北海道の廃駅跡をたどる!函館本線(森ー長万部)
2023年6月にJR北海道が無人駅42駅の廃止を検討と北海道新聞が報道(外部リンク)。うち2024年春廃止を目指す駅の中に函館本線・中ノ沢駅が含まれ、地元・長万部町に廃止の意向を伝えていました(外部リンク)。2023年9月、長万部町長が廃止受け入れを町議会で表明(外部リンク)。
無人駅42駅の中には函館本線・森ー長万部間に5駅含まれていますが、JR北海道は以前にも利用が非常に少ない駅の廃止を進めてきました。
今回は函館本線・森ー長万部で既に廃止された駅の跡を、森駅から車で追った時の様子を記します。(訪問:2023年6,7月)
1.桂川駅(森町・2017年3月4日廃止)
桂川(かつらがわ)駅は現在の森駅ー石倉駅の間にあった無人駅。
JR森駅から道道1028号を長万部方向に進み、途中から鷲ノ木漁港への道へ右折後、鷲ノ木道踏切を渡ります。
桂川駅は鷲ノ木漁港北端が右側に見える場所付近にありました。
かつての桂川駅ホーム出入口は写真の白い建物左・現在は資材置場になっている場所です。
駅ホームへの出入口があった付近は細い道路がある漁村の住宅街。白い建物の右隣には個人宅があります。
ホームがあった場所付近には噴火湾に流れる小川があり、線路からそばの道路まではコンクリートで覆われてます。隣に小さな階段もありました。
駅があった時の地図がなければ解らないほど、跡形もなくなっていました。
2.石谷駅(森町・2022年3月12日廃止)
石谷駅は現在の森駅ー石倉駅の間、かつて桂川駅の隣にあった無人駅。現在は石谷信号場となっています。
石谷信号場はは廃駅前から線路3本あり、待避線1本は特急列車などが貨物列車などを追い抜く時に使用中。
国道5号を進むと、蛯谷(えびや)漁港が見えてきます。見通しが良い日は駒ヶ岳がきれいな場所。石谷信号場は国道5号沿いなので道路から見つけやすいです。
駅舎は取り壊され、跡地は更地になっています。
ホームはまだ残っていましたが、中に立ち入る事は出来ません。
以前駅舎とホームを結ぶ階段があるほか、ワンマン運転で使用するホームミラー柱などもあります。
駅前に函館バス「石谷」バス停があります。
今後はホームがどうなるかに注目です。
3.本石倉駅(森町・2022年3月12日廃止)
本石倉(ほんいしくら)駅は現在の森駅ー石倉駅の間、かつて石谷駅の隣にあった無人駅。こちらも国道5号沿い。
目印は山側にある石倉郵便局です。国道から石倉郵便局を見ると、駅時代のホームや階段は撤去されていました。
国道5号から石倉郵便局へ向かうには線路下通路を通る必要があります。駅時代に構内踏切や跨線橋がなかったので、国道5号及び函館方面ホームと長万部方面ホームの間を移動する際使用する通路でもありました。
また駅跡そばに函館バス「本石倉」バス停も存在。
本石倉駅跡は国道5号沿い、石倉郵便局そばと判っていれば訪問しやすい場所といえます。
4.鷲ノ巣駅(八雲町・2016年3月26日廃止)
鷲ノ巣(わしのす)駅は現在の八雲駅ー山崎駅間にあった無人駅。現在は鷲ノ巣信号場となっています。八雲駅から道道1029号を長万部方向に進んで、国道5号と合流する場所に近いです。
鷲ノ巣信号場への目印は函館バス「鷲の巣信号所前」停留所。
石谷停留所(石谷信号場)、本石倉(本石倉駅跡)を通るバス路線上にあります。
長万部行きバス停のすぐ近くにある、未舗装の道を進みます。道出入口に案内看板はありません。
道を進むとバリケードが現れます。鷲ノ巣信号場に到着。こちらのバリケード、駅時代は函館方面ホームがあった場所です。
バリケード付近から進んだ道を振り返ってみます。
駅時代には待合所があったのですが取り壊されています。待合所跡の先にJR職員の詰所がありました。詰所より先は草に覆われていて軽装では行けません。
バリケードと草があって線路に近づくのは難しいですし、危険です。
道道1029号に戻って函館方面バス停へ。
待合所があります。
実は鷲ノ巣信号場を眺めるなら、少し進んで国道5号の跨線橋から見る方が良いです。車には十分注意して下さい。
跨線橋からはバリケード付近では見えにくい鷲ノ巣信号場の状況が判ります。現在函館方面・長万部方面の両ホームはありません。また八雲駅ー鷲ノ巣信号場は複線ですが、鷲ノ巣から隣の山崎駅までは単線。信号場とならざるを得なかった廃駅でした。
5.北豊津駅(長万部町・2017年3月4日廃止)
北豊津(きたとよつ)駅は現在の黒岩駅(八雲町)ー国縫駅(長万部町)の間にあった無人駅。現在は北豊津信号場となっています。
国道5号を八雲から長万部方面に進むと、左側に写真の未舗装道路が現れます。国道から約500m山側へ進むと、北豊津信号場。なお道路脇の案内看板は駅時代のままでした。
北豊津信号場への道路は乾燥時は良いけど、雨が降っている時や積雪時は要注意。
駅舎は残っていました。現在は信号場の詰所として使われているようです。「北豊津駅」札が撤去され、右側出入口上部の窓に木製板が貼られている所が変わっていました。
函館方面ホームがあった場所にホームや階段はなく、立入禁止ロープが張られています。
北豊津駅が廃駅後に信号場となったのは、北豊津ー国縫は複線ですが、北豊津ー黒岩は単線のため。鷲ノ巣信号場と同じ事情です。
まとめ
1.函館本線(森ー長万部)ではJR北海道発足後、桂川、石谷、本石倉、鷲ノ巣、北豊津の5駅が廃駅となった。
2.石谷、鷲ノ巣、北豊津は信号場へ。
3.石谷以外はホームがなく、北豊津以外は駅舎が取り壊された。
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