様々なスタイルがあった、古代ギリシアの服装の歴史
人類の歴史は服装の歴史といっても過言ではありません。
果たして古代ギリシアの人々はどのような服装をしていたのでしょうか?
この記事では古代ギリシアの女性の服装について紹介していきます。
古代ギリシアの女性の服装
古代ギリシアの女性の衣装、それは時代や地域により実に多彩なスタイルがあったといいます。
例えば、スパルタのように伝統重視の地では羊毛製のペプロスが引き続き使われ、アテナイではより涼やかで優美な亜麻のキトンが流行しました。
ドーリア式とイオニア式の二大流派に分かれ、ドーリア式は大きな布を肩で留める、シンプルでどこか誇り高い着方。
イオニア式は布を複数のピンで留めて袖があるように見せ、エレガントさが際立ちます。
時にこの二つを重ね着するスタイルもあり、女性たちは好みで使い分けていたようです。
一方、庶民と異なる上流階級の女性は華やかさがさらに一層増していました。
髪には孔雀の羽根や宝石が飾られ、結婚の際にはヴェールと花冠が欠かせない装いであったのです。
現代の花嫁衣装のルーツはここにあるといいますから、歴史の不思議さを感じますね。
また、美容に関してもお洒落心は尽きず、眉を強調し赤茶の頬紅を用いるなど化粧が浸透していきました。
もっとも、化粧はあくまで慎ましくというのが美徳。
伝えられる逸話では、夫に紅を引いているのを見咎められ、怒られた妻の話もあります。
鉛白の白粉や桑の実での口紅など、彼女たちの化粧道具には当時の生活の知恵が詰まっていたようです。
参考
丹野郁編(2003)『西洋服飾史 増訂版』東京堂出版