台湾の対中懸念「欧州と共有」 駐リトアニア代表の王雪虹氏
【ベルリン共同】台湾が2021年に欧州で初めて「台湾」の名称を用いてリトアニアに開設した台湾代表処の王雪虹代表(大使に相当)が6日、共同通信のオンライン取材に応じた。中国による軍事的威嚇や産業スパイ活動に対し、欧州が脅威として中国への懸念を強めているのは「正当だ」と述べ、台湾と欧州が懸念の共有を深めることの重要性を指摘した。 リトアニアは権威主義的な傾向を強める中国に反発し、台湾との関係を強化。22年にはリトアニアも台湾で代表処を稼働させた。双方は半導体や科学技術、農業などさまざまな分野で協力強化を図っている。 王氏はリトアニアとの親密な関係が「先例となることを願う」と述べ、他の欧州諸国でも台湾の名称を用いた代表処の設置が広がることに期待を示した。 今年5月に就任した頼清徳総統について「民主主義や人権尊重など共有する価値観に基づいた外交を重視している」と強調。欧州との関係はさらに深まるとの展望を示し「権威主義とどう闘うか、台湾には多くの経験があり、共有することができる」と訴えた。