北海道・占冠村営バスで行く廃線跡と信号場を眺める旅
北海道占冠村が運営する占冠村営バスは、JR根室線・富良野ー新得廃線前から、廃線区間の一部(富良野ー金山)に沿って運行されてきた代替バスの「元祖」です。
また占冠村中心部ートマムー南富良野町中心部を走る路線もあり、JR根室線廃線後は占冠村営バスを軸に南富良野町営バスが新設・増便されました。
富良野ー金山ー占冠を走る路線は富良野線といい、富良野ー占冠直行便が1日3往復・6便と占冠村内一部区間を走る便が1日5便。合計11便。
占冠ートマムー南富良野を走る路線はトマム線といい、占冠ー南富良野直行便が1日2往復・4便と南富良野ー上トマム便が1日1往復・2便に占冠村内1日1便。合計7便運行。
なおトマム線は日曜日運休注意願います。
今回は鉄道好きな人で車を運転出来ない場合向けに、富良野→金山→占冠→トマム→南富良野で鉄道車窓を楽しむ方法を提案します。
時刻表は、
を参照願います。
あと南富良野町営バスは占冠村営バス・富良野線では南富良野町金山まで、トマム線ではトマム駅までがほぼ共通区間という点も確認してください。
急行・準急に対し快速?占冠村営バス
JR根室線一部廃線により代替バスとして運行しているのは最大34本。輸送人数に対し多い状況でのスタートですが、
ノースライナー:停留所が少なく高速道路を通らない都市間輸送の「急行」
ふらのバス西達布線:富良野市内を中心に停留所が多いけど、乗降が少ないので通過が多い「準急」
に対し、占冠村営バスや南富良野町営バスは富良野市内の廃線区間で、ふらのバス西達布線より絞ったバス停だが、乗降が少なく通過が多いので「快速」
と名付けられるのではないでしょうか。
各タイプでの運行なので結果的に本数が多くなっています。
1.富良野線(富良野市ー占冠村)
始発は協会病院(JR富良野駅東側)
占冠村営バスの富良野市始発・終点は富良野駅東側にある協会病院。JR富良野駅正面から建物はよく見えるのですが、病院及びバス停はJR線路にかかる連絡通路を越えた先にありますので注意しましょう。
富良野協会病院がターミナルである理由は、
1.協会病院が富良野でも大きい病院
2.ふらのバス本社・車庫が協会病院南側
で大変便利だから。
ふらのバスの路線バスは、旭川ー新富良野プリンスホテルを結ぶラベンダー号以外は協会病院が始発・終着(外部リンク)。占冠村営バス、南富良野町営バスも協会病院が始発・終着です。
なお、札幌と結ぶ高速ふらの号は富良野駅がターミナル(外部リンク)ですのでご注意を。
筆者は13:10協会病院発占冠行きのバスに乗りました。通常の路線バスと異なるのは乗車するとタクシーの様に降車停留所を聞かれること。また運賃は事前に調べ、小銭も準備しておくことをオススメします。
マイクロバスでの運行ですが、乗車したのは筆者と占冠村民1人の計2人。
占冠村営バスの運行はふらのバス(外部リンク)が担当。そのためふらのバス本社を拠点にした体制です。
バスは定刻13:10に2人乗せて発車しました。
富良野市内停留所は乗車か降車のみ!
