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台湾情勢と米中関係

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台湾周辺の状況

台湾周辺地図

台湾は中国南東部から約160km、日本の与那国島からは約110kmの距離(東京~熱海間相当)に位置します。

中国軍による台湾周辺軍事演習について(2023年4月)

中国軍による台湾周辺での軍事演習が4月8日から3日間にわたり実施されました。台湾の国防部によると、4月10日に確認された中国軍機は91機、そのうち54機が台湾との中間線を越えて飛来してきたと発表しました。

排他的経済水域とは

領海の基線からその外側200海里(約370km)の線までの海域ならびにその海底およびその下を指します。 なお排他的経済水域においては、沿岸国に以下の権利、管轄権等が認められています。 1.天然資源の探査、開発、保存及び管理等のための主権的権利 2.人工島、施設及び構築物の設置及び利用に関する管轄権 3.海洋の科学的調査に関する管轄権 4.海洋環境の保護及び保全に関する管轄権

防空識別圏(ADIZ)とは

防空識別圏(ADIZ)は、周辺を飛行している航空機が、どこの国籍なのか、領空侵犯のおそれがあるかといった識別などを行うための空域であり、緊急発進を実施するかどうかを判断するためのものです。 たとえば、国籍不明の戦闘機などがADIZを経て領空に向かってくるような場合には「領空侵犯のおそれがある」として、空自の戦闘機が緊急発進することとなります。 一方で、ADIZを単に通過するだけの航空機は、通常、緊急発進の対象にはなりません。

台湾の社会情勢

台湾総統選 

2024年1月13日に行われた台湾総統選挙では、民進党の頼清徳氏が当選しました。

    頼清徳氏の略歴

    頼清徳氏 台湾大、成功大の医学部を卒業後、米ハーバード大で公衆衛生学修士号を取得。96年内科医から政治家へ転身。立法委員(国会議員)4期、台南市長、行政院長(首相)を歴任。20年副総統。23年1月から与党・民進党主席(党首)を兼任。64歳。新北市出身。 

    ■米国の反応について 有識者の見解

    • 渡辺亮司
      認証済み
      米州住友商事ワシントン事務所 調査部長
      中東とウクライナで紛争が続く中、バイデン政権はインド太平洋地域での安定を望んでいる。昨年11月の米中首脳会談前あたりから、両国関係は安定化が見られる。今秋の米国大統領選への影響懸念から、その安定を維持したいのが米政権の考え。バイデン氏の「台湾独立を支持しない」との発言は従来通りの方針だが、中国と台湾の双方を牽制し緊張が

    ■中国の反応について 有識者の見解

    • 野嶋剛
      認証済み
      ジャーナリスト/作家/大東文化大学教授
      台湾について「基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人」というのは、安倍政権時代に「外交青書」などで使われるようになり、2020年の台湾総統選挙への外務大臣談話でも用いられ、今回もそのまま踏襲された。元々は「緊密な経済関係と人的往来を有するパートナー」だったが、「基本

    台湾2大政党と中国の関係

    蔡英文総統

    2016年に第14代台湾総統選挙に民進党候補として出馬し初当選した蔡英文(さい・えいぶん)総統。2020年の第15代総統選挙で再選を果たし、現在二期目。

    「一つの中国」原則とは

    中国本土と台湾は「不可分の領土」で、台湾は「中華人民共和国」の一部であるという政治的見解。中国はこれを「一つの中国」原則と呼んでいます。

    2016年に就任した民進党の蔡英文(さいえいぶん)総統は、「一つの中国」を体現しているとする「92年コンセンサス」について一貫して受け入れていない旨を表明している。これに対して中国は、民進党が「92年コンセンサス」の受け入れを拒否することで一方的に両岸関係の平和的発展という政治的基礎を破壊しているなどと批判するとともに、「92年コンセンサス」を堅持することは両岸関係の平和・安定にとって揺るがすことができない基礎であると強調している。

    台湾の貿易

    台湾財政部が1月7日に発表した貿易統計速報によると、台湾の2022年通年の貿易額は、輸出が前年比7.4%増の4,795億2,198万ドル、輸入が11.9%増の4,275億9,967万ドルとなった。いずれも過去最高額を更新したが、伸び率は前年に比べて鈍化した。貿易収支は19.4%減の519億2,231万ドルで黒字を維持したものの、黒字幅は前年から縮小した。 輸出を国・地域別にみると、最大の輸出先の中国向けは前年比3.8%減だった。

    台湾をめぐる各国の関係

    台湾をめぐる米中関係

    世界第1位の経済大国である米国(2020年GDP約20兆9,328億米ドル)と第2位の中国(2020年GDP約14兆7,228億米ドル)との関係については、中国の国力の伸長によるパワーバランスの変化、貿易問題、南シナ海をめぐる問題、台湾問題、香港問題、ウイグル・チベットをめぐる中国の人権問題といった種々の懸案などにより、近年、両国の政治・経済・軍事にわたる競争が一層顕在化してきている。

    • 野嶋剛
      認証済み
      ジャーナリスト/作家/大東文化大学教授
       台湾は民主主義を長年着実に実践し、人々の生活習慣も価値観も米国や日本などの自由主義社会と一致している。台湾に暮らす人々の思いも、戦争は望まないものの、中国とはどうしても一緒にはなれない、という点でほぼ一致している。  その台湾を、中国の強引な統一戦略に任せてしまうことはできない。しかし、中国と決定的に対立を続けていい

    台湾の外交関係

    現在、台湾と外交関係にある国は大洋州3カ国、欧州1カ国、中南米・カリブ7カ国、アフリカ1カ国の計12カ国です。

    台湾に関する日本の基本的立場

    基本的立場: 台湾との関係に関する我が国の基本的立場は、1972年の日中共同声明にあるとおりであり、台湾との関係を非政府間の実務関係として維持してきている。 台湾の法的地位: 我が国は、サン・フランシスコ平和条約第二条により、台湾に対する「すべての権利、権原及び請求権」を放棄しているので、台湾の法的地位に関して独自の認定を行う立場にはない。 両岸関係: 我が国は、「2つの中国」、「1つの中国、1つの台湾」との立場をとらず、台湾独立を支持しない。 我が国としては、台湾を巡る問題が、両岸当事者間の直接の対話により平和的に解決されることを期待。 こうした観点から、中台間の対話は歓迎すべきもの。今後とも状況の推移を注視。

    台湾基礎情報

    台湾一般情報

    面積:3万6千平方キロメートル(九州よりやや小さい) 人口:約2,326万人(2022年12月) 総統:蔡英文 外交関係のある国:計13カ国 日本との関係:1972年日中共同声明により、非政府間の実務関係として維持している

    台湾略史

    1949年12月7日:台北に「臨時首都」を遷都 1971年10月25日:国連を脱退 1975年4月5日:蒋介石総統死去 1987年7月15日:戒厳令解除 1988年1月13日:蒋経国総統死去、李登輝副総統が総統に就任 1996年3月23日:初の総統直接選挙で李登輝が当選 2000年3月18日:民進党の陳水扁が総統に当選 2004年3月20日:陳水扁が総統に再選 2008年3月22日:国民党の馬英九が総統に当選 2012年1月14日:馬英九が総統に再選 2016年1月16日:民進党の蔡英文が総統に当選 2020年1月11日:蔡英文が総統に再選