水問題やその解決方法を調査し、情報発信を行う。また、学校、自治体、企業などと連携し、水をテーマにした探究的な学びを行う。社会課題の解決に貢献した書き手として「Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2019」受賞。現在、武蔵野大学客員教授、東京財団「未来の水ビジョン」プログラム研究員、NPO法人地域水道支援センター理事。著書に『水道民営化で水はどうなる』(岩波書店)、『67億人の水』(日本経済新聞出版社)、『日本の地下水が危ない』(幻冬舎新書)、『100年後の水を守る〜水ジャーナリストの20年』(文研出版)などがある。
記事一覧
- 今日は世界リフィルデー。東京駅近くの「リフィル(詰め替え)スポット」へ行ってみた
「リフィル」(詰め替え)は容器のリユースによって使い捨て容器の使用を回避。毎日の買い物や食事のたびに実践でき簡単で多くの人の参加が可能。削減できる資源やCO2排出量のポテンシャルも大きい。
- 首都直下地震で都内の断水率26.4%、水道復旧までの17日間をいかに過ごすか
上水道の断水率は都心南部直下地震で平均26.4%、復旧までに約17日かかり、下水道管きょの被害率は多摩東部直下地震で平均4.3%、復旧までに約21日かかると想定される。水とトイレの備えをいかに行うか。
- 明治用水頭首工の大規模漏水。全国的に進む水インフラの老朽化。今後の農業生産、工業生産への影響
応急措置によって給水ペースは上がっているが、川底の穴を塞ぐ根本的な対策には時間がかかり影響は続く。インフラ設備は全国的に老朽化し破損しやすくなっており今回のような事故が起こる可能性は全国各地にある。
- アジアの水問題。各国首脳は何を語ったか。日本における低炭素エネルギーとしての水
4月23日、24日に熊本市で開催された「アジア・太平洋水サミット」では参加国の首脳が水問題を語った。なぜ、いま水問題について国際的に考えるべきなのかをあらためて考えてみたい。
- コロナ禍、気候変動時代の「水問題」解決に向け、アジア・太平洋の首脳が「熊本宣言」採択
水不足、水汚染、水災害などの水問題は気候変動、新型コロナによって加速している。熊本市のアジア太平洋の首脳が集まり、水問題を解決するために「質の高い社会への変革」を打ち出した。
- 木村カエラさん「お風呂の湯を冷ましてから流す」は正解 「温排水」の環境への影響を解説
下水の温度は冬場で約18度、夏は約28度であり、下水処理されても水温はほとんど変わらずに、河川に放流される。それによって河川水温が上がり魚類、底生動物や付着藻類等の水生生物などに影響を与える。
- 「世界水の日」。子どもたちと「水リテラシー」を考える若手リーダーの研修はじまる
次世代の「ウォーター・リテラシー」を考る取り組みがはじまった。大学生、大学院生のゴールは8月に予定されている子どもたちとのフィールドワーク。小学生とバディを組んで水辺を歩き、新たな眼差しを獲得する。
- 「脱使い捨て」「脱炭素」へ向け、自治体は給水スポットをつくる
世界的にプラスチックの「脱使い捨て」が進む。日本のプラごみ排出量は年間800万トンを超える。企業はリサイクルに軸を置くが、資源を使うという点では、根本的な解決策ではない。
- 3月22日は「世界水の日」。30年のテーマ変遷から「水問題」とは何かを考える
今年で30回目となる「世界水の日」は毎回テーマが設定されている。「水と健康」「開発のための水」「水と食糧の安全保障」「水とエネルギー」など。その変遷から水の課題と課題の達成、今後について考える。
- 水道水の浄水方法には3つあるって知ってました? 長野で開催された水道持続セミナーの驚きの内容
水道施設の統廃合を行う際には、現存するすべての浄水方式の特徴を知り、有効活用する必要がある。急速ろ過、膜ろ過については、運転や維持管理のマニュアルが十分に整備されているが、緩速ろ過は十分ではない。
- <続>塗料不正で「水道管ショック」 水道水の安全性のために残る課題
水道管に不適切な塗料が使われ全国の水道工事がストップした。その後12製品中2製品の安全が確認され工事は再開した。水道水の安全性のための継続的な調査、品質試験のあり方の検討という課題は残る。
- 塗料不正で「水道管ショック」の事態に 工事全停止の異常、何が起きているか解説
