大阪桐蔭が負けた! 近江もライバルに苦杯! 「黄金週間」に春の嵐か? 近畿で波乱が相次ぐ
春の府県大会も終盤戦。「黄金週間」は各地で熱戦が繰り広げられ、波乱も相次いだ。前週の報徳学園(兵庫)に続いて衝撃的だったのが大阪桐蔭の敗退で、近江(滋賀)も決勝で敗れるなど、センバツ組の苦戦が続いている。
大阪桐蔭は失策絡みで逆転許す
大阪桐蔭は府大会の準々決勝で、大阪学院大高に1-2で敗れた。9回に失策絡みで逆転されての敗退となったが、今チームの課題が浮き彫りになっての敗戦で、夏に向けて険しい道のりが続きそうだ。センバツでも報徳に最終盤、失策絡みで突き放されていて、投手の奮闘を生かし切れていない。攻撃陣も揃っておらず、あと2か月足らずで、攻守両面における野手陣の整備が急務だ。
大院大高は大阪2強を連破
大阪桐蔭を破った大院大高には、今坂幸暉(ともき・3年=主将)という山口県出身の遊撃手がいて、攻守の要としてチームを牽引している。9回の逆転劇も、今坂の安打が失策を誘う形で同点につながった。大院大高は4回戦でも履正社を9-8で破っていて、「大阪2強」を相次いで撃破したことになる。率いる辻盛英一監督(48)は、一昨年まで大阪公立大の監督を務め、リーグ優勝の経験もある。会社経営の傍ら連日、指導に足を運ぶ「二刀流」監督で、一躍、注目校に名乗りをあげた。ちなみに大阪の準決勝は、大院大高-大商大高、東海大大阪仰星-興国の対戦となった。
近江は1年生沈黙で滋賀学園の左腕を打てず
滋賀では近江が、決勝で滋賀学園に0-1で敗れた。控えと新戦力を中心としたメンバー構成で戦っていた近江は、決勝ではダブルエースの一角、左腕の河越大輝(3年)が完投したが1点に泣いた。
滋賀学園は左腕の高橋侠聖(3年)が、被安打5、わずか96球で完封した。近江の注目1年生コンビ、1番の吉田大翼と4番の箕浦太士はともに無安打で、夏に向けてさらなる成長が望まれる。近年の滋賀は近江の独走状態が続いていて、毎年、実力で肉薄する滋賀学園も大事な試合では勝ち切れずにいたが、この勝利で勢いづくだろう。ほかにも名門の八幡商や彦根総合なども力をつけていて、夏は激しい代表争いが繰り広げられそうだ。
奈良のライバル対決は天理に軍配
奈良は天理と智弁学園のライバル対決が準々決勝で実現し、天理が8-2で逆転勝ちした。6回の一挙6得点のビッグイニングで試合が決したが、昨秋優勝の智弁学園は昨夏の甲子園経験者も多く、夏に再戦が実現すれば激戦は必至。智弁は8強止まりで、夏はノーシードとなる。1月に藤原忠理監督(58)が就任したばかりの天理は、準決勝で名門の郡山と決勝進出を懸けて戦うが、秋の近畿大会に出場した奈良大付、高田商もすでに敗れていて、例年以上に上位校の実力差が小さい。準決勝のもう1試合は橿原学院と橿原が対戦する。
京都はセンバツの2校が夏のシードを確保
京都は8強が出揃い、夏のシード校が決まった。センバツに出場した京都外大西、京都国際も順調に勝ち進んでいて、龍谷大平安、福知山成美、京都共栄などの強豪も名を連ねる。鳥羽は乙訓との公立対決を制し、西城陽とともに公立勢として健闘している。準々決勝はA・京都外大西-西城陽、B・平安-成美、C・鳥羽-京都国際、D・京都共栄-京都両洋の顔合わせで、準決勝がA-B、C-Dとなる。有力校では乙訓のほか、京都翔英、立命館宇治、塔南・開建などが夏のシードを逃し、強豪との早期対決の可能性もある。
報徳を破った東洋大姫路は近畿出場を逃す
近畿大会ホスト県となる兵庫は、報徳が東洋大姫路に敗れたが、夏のシードは確保している。すでに準決勝、決勝と3位決定戦も終わっていて、社が須磨翔風を逆転で破って優勝した。報徳を破った東洋大姫路は、準決勝で社にタイブレークで惜敗し、明石商との3位決定戦も1点差負けした。下級生中心のメンバー構成のため、夏までの伸びしろはかなりありそうだ。近畿大会には社、翔風、明石商の公立3校が出場するが、報徳だけでなく、神戸国際大付、神戸弘陵、育英などの強豪私学も実力では全く引けをとらない。
耐久が準決勝で智弁和歌山と対決
和歌山は進行が早く、大型連休前に4強=夏のシード校が決まった。11日に予定される準決勝の対戦は、耐久-智弁和歌山、市和歌山-和歌山東で、ほぼ実力通りの顔合わせとなった。21世紀枠でセンバツに出場した田辺は市和歌山にタイブレークの末、敗れた。センバツ出場の耐久は、本番直前の練習試合で智弁和歌山に5-12と大敗していて、苦手意識を払拭したいところだ。近畿から7校が出場したセンバツ組では、報徳、大阪桐蔭、近江、田辺の4校が敗れ、春の近畿大会出場を逃した。新バット導入もあって、夏までの短期間でどこまで対応できるかもカギを握りそうだ。