中国が「台湾独立分子」の通報先を開設 大陸委「巻き込まれるのは少数ではない」
(台北、北京中央社)中国で対台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室(国台弁)は7日、「頑迷な台湾独立分子を法に基づき処罰する」と題した専用ページを新設し、通報を受け付けるメールアドレスを掲載した。台湾で対中政策を担当する大陸委員会の梁文傑(りょうぶんけつ)副主任委員(副大臣)は8日の定例記者会見で、思想や言論による通報を推奨すれば、それが「ブーム」となり、その時巻き込まれるのは少数の人にとどまらないだろうとの見解を示した。 国台弁は専用ページで、かねてから公表していた「頑迷な台湾独立分子」の名簿を掲載。名簿には、蘇貞昌(そていしょう)元行政院長(首相)や游錫堃(ゆうしゃくこん)前立法院長(国会議長)、呉釗燮(ごしょうしょう)国家安全会議秘書長、蕭美琴(しょうびきん)副総統ら台湾の政治家計10人が記載されている。 梁氏は台湾独立分子の通報を受け付けるメールアドレスが掲載されたことについて、同業者同士の競争や私怨(しえん)、ひいては単に特定の人の言論に異議があるといった理由だけで通報される可能性があると指摘。「このような状況が一度生まれれば、多くの人が訳も分からず巻き込まれることになるだろう」と危惧した。その上で、これらのやり方は両岸(台湾と中国)関係に何ら助けにならず、両岸をますます遠ざけるだけだと述べた。 また「大陸側は双方のポジティブなやり取りに資する仕事をより多くすべきであり、それこそが正しい方法だ」と同委の立場を改めて強調した。 (呉柏緯、周慧盈/編集:名切千絵)