問題が発生したのは、神東塗料株式会社(兵庫県尼崎市)が取り扱う水道管向け塗料。同製品を使った水道管などの出荷が止まり、工事は大幅に遅延。仮に水質への影響があれば事態はより深刻になる。
- 水道管塗装に「指定外原料」使用。水の安全は守られるか
日本水道協会品質認証センターは水道管の一部に「指定外原料」が使用されていると公表。合成樹脂塗料に規格認証外の原料を使用し不正な条件で得られた試験結果で認証を取得した。水道工事への影響が懸念される。
- 【記録的冷え込み】水道管を凍結から守れ 凍っても熱湯をかけてはNG
数年に一度クラスの寒気が流れ込んでいる。水道管はマイナス4度以下で凍結する可能性が高い。凍結防止策と万一凍結した場合の対策をまとめる。
- 「平屋」「一人暮らし」「高齢者」が溺死。全員が治水に取り組む時代に「球磨川水害」から学ぶこと
『流域治水がひらく川と人の関係 2020年球磨川水害の経験に学ぶ』は球磨川水害で何が起き、どのような課題が残っているかを克明に記す。流域治水を計画するうえで球磨川水害の経験に学ぶことは多い。
- あなたの会社は? CDPが気候変動、水リスク、森林破壊に対応する企業を公表
気候変動対策、水資源、森林保全に関する評価が行われ、活動を高評価された「Aリスト」に入った企業数は、全世界で、気候変動200社、水118社、森林24社。日本企業では気候変動55社、水37社、森林2社。
- Z世代の水意識。節水しない。災害用の水は備える。温室効果ガス排出ゼロのためにお金を払う
ミツカン水の文化センターが、Z世代の水に関する意識調査を発表。一般的に「環境への意識が高い」とされるZ世代は水についてどう考えているのか。
- 吉祥寺の道路陥没。年間9136件の道路陥没を誘発する地下の「見えない空洞」はなぜできるのか
道路陥没は地下の空洞に土砂が流れ込み発生。空洞は地質、地盤、水の流れなどで自然にできることもあるが、トンネル工事や地下埋設物の老朽化などでできることもある。空洞がどこにあるかを把握するのは難しい。
- 松野官房長官の発言の「水道の耐震化」「水道管の老朽化」の実態。「技術的、財政的支援」はなぜ必要か?
令和2年3月末の水道の基幹管路の耐震適合率は、全国平均で40.9%。神奈川県で72.3%、徳島県で24.4%。浄水場の耐震化率は約32.6%、配水池の耐震化率は約58.6%。地震の備えは十分ではない。
- 水道事業、広域連携で基盤強化。カギ握るのは施設の統廃合と人材育成
長野県、長野市、上田市、千曲市、坂城町は、水道事業の広域連携を模索。10月3日、岩手中部水道企業団参与の菊池明敏氏を講師に勉強会を開催。菊池氏は広域化と同時に施設の統廃合と人材育成について強調した。
- 和歌山で水管橋が落ちる。水道管路の破損・断水は全国で起こる
水道管路総延長は約66万キロ、このうち法定耐用年数を経過した管は17.6%。年間2万件を超える漏水・破損事故が発生。財政難から施設の長寿命化を図るなから、一方で点検の重要度が増している。
- 日本初の水道事業民営化。運営会社の議決権株式はヴェオリア・ジェネッツ社が51%保有
宮城県議会は、上下水道と工業用水の20年間の運営権を民間企業に一括売却する「みやぎ型管理運営方式」の運営権設定議案を可決。しかしながら運営会社の議決権株式の保有者が明らかになると宮城県議会は揺れた。
- 日本向けの米も生産する水。米国政府がコロラド川の水不足を宣言。流域全体の気温上昇に起因
現地では水使用量の多い「米を栽培すべきでない」という声も上がる。カリフォルニア州のサクラメント・バレーには、約50万エーカーの水田がある。生産された米の約半分は日本や韓国などに輸出されている。
- 雨が止んでも河川氾濫や土砂災害が発生するメカニズム
令和元年台風19号、水戸の10月12日の降雨量は126ミリ。地元の人は「騒ぐほどのことではなかった」と口をそろえたが、13日の午後3時過ぎ、市内に水があふれた。雨が止んだ後に災害が起きる理由とは。
- コロナ禍の豪雨・土砂災害という「複合災害」。くれぐれも「避難控え」に要注意
新型コロナ禍の複合災害で懸念されるのが、「避難を控えてしまう」「対応する人員や物資が不足する」「支援を控えてしまう」。判断の難しい場面が多いが、まずは命を大切にする行動をとるべき。