女は長いスカートをはいていた、12世紀の服装の歴史
人類の歴史は服装の歴史といっても過言ではありません。
果たして12世紀の人々はどのような服装をしていたのでしょうか?
この記事では12世紀のヨーロッパの女性の服装について紹介していきます。
12世紀のヨーロッパの女性の服装
古きフランスの婦人たちの装いは、今の華やかなドレスとは異なる静かな趣を備えていました。
衣服の基本形はビザンツの女性に似たシンプルな筒型で、庶民は足首丈のチュニックワンピースに、腰のベルトで裾を動きやすく調整していたとか。
靴も編みあげの短靴、外出の際には頭を布で覆うのが一般的で、教会へ赴く時などは特に慎ましやかに装いを整えました。
一方、上流階級の装いはさらに優美で、ブリオーと呼ばれる薄地の衣に大きな漏斗型の袖を持ち、床を引きずるほど長いスカートが特徴。
袖が長すぎるので途中で結び、小物入れとしても使われるという機知もあったようです。
また、コルサージュと呼ばれる刺繍を施した胴衣には、宝石を縫いこみ、豪華さを誇る装飾も見られました。
髪は長く編み下げられ、教会からは虚飾と非難されつつも、膝に届く長さの入れ毛を仕込むことも流行。
女性たちは金髪を好み、彼女たちの静かで巧妙な美の追求が時代の趣を彩っていたのです。
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参考文献
丹野郁編(2003)『西洋服飾史 増訂版』東京堂出版