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ウクライナ軍が北朝鮮兵士をついに「生け捕り」!

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
ウクライナ特殊部隊(SOF)が公開した北朝鮮兵士(SOFテレグラムキャプチャー)

 北朝鮮兵士のロシア派兵を巡って筆者は12月23日付のこの欄で「負傷した軍人は北朝鮮兵? ウクライナが『証拠』として公開した映像に疑問符!」の見出しを掲げ、「交戦状態に入って1か月以上が経ち、北朝鮮兵の死傷者が200人から1000人に上るとみられているのに、またウクライナが北朝鮮兵士に向け投降し、韓国での幸せな生活を送るよう促すビラを撒いているのに未だ『決定的な証拠』となる脱走者や捕虜を一人も確保できないのがウクライナ当局にとっては頭の痛いところである」と指摘していた。

 そのうえで「国際社会に北朝鮮の『戦争犯罪』を訴えるには殺傷するよりもなによりもウクライナ特殊部隊がまずは北朝鮮兵士を一人でも二人でも生け捕りするのが先決のようだ」と注文を付けていたが、ウクライナの軍事メディア「ミリタニー」は、現地時間の昨日(26日)、「ウクライナの特殊部隊(SOF)がクルスク戦場で作戦中に北朝鮮兵士1人を捕らえた」と報じ、負傷した北朝鮮兵士の写真をテレグラムで公開した。

 ゼレンスキー大統領はすでに激戦地のロシア領、クルスク州で「3000人以上の北朝鮮兵士が死亡または負傷した」と述べていたが、ロシアに派遣された北朝鮮兵が捕虜になったことが確認されたのはこれが初めてである。

 韓国の情報機関、国家情報院(国情院)もロシアに派遣された北朝鮮兵1人の捕獲を追認したようだ。

 「国情院」は本日、同盟国(米国?)の情報機関とのリアルタイムの情報共有を通じて「負傷した北朝鮮兵士1人が生け捕りになったことを確認した」と述べ、「現在、経過状況を注意深く監視している」と発表している。

 韓国はウクライナからの要請があれば、北朝鮮捕虜の尋問に立ち会うことにしており、仮に本人が韓国への亡命を希望するならば、国際法及び国内法に従い、受け入れる方向にある。

 その前にウクライナ当局はこの兵士の身元を明らかにし、かつ本人の肉声を公開し、北朝鮮とロシアが黙秘している北朝鮮兵士の派兵実態を国際社会に告発すべきである。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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