北海道仁木町・ニキバスはデマンド→コミュニティバスに変わった地域交通!銀山駅(山線)訪問にも便利
バス路線が利用減、運転手不足などの理由で廃止され、自治体が主導する交通機関が各地で運行される事例が増加しています。筆者は北海道夕張市、栗山町、南幌町のデマンド交通を過去に取り上げて来ました。しかしデマンド交通には様々な意見があるのも事実。
実はかつてデマンド交通から始まり、現在はコミュニティバスで運行されている町があります。今回取り上げるのは北海道仁木町。
仁木町は果物の産地として知られ、JR函館線(山線)が走っています。しかもコミュニティバスは山線・銀山駅前にも停車。
コミュニティバスの名前はニキバス(外部リンク)。仁木町住民の足ですが、町外からの旅行者も利用可能であり、銀山駅への足としても役立つ公共交通機関です。ニキバスはどんなバスなのか実際に乗ってみました。
ニキバスとは?ざっと解説!
ニキバスは北海道中央バス・銀山線が2018年10月に廃止された(中央バス・外部リンク)ため、仁木町が主体となり運行中のバスです。特に銀山線の廃止でバスがなくなった銀山地区の足を確保しなくてはなりませんでした。
運行当初は仁木町民、仁木町に通勤する人、仁木町民の親族、介護の付き添いに限定され、乗車前日までの予約が必要(外部リンク)でした。運行開始後、仁木町は利用者の意見を踏まえ、「持続可能な公共交通ネットワークを構築するため、定時定路線(2022年4月~試験運行、10月~本格運行)のコミュニティバスへ変更(仁木町企画課未来創生係)」し現在(2024年7月)に至ります。
当初から大きく変わった点は
1.予約なしでも乗車可能
2.町外からの旅行者も利用可能
なお予約は運行当初と同様受け付けており、予約者が優先されます。満員時に予約なしの希望者がいた場合は乗車出来ません。筆者も事前に予約しました。
現在ニキバスは1日4往復で、仁木町下尾根内ー銀山ー大江ー仁木町中心部ー余市町中心部のルートです(外部リンク)。余市町内のみ、仁木町内のみの利用も可能。運賃は現金、回数券、定期券のほか、WAONによる支払いとなります。利用方法はこちら(外部リンク)。
平日昼にニキバスに乗り、今後が注目される山線のJR銀山駅まで出かけてみました。
昼にニキバスで銀山駅まで往復
余市駅前→銀山駅
町外の旅行者である筆者が乗車地に選んだのはJR余市駅前。ニキバスが停車するバス停は駅舎前にある1番バス停です。
中央バス・ニセコバスと共用しているバス停にはニキバスの時刻が貼っています。
12:07に余市駅前バス停にニキバスが到着。余市駅前で乗ったのは筆者一人で、乗車時既に4人乗っていました。4人全て女性で、買物袋を持った利用者が多数。駅前より先に乗車出来るイオン余市店で買物したとのことでした。
余市駅前から乗下車がないままJR仁木駅前へ。
更に仁木駅そばにある仁木町役場でも乗降はないまま進みました。
ニキバスが発着するバス停のうち役場だけは庁舎の柱に貼られています。
一緒に乗車した銀山地区住民の自宅付近でそれぞれ停まって下車していきます。銀山駅前で降りたのは筆者一人。銀山駅前から先まで乗車した町民が一人いました。なお銀山駅前にはバス停は置かれていません。
JR銀山駅には何回も鉄道でも車でも訪問している筆者が敢えて確認したかった点は、ニキバスが停車する地点と銀山駅との距離と勾配です。ニキバスは銀山駅駅舎前までは行かず、手前の道路にある分岐点で折り返す形になっていました。
JR銀山駅には2024年7月現在1日25本列車が停まり(JR北海道・外部リンク)、ニキバス(1日8本)よりも多いですが、銀山地区の中心から駅までの間には上り坂となっており、体が不自由な人などには不便。
銀山地区住民がマイカー以外で買物や通院する場合、銀山駅周辺の勾配を気にすることなく余市町中心部まで往来可能なニキバスは便利だと判りました。更に鉄道ファンが銀山駅を訪問する、戻る場合に時間が合えばニキバスを選択肢に加える事も可能でしょう。
銀山駅前→イオン余市店
銀山駅近くで約10分待っていると、先に2人の乗客を乗せてニキバスが戻って来ました。銀山駅前で乗車したのは筆者一人。
銀山地区からの乗車は3人でしたが、国道5号に入り、仁木町大江地区で2停留所で1人ずつ乗車しました。
余市町に入り、余市駅手前で一人下車したのち、イオン余市店で筆者を含めて3人下車。行きの仁木町民の買物袋を見て、当初の余市駅前での降車を変更しています。
筆者が乗車した範囲で判ったのは、ニキバスが銀山地区だけでなく大江地区の住民も利用する、銀山地区住民の買物等に役立っているという現実でした。
また山線・銀山駅の動向と共に、ニキバスの状況を知る事が必要であると感じます。
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