場が1か所。意外なことに留辺蘂(るべしべ)駅ー網走(あばしり)駅の間はありません。

旧生野駅は遠軽町、金華信号場と旧常紋信号場は元留辺蘂町・現在は北見市にあります。今回も車を使って訪問しました。(訪問:2023年8月、9月)

1.生野駅(遠軽町・2021年3月廃止)

生野(いくの)駅は、現在の安国駅ー生田原駅(共に遠軽町)の間にあった無人駅。国道242号から少し離れた場所にあり、廃止当時は1日3本のみの停車でした。

地元の人が駅跡碑を建立!

生野駅の周囲は人家は少なく、農地が広がっています。

生野駅跡の位置  (C)Google
生野駅跡の位置  (C)Google

国道242号から町道54号線を進むと踏切があります。

54号線踏切
54号線踏切

国道242号側から踏切を見て、渡った先の右側・生田原側に駅がありました。

54号線踏切と駅跡
54号線踏切と駅跡

踏切を渡り、国道242号方向を見てみました。

54号線踏切を国道242号を向いて撮影
54号線踏切を国道242号を向いて撮影

踏切の近くに何かあります。

54号線踏切と生野駅跡
54号線踏切と生野駅跡

駅があった場所に近づきます。ホームやスロープは残っていません。

かつてホームがあった場所
かつてホームがあった場所

石碑と小さな機器小屋がありました。石碑には「生野駅跡地 令和3年3月12日廃止」。

石碑と機器小屋
石碑と機器小屋

石碑の裏側には「豊原自治会 令和3年6月建立」。豊原とは生野駅の地名、つまり地元自治会が建てました。

新しく碑のための石を用意したのではなく、かつて生野駅で使用されたコンクリート板をリサイクルしています。

地元自治会が建てた石碑の裏側
地元自治会が建てた石碑の裏側

石碑のそばには「国有鉄道」の境界石も。

「国有鉄道」の境界石
「国有鉄道」の境界石

朝の駅跡に、遠軽駅から生田原駅方向に列車がやって来ました。

遠軽発普通列車
遠軽発普通列車

生野駅跡をスピードを落とさず通過。

生野駅跡と通過する普通列車
生野駅跡と通過する普通列車

生野駅跡から国道242号に戻ります。

近くの国道242号に北海道北見バスが運行!

生野駅が廃止された理由に、国道242号に北海道北見バスが遠軽町中心部と地元豊原地区を結ぶ路線バスを運行していたことがあります。

北海道北見バス・豊原54号遠軽方面バス停
北海道北見バス・豊原54号遠軽方面バス停

生野駅廃止直前の停車列車本数より多く、遠軽町中心部行は平日は1日4本、土日祝は1日3本の運行。

平日は1日4本
平日は1日4本

反対方向は生田原地区を通り、遠軽町清里地区まで運行。北見市内(留辺蘂地区)までは行きません。

遠軽町中心部からキララン清里方面バス停
遠軽町中心部からキララン清里方面バス停

生田原・清里地区方面は平日は1日3本、土日祝は1日2本。

平日は1日3本
平日は1日3本

周辺の人口が少ないけど、豊原地区の公共交通は維持されています。ただ北見市へ向かうバスはありません。

2.金華駅(北見市・2016年3月から信号場へ)

金華(かねはな)駅は現在の生田原駅(遠軽町)ー西留辺蘂駅(北見市)の間にあった無人駅。列車交換設備があるため、廃駅後は信号場となりました。

駅舎は係員の詰所に!

金華信号場は北見市留辺蘂町の集落から遠軽町へ向かう途中にあります。

金華信号場の位置 (C)Google
金華信号場の位置 (C)Google

国道242号から市道を進むと、旧駅舎がありました。待合室への出入口は閉鎖されています。

駅舎は廃駅後待合室が閉鎖
駅舎は廃駅後待合室が閉鎖

信号場周囲に人家は少な目。

旧駅舎前から国道242号方向
旧駅舎前から国道242号方向

保線作業の拠点となっているせいか、枕木などの資材が駅前に置かれていました。

旧駅舎の横には機器小屋も
旧駅舎の横には機器小屋も

線路が2本あり、列車交換が可能。

旧駅舎左側から遠軽方向
旧駅舎左側から遠軽方向

旧駅舎左側から線路を見ると、ホームはなし。

駅舎左側から北見方向
駅舎左側から北見方向

旧駅舎右側に回ります。

旧駅舎右側から遠軽方向
旧駅舎右側から遠軽方向

旧改札口付近に「常紋トンネル工事殉職者追悼碑 昭和55年11月建立 駅より300m」の看板。行ってみます。

常紋トンネル工事殉職者追悼碑が近い
常紋トンネル工事殉職者追悼碑が近い

北見方向も山深い場所だと感じる景色。

駅舎右側から北見方向
駅舎右側から北見方向

金華信号場は列車交換だけでなく、西留辺蘂駅で折り返す普通列車が回送され、折り返す地点でもあります。廃駅前は金華駅まで営業運転され、金華での折り返しでした。

西留辺蘂駅へ普通列車が回送
西留辺蘂駅へ普通列車が回送

西留辺蘂駅ホームに折り返し・列車交換設備はなし。

隣の西留辺蘂駅ホーム
隣の西留辺蘂駅ホーム

常紋トンネル工事殉職者追悼碑へ向かいます。

常紋トンネル工事殉職者慰霊碑に立ち寄ろう!

