2024年3月末廃止!JR根室本線・東鹿越ー新得代行バスの運行体制
JR根室本線・富良野ー新得(上落合信号場)間は2024年3月31日に廃線、バス転換が決定。中でも東鹿越ー新得は2016年8月31日の台風で不通になり、途中で区間・ダイヤが変わりながら7年以上も代行バスが走っています。
7年以上続く代行バスは運行体制はどうなのでしょうか?まず平日朝・東鹿越→新得の代行バスに乗車、続いてバス運転手に聞いた話等を組み合わせ、富良野ー新得のバス転換後を理解する上で必要な情報をまとめました。
東鹿越駅で列車から乗換
乗換時間に余裕なし!
東鹿越駅に滝川・富良野からの普通列車が8時1分に到着。すぐに代行バスに乗り換えます。乗車当日は東鹿越駅で下車した乗客の大半が列車から代行バスに乗換えました。
代行バスはふらのバス(外部リンク)が担当。運転手は代行バス利用者へ早めの乗車を訴えていました。しかし東鹿越駅構内を撮影してからバスに乗る人、東鹿越駅でトイレに寄ってから乗る人が多く、定刻8:06より遅れて8:10に発車。
今後根室本線の代行バスに乗る人はトイレを乗換前に必ず済ませ、東鹿越駅構内の撮影をしたくても手際よく行いましょう。
目の前のかなやま湖を見ながら発車。
かなやま湖北側経由で幾寅駅へ
JR東鹿越駅から根室本線の線路沿いでなく、鹿越大橋を渡り、道道465号・金山幾寅停車場線を進みます。
かなやま湖を橋の上から見る事が出来ました。
幾寅駅に続き南富良野高校前に停車!
映画「鉄道員」のロケ地・幾寅駅着
代行バスは道道を道の駅南ふらの(外部リンク)前まで進み、映画「鉄道員」のロケが行われた南富良野町の中心・幾寅駅に8:20到着。幾寅駅では旅行者と思われる1人が下車。
南富良野高校生徒が下車!
南富良野町には南富良野高校(外部リンク)があり、根室本線を利用し通学する生徒がいます。幾寅駅前を発車してすぐ、南富良野高校の看板そばでバスは停車。
この日は5人下車しました。
代行バスの運転手が早めの乗車を促した理由の一つは高校生の登校時間の関係でしょう。旅行者は地元利用を意識して代行バスに乗らなくてはいけません。
代行バスは次の落合駅を目指して国道38号を進みます。
落合駅→サホロリゾート前
定刻8:26より2分遅れて落合駅に到着。
旅行者と思われる1人が下車しました。
落合駅は水害のため、危険防止のためホームに入る事が出来ない駅でもあります。落合駅を訪問するなら、駅舎内と少し離れた場所にある跨線橋から眺めましょう。
代行バスは狩勝峠を越え、新得町へ。落合駅の次はサホロリゾート前に停車します。
十勝サホロリゾート前ー新得間のみの乗車が無料。サホロリゾート利用客の新得駅への送迎バスを2022年3月から兼ねる事になりました(外部リンク)。なお落合駅以西ー新得駅以東はJRの運賃が必要です。
十勝サホロリゾート前出発までに、東鹿越駅での遅れを回復しました。なお当日、サホロリゾートからの乗車はなし。
あと代行バスからの景色・特に狩勝峠付近を楽しみたい旅行者は、新得駅行きなら進行方向右側、東鹿越駅行きなら進行方向左側の窓側座席をおススメします。筆者は右側の座席に座れず、当日晴れたのに景色を楽しめませんでした。
新得駅到着
代行バスは定刻よりちょっと早い9:13に新得駅前に到着。ここまで乗った乗客は地元利用はなく、旅行者ばかりした。
新得駅から先は、1.石勝線でトマム・南千歳方面、2.根室本線で帯広方面、3.新得で立寄が主なルート。1は札幌行き特急とかち4号、2は普通列車帯広行きです。
当日はとかち4号利用が多めでした。トマム駅、占冠駅、新夕張駅まで自由席利用なら乗車券のみ、シーズンによっては青春18きっぷが利用可能。
筆者は帯広行き普通列車にしました。乗車した時の様子は後日記事を書く予定です。
代行バスの運行
JR根室本線・東鹿越ー新得代行バスはふらのバス(外部リンク)が担当。新得駅で運転手に聞いたところバスは2台運用しており、
<1台目>
南富良野町宿泊
↓(回送)
落合駅6:08発
↓
東鹿越駅6:28着
東鹿越駅8:06発
↓
新得駅9:14着(休憩)
新得駅13:57発
↓
東鹿越駅15:04着
東鹿越駅15:13発
↓
新得駅16:21着
新得駅18:37発
↓
東鹿越駅19:46着
東鹿越駅19:54発
↓
新得駅20:54着・宿泊
<2台目>
新得駅8:00発
↓
東鹿越駅9:07着
↓
ふらのバスへ回送
ふらのバスから回送
↓
新得駅16:21発
↓
東鹿越駅17:29着
東鹿越駅17:37発
↓
新得駅18:46着
↓(回送)
南富良野町へ・宿泊
筆者は別の日、新得町内でふらのバスの代行バスが宿泊しているところを撮影。
バスをよく見ると「列車代行」。
更に運転手によれば、朝6:08落合駅発に早朝富良野市から向かったのでは間に合わないので南富良野町内で宿泊すると回答。運転手2人の宿泊費が毎日発生するのは大きいですね。
加えて富良野市での運転手交代・車両の整備のための回送が発生しています。上記の実情を踏まえずに、2024年4月からの代行バスがどうなるかの議論は出来ません。
富良野ー新得・他の路線バス
列車代行バス以外に2024年4月以降運行予定の代替バスで考慮すべき現行の路線バスをまとめてみます。
都市間バス「ノースライナー(旭川ー帯広)」
ノースライナーのうち狩勝峠経由便は旭川ー富良野ー南富良野ー新得ー帯広を結んでいます。
道北バス(本社旭川・外部リンク)、北海道拓殖バス(本社音更・外部リンク)、十勝バス(本社帯広・外部リンク)の3社共同運行。
富良野ー新得ー帯広の都市間輸送部分なら、ノースライナーの修正で済みそうです。
占冠村営バス(占冠中心部ー富良野・幾寅)
根室本線・富良野ー新得の廃線で最も影響を受ける町は南富良野町。だが廃線区間の一部は占冠村営バス(外部リンク)の沿線です。
富良野ー布部ー山部ー金山及び幾寅ー落合が該当。
このため廃線論議には、富良野市、南富良野町、新得町、占冠村が入っています。
ふらのバス(富良野ー山部)
根室本線・東鹿越ー新得の代行バスを担当する会社ですが、路線バスでも西達布線(外部リンク)の一部が富良野ー布部ー山部を走っています。
南富良野町営循環バス
南富良野町は町民限定のデマンドバスを運行(外部リンク)しており、下金山・金山方面(外部リンク)と落合方面(外部リンク)があります。
北海道拓殖バスがどう動くかに注目
ノースライナーを運行する北海道拓殖バスは新得町に営業所があります(外部リンク)。
新得町から地元の運転手が朝バスを出発出来れば運転手の宿泊をカット可能。拓殖バスが根室本線廃線代替バスの件で、どんな意見・行動を取ったかは発表されるべきでしょう。
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