夏のトレードで獲得した選手の契約を解除へ。前年にオールスター選出の29歳がノンテンダーFAに
フィラデルフィア・フィリーズは、外野手のオースティン・ヘイズをノンテンダーとするようだ。来シーズンの契約を申し出ない、ということだ。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンやMLB.comのトッド・ゾレッキーらが、そう報じている。
約4ヵ月前の7月26日に、フィリーズは、リリーバーのサランソニー・ドミンゲスと外野手のクリスチャン・パチェ(現FA)をボルティモア・オリオールズに放出し、ヘイズを獲得した。このトレードについては、こちらで書いた。
◆「どちらも勝率リーグ1位、買い手と買い手のトレードが成立。外野手の入れ替えはマーシュに影響あり!?」
フィリーズは、左打者のブランドン・マーシュとレフトで併用するため、右打者のヘイズを手に入れた。
ヘイズのスタッツを対左右に分けると、オールスター・ゲームに選ばれた2023年は、対右が出塁率.323とOPS.763、対左は出塁率.329とOPS.786なので、その差はほとんどないが、2024年はトレードの時点で、対右が出塁率.262とOPS.585、対左は出塁率.394とOPS.894だった。
フィリーズに移ってから、ヘイズは、左投手との対戦で、出塁率.444とOPS1.111を記録した(対右は.226とOPS.542)。2025年のレフトは、マーシュとヘイズの併用でもおかしくない気がする。ヘイズがFAになるのは、来オフの予定だった。
だが、移籍後の対左は、18打席に過ぎない。8月上旬に左の太腿裏を痛めたのに続き、9月初旬には腎臓の感染症に見舞われ、合わせて1ヵ月以上も離脱した。
来年7月で30歳の年齢からすると、健康を維持できれば……という見方もできるが、フィリーズは、そのまま保有するには年俸が高すぎると判断したのだろう。2024年の年俸は630万ドル。調停申請権を持っているので、ノンテンダーFAにならなかった場合、2025年の年俸も同水準だったはずだ。少し上がっていたかもしれない。
フィリーズが再契約を交わすかどうかはわからないが、200~300万ドル程度の年俸で、ヘイズを迎え入れようとする球団があっても、おかしくない気がする。