国道242号を遠軽方向に進むと、常紋トンネル工事殉職者追悼碑入口が現れます。

国道242号と常紋トンネル工事殉職者追悼碑入口
国道242号と常紋トンネル工事殉職者追悼碑入口

殉職者追悼碑まで階段を登ります。

追悼碑まで階段
追悼碑まで階段

上がった所には「金華小学校跡」の碑。1977年に閉校した小学校の跡地でした。

金華小学校跡碑
金華小学校跡碑

金華小学校跡碑の向かいに常紋トンネル工事殉職者追悼がありました。

常紋トンネル工事殉職者追悼碑
常紋トンネル工事殉職者追悼碑

追悼碑の後部には追悼碑の由来があります。

「常紋トンネルは大正元年から3年の歳月をかけ、本州から募集された人びとの強制労働によって建設されました。工事の途上、粗食、重労働、リンチなどによって殉難された方がたは百数十人以上と伝えられています。

この鉄道によって限りない恩恵を受けている私たちは、無念の死をとげた方がたを追悼し、北海道開拓の歴史から葬られてきた人びとの功績を末永く後世に伝え、ふたたび人類の尊厳がふみにじられることがないよう誓いをあらたにしてこの碑を建立します。 

昭和55年11月 

常紋トンネル工事殉職者追悼碑建設期成会

留辺蘂町」

常紋トンネル工事殉職者追悼碑の由来
常紋トンネル工事殉職者追悼碑の由来

石北本線の開通によって大きな恩恵がありますが、一方で残酷な労働が行われた歴史を忘れてはなりません。

常紋トンネルの手前には信号場がありました。鉄道ファンの聖地ともいわれますが、現地に行くには砂利道を進み、ヒグマが多く出没するのでクマ対策が必要覚悟を決めて行ってみました。

3.常紋信号場(北見市・2017年3月廃止)

常紋(じょうもん)信号場は現在の生田原駅ー西留辺蘂駅の間にあった信号場。生田原ー常紋ー金華ー西留辺蘂ー留辺蘂の順ですが、車や徒歩では金華信号場側からしか行けなこと、常紋トンネル工事殉職者追悼碑へ先に行ってから向かうべきだと思いますので、後に紹介としました。

信号場ですが、国鉄時代には仮乗降場として客扱いしていた時代があったので、廃駅として取り扱います。

急坂をスイッチバック方式・坂を進んでバックするやり方で登るために設置されました。登った先が常紋トンネル。

列車交換設備の使用は2001年7月から停止。2016年から交換設備が撤去され、翌2017年3月のダイヤ改正で正式に廃止されました。

国道242号から常紋信号場方面へ向かう、石北本線にほぼ沿った一本道があります。

常紋信号場の位置 (C)Google
常紋信号場の位置 (C)Google

入口は国道242号沿いのこちらの看板が目印。ここから先は砂利道で、車高が低い車での訪問は特に悪天候時は絶対お勧めできない道路を進む必要があります。

常紋方面入口看板
常紋方面入口看板

砂利道を進むと、1カ所目のJR北海道が設置したゲートが現れますが、常紋信号場はまだ先です。

JR北海道が設置した1カ所目のゲート
JR北海道が設置した1カ所目のゲート

更に進んで2か所目のゲートが現れると、右側に線路跡が見えます。ここが常紋信号場跡への入口。

2カ所目のゲート。右側に線路跡が木の間から見える
2カ所目のゲート。右側に線路跡が木の間から見える

ここからは車で行けないので、徒歩でクマ対策して歩きましょう。

砂利道を歩きます
砂利道を歩きます

進むとかつて使われた線路が見えて来ます。

かつて使われた線路
かつて使われた線路

使われなくなった信号機やシェルターが残っていました。

信号機跡とシェルター
信号機跡とシェルター

シェルター近くにはこの看板。無理はしないで戻ります。

熊出没中の看板
熊出没中の看板

私はビビりなのでここまで。

まとめ

1.生野駅にホームは残っていないが、地元の人が設置した石碑がある。

2.金華駅は信号場へ。近くには常紋トンネル工事殉職者追悼碑がある。

3.常紋信号場はクマよけ対策、車で行く場合は運転注意の場所。

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乗り物大好きライター・そらふね

地元北海道を中心に日本を旅するフォトライターです。フェリー・飛行機・鉄道旅が得意分野。船会社で船員管理・港業務・営業を経験後、旅行サイトでライターとなる。船・地方空港・名所・ホテルを紹介する記事を多く掲載しました。乗り物移動をより楽しくがモットー。

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