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エンジェルスはここ17試合で14敗を喫し、借金は11。夏のトレードで誰を放出する!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロサンゼルス・エンジェルス Apr 8, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月17日の試合に勝った時点で、ロサンゼルス・エンジェルスは、9勝9敗だった。その後は、17試合で3勝14敗。借金11を抱え、ア・リーグ西地区の最下位に位置している。

 開幕2連敗に続いて4連勝を記録した後は、それより短いものであっても、連勝は皆無だ。マイク・トラウトアンソニー・レンドーンは、いつ復帰できるのかわからない。チーム防御率4.89は、ア・リーグで2番目に高い。ここから浮上し、10年ぶりにポストシーズンへたどり着くのは、控えめに言っても、難しそうだ。

 今オフにFAとなる選手のうち、夏のトレード市場で引き合いがありそうなのは、実績からすると、リリーバーのカルロス・エステベスマット・ムーアに、内野手のブランドン・ドゥルーリーだろう。

 ただ、今シーズン、エステベスとムーアの防御率は、どちらも5.10を超えている。ドゥルーリーは、打率.156と出塁率.219、OPS.427だ。過去2シーズンとも25本以上のホームランは、4月14日の1本しかない。夏までに復調していないと、買い手がついたとしても、見返りはあまり期待できない。

 ある程度のプロスペクトを得ようとするなら、内野手のルイス・レンヒーフォや先発投手のタイラー・アンダーソンを手放すべきかもしれない。

 この2人は、どちらも、来オフにFAとなる。来シーズンも保有できるということだが、エンジェルスは、ポストシーズン進出のゴールをもう少し先に設定し、メンバーを揃えていくほうがいい気がする。そうすると、トラウトは、年齢を重ねていくものの、トラウトを中心に勝てるチームを作るというシナリオには、すでに無理が生じている。ここ数シーズンとも、トラウトは、健康を維持することができていない。

 今シーズン、レンヒーフォは、打率.330と出塁率.378、2本塁打と9盗塁を記録している。盗塁は、すでに自己最多を更新した。一塁以外の内野3ポジションだけでなく、外野を守ったこともあり、左右の両打席に立つ。年俸は440万ドルと高くなく、年齢は27歳と若い。

 アンダーソンは、2022年にロサンゼルス・ドジャースで防御率2.57とブレイクし、3年3900万ドルの契約でエンジェルスに入団した。昨シーズンは防御率5.43に終わったが、今シーズンは、ここまで7登板で防御率2.74だ。

 もっとも、彼らの好調が持続するかどうかはわからない。打率と出塁率の差が小さいことからも窺えるとおり、レンヒーフォの四球率は高くない。6.1%だ。基本的には早打ちで、選球眼を欠いている。アンダーソンの防御率は、無失点だった最初の2登板を除くと、その後の5登板は4.08となる。

 夏を迎える前にトレードをまとめる、という手もある。やや極端な例だが、今月初旬、マイアミ・マーリンズは、ルイス・アライズ(と金銭)をサンディエゴ・パドレスへ放出し、交換に4人の若手を手に入れた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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