協会病院の次は富良野駅前。乗降ゼロ。
ふらの西、西中前と乗降ゼロなので通過後、学田で3人乗車しました。
占冠村営バス利用時の注意点、
協会病院ー山部東22線(富良野市内)は、占冠行は乗車、富良野行は下車のみ。
であることです。占冠村民のためのバスとして運行するため、富良野市内間のみの乗降は出来ません。富良野市内間の乗降は、ふらのバス西達布線(外部リンク)を利用することになります。
準急「ふらのバス西達布線」に対し、快速「占冠村営バス」は停留所が少ないほか、JR根室線廃線跡・廃駅訪問の旅行者が注意したい点は、
1.布部駅最寄「布部入口」は国道38号沿い!布部駅に近い場所へ移設したふらのバス「布部入口」バス停と離れた。
2.占冠村営バス「山部」はふらのバス「山部南3丁目」バス停。ノースライナーとふらのバス「山部(駅前)」とは南へ徒歩約5分離れてた場所。
となります。
布部駅、山部駅のほか、下金山駅、金山駅に近いバス停があります。南富良野町営バスと組み合わせて上手に回りたいですね。
占冠駅でJR・日高町営バス・トマム線乗換
筆者は占冠村営バス富良野線の後、トマム線に乗るため、占冠駅前で14:33に下車。
バス停は国道237号にあります。
役場方面のバスは国道に停車しますが、
占冠村営バス富良野線・富良野方面とトマム線・トマム方面のバスはJR占冠駅前に入るという村民のお話で、筆者はJR占冠駅前へ移動。
道路上にバス停とベンチはありますが、トマム線バス乗車までの間に駅舎内で過ごせるのはいいですね。
2.トマム線(占冠ートマムー南富良野)
JR占冠駅前から乗車
毎週日曜日は運休のトマム線に乗るため、JR占冠駅前に向かうと、隣の日高町中心部へ向かう日高町営バスが待機していました。
占冠駅前に14:30に着き、15:05に折り返すダイヤ。国鉄富内線が廃止され、国道274号が全線開通するまで日高町への公共交通で重要だったのが占冠駅前からの日高町営バス。筆者は子供の頃、国立日高青少年自然の家(外部リンク)に行った時、当時は路線バスタイプの車両で利用しました。
日高町営バスが停車するなか、筆者が乗車する占冠村営バストマム線が14:40に到着。
こちらは中型免許で運転出来るワゴン車。
筆者と協会病院から同じ行程だった村民1人を乗せて定刻に発車。ここでも乗車時に行先を聞かれました。なお到着時乗客は誰も乗っていません。
石勝線駅・信号場(占冠ートマム)
1.占冠駅
石勝線の駅・信号場は、南千歳駅、追分駅、新夕張駅、新得駅を除いてスノーシェルターがポイント(分岐器)に設置されています。
シェルターを見つけたら駅・信号場の目印。
まずは占冠駅のシェルターが確認出来ます。
2.東占冠信号場
信号場は鵡川にかかる橋の向こうにあり、車窓から眺めるなら道東自動車道からの方がよく見えます。
3.滝ノ沢信号場
信号場が道路沿いにあり、機器小屋がはっきり判ります。なお道東自動車道からは見えません。
4.ホロカ信号場
占冠村営バスが走る北海道道136号と石勝線が交差し、道道の横に道東自動車道が走る場所に信号場のシェルターがあります。
ホロカ信号場の次がトマム駅。
駅・信号場・廃駅(トマムー落合)
1.トマム駅
トマム駅舎前にバス停がありますが、当日は乗降ゼロなのであっけなく通過。
占冠村の主要集落が上トマム地区。筆者と行程が一部同じだった村民は上トマムバス停付近で下車しました。占冠村役場ー国道分岐(南富良野町)と営林署前ー宮下はバス停以外でもフリー乗降可能(外部リンク)。
2.串内信号場
串内から南富良野町に入ります。
トマム駅隣にある信号場が串内信号場。道東自動車道からは見えない、道道136号を走る占冠村営バス・南富良野町営バスから見える信号場です。
なお串内信号場の近くには、新得方面に未開通区間がある道道136号と道道1117号との分岐があり、占冠村営バスと南富良野町営バスは分岐から先は道道1117号を進みます。
3.上落合信号場
2023年訪問時と車窓で目立った変更点はありませんでした。上落合信号場からは廃線となった根室線と並走します。
バスは国道38号へ。
南富良野町営バスと同じルート、ノースライナーと大半が同じ行程を進みます。落合駅前・落合多目的センターでも乗降はなく、筆者一人のまま幾寅駅まで向かいました。
2024年4月から道の駅南ふらのまで延長!
JR根室線廃線の2024年4月から占冠村営バストマム線の始発・終着は、幾寅駅からノースライナーとも接続出来る道の駅南ふらのに変更されました。
ですが今回筆者は幾寅駅前で15:41に下車。運賃は占冠駅前から920円。
実は乗換で利用するふらのバス西達布線の始発が幾寅駅前だからでした。(幾寅発15:50)
ふらのバス西達布線の状況は、
JR根室線一部廃線で延長&増便!ふらのバス・西達布線【北海道】
をご覧ください。
鉄道ファンの皆様、根室線廃線区間と石勝線一部区間をバスから楽しむマニアックな旅はいかがでしょうか。
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