【解説】“台湾包囲”の軍事演習 中国の狙いは? 台湾侵攻の可能性は?
日テレNEWS NNN
中国が台湾周辺で軍事演習を開始したと発表し、軍が出撃する映像を公開しました。演習は台湾を取り囲むような形で実施され、「台湾は中国の一部」との主張を否定する頼清徳政権への圧力とみられます。今回の演習の中国側の狙いについて、北京支局の柳沢高志支局長が解説します。 【図解】日中関係にも変化か 9月に海自護衛艦、台湾海峡を“初通過” ◇ NNN北京 柳沢高志支局長 「ある中国共産党関係者は、『今回の軍事演習は、頼清徳氏に対する強い警告だ』と断言しました。この関係者によると『中国側にとって頼清徳総統は、蔡英文前総統よりも言葉が過激で、より危険な存在だと警戒感を強めている。今回の演習についても、演説を受けてというよりも、実際にはかなり前から周到に準備してきたのだろう』と指摘しました」 鈴江奈々キャスター 「心配される中国による台湾侵攻ですが、こうした演習が侵攻につながる可能性はあるのでしょうか?」 NNN北京 柳沢高志支局長 「中国共産党関係者も『まだ準備が整っている状況ではない』と明確に否定するなど、台湾侵攻が間近に迫っているという見方はほとんどありません。別の日中関係筋は演習について、『中国経済が低迷する中で、習近平政権が国内の支持を得るために行った面もあるだろう』と指摘しました」 「ただ、中国側としては頼清徳氏を『分離独立派』としてレッテルを貼り続け、その印象を強めることで、中国側が行動を起こす際の正当化に使っているとも言え、台湾侵攻に向けて、着実に地盤を固めようという狙いがあるのは間違いありません」