高速ゆうばり号廃止で注目?北海道栗山町デマンドバス(実証運行)
2024年9月末に北海道中央バスが札幌ー南幌ー栗山ー夕張・高速ゆうばり号(1日3往復・外部リンク)を廃止すると2024年5月発表。夕張と札幌を乗換なしで結ぶ公共交通は、10月からJR石勝線経由の特急のみとなります。また札幌ー南幌ー栗山・高速くりやま号(外部リンク)も中央バスが自治体に支援を要請する状況(外部リンク)で、夕張市、栗山町、南幌町に大きな影響が出る見込です。
夕張市は2023年10月からデマンド交通の実証実験を行い、2024年4月から本格運行中(外部リンク)。一方夕張市デマンド交通の目的地に含まれる栗山町も栗山町内ーJR北広島駅でデマンドバスを実証運行中(外部リンク)。高速ゆうばり号廃止はデマンド交通を変えそうです。
そこで夕張市デマンド交通だけでなく、隣の栗山町デマンドバスにも乗車し、町外からの視点で検証してみました。
JR栗山駅から乗車
筆者が乗車したデマンドバスは栗山高校始発の便(一部栗山駅始発・外部リンク)ですが、夕張市デマンド交通の続きで乗車するなどの事情から今回はJR栗山駅から。
栗山駅はJR室蘭本線の駅で、岩見沢や追分・苫小牧を結ぶ列車が発着。しかし室蘭本線・岩見沢ー沼ノ端はJR北海道が黄色線区と位置づけ(外部リンク)る赤字路線です。
一方バスも高速くりやま号の今後が気になる状況。公共交通がおかれた状況は厳しい。
なお平日は栗山町内中心部を走るコミュニティバスや栗山町がスクールバスを運行しています。
更に夕張市と異なるのは平日午後、栗山駅前にタクシーの客待ちが1台はいること。夕張市よりも栗山町の方が栄えている印象。北海道警察にはかつて夕張警察署がありましたが、現在は栗山警察署に統合されています。
筆者は15時55分栗山駅発JR北広島駅東口行きデマンドバスを前日に予約し乗車。
夕張市と異なる点は、事前に利用者登録をしないこと。平日9時~16時限定で運行会社の株式会社栗山ハイヤー(0123-76-9711)に電話し、名前、時刻、区間を申告します。1週間前から予約が可能で、火水木金は乗車日の前日、土日祝は2営業日前、月曜は前週の金曜が締切なので注意してください。こちらもネット予約は不可、土日祝に予約できないのは残念です。
栗山高校から15時50分過ぎにデマンドバスが到着。栗山高校から既に4人の生徒さんが乗っていました。JR栗山駅から乗車したのは筆者一人。10人乗りワゴンに5人の客+運転手で発車しました。実は当日、エスコンフィールドHOKKAIDOで日本ハムファイターズのナイトゲームがありましたが、栗山町デマンドバス実証運行案内(外部リンク)にある野球観戦での利用はなし。
隣町・南幌ビューローを経由
JR栗山駅出発後、デマンドバスが最初に停車したのは、中央バス・高速ゆうばり号のみが停車する西2号バス停(南幌町・外部リンク)付近。ここで2人の高校生が下車しました。当然中央バスはこれを把握した上で、高速ゆうばり号の廃止を決めなければおかしいです。
次に降車したのは南幌町の交通拠点・南幌ビューロー。高校生1人が下車しました。
南幌町を出発すると長沼町を進んでいきますが、栗山駅から長沼ターミナル行きの中央バスが運行しているためか、デマンド交通は素通りします。
JR北広島駅到着
デマンドバスは定刻の16時40分より若干早く、JR北広島駅東口に到着。高校生1人と筆者が下車しました。折り返し栗山町へ戻る町民1人が乗車し、定刻に栗山へ。
なお高校生4人は運賃を全員栗山町営バス回数券(外部リンク)で支払い、現金だったのは筆者一人でした。
デマンド交通同士の接続や相互乗入れを検討課題に
バス利用者減や運転手不足でバス路線の廃止や減便が続くので、市町村が主体のデマンド交通は今後増加していくと思われます。各市町村の住民事情にあったダイヤや車両での運行を目指すのは当然ですが、デマンド交通を動かすのはタクシー運転手であることが多く、車両はあるのに運転手が足りない地域は多いです。大きな理由は過疎地域の運転手が都会ほど稼げないから。
運転手不足対策を実りあるものにするほか、難しければ隣の市町村の協力・相互乗入れ・乗継も必要に応じあっていいと思います。
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