女性の体脂肪率の理想ってどのくらい?40代や50代・60代との違いは?
ダイエットを成功させて
美しく健康的に痩せるには、
体重ももちろん大切ですが、
体脂肪率が重要です。
しかし、
体脂肪率が標準値の範囲でも、
自分自身の理想とする体と
ギャップを感じている方も多い傾向です。
そこで今回は、
女性の体脂肪率の理想は
どのくらいが望ましいのか?
40代や50代、60代で理想的な
体脂肪率は異なるのか?
体脂肪を具体的に落とす方法もご紹介します。
女性の理想的な体脂肪率とは
体脂肪とは?
体脂肪とは、体に貯えられた脂肪のことです。
主に脂肪細胞に貯えられています。
体脂肪率は、体重に占める体脂肪の比率を
パーセントで表したものです。
体脂肪は、皮下脂肪と内臓脂肪の
2種類に分けられます。
女性の理想的な体脂肪率や平均値と
体脂肪率は年齢・性別によって
適切な割合が異なります。
それぞれ年齢別にご紹介します。
■女性 18~39才
- 1~20% 痩せ
- 21~27% 標準マイナス
- 28~34% 標準プラス
- 35~39% 軽肥満
- 40~45% 肥満
■女性 40~59才
- 1~21% 痩せ
- 22~28% 標準マイナス
- 29~35% 標準プラス
- 36~40% 軽肥満
- 41~45% 肥満
■女性 60才~
- 1~22% 痩せ
- 23~29% 標準マイナス
- 30~36% 標準プラス
- 37~41% 軽肥満
- 42~45% 肥満
体脂肪率は、健康的な観点から
「やせ」「標準」「軽肥満」「肥満」に分類することができます。
体脂肪率の標準マイナス、標準プラスが、
多くの女性における体脂肪率の平均値と言えます。
体脂肪の割合によって見た目の印象も変わってきます。
体脂肪は多すぎると
健康上のリスクが生じますが、
逆に低すぎても女性らしい身体のラインが失われてしまいます。
ダイエットや美容目的で
体脂肪率を落とす場合は、
標準よりも少し下回る数値を目安とすると、
女性らしく健康的な体が手に入ります。
体脂肪率では女性は
15%を下回らないように注意が必要です。
体脂肪率が低すぎるデメリット6つ
体脂肪は高すぎると、
高血圧や脳梗塞などの血管系の疾患、
脂肪肝、肥満が原因となる腎臓病など
さまざまな健康障害を引き起こすことがわかっています。
しかし、女性の場合は
体脂肪率が低すぎても
健康に悪影響が及びます。
体脂肪率が低すぎることによる、
健康への悪影響は以下が挙げられます。
1 月経不順
体重や体脂肪と
卵巣機能には関連性があります。
体脂肪率15%を下回ると
卵巣機能障害が生じやすくなり、
体脂肪が10%以下では卵巣機能が停止します。
やせて、月経不順になった場合、
女性ホルモンが十分に出ていなかったり、
排卵しづらい状態になった可能性があります。
2 疲れやすくなる
3 免疫力が低下する
体脂肪は体温を維持する働きもあります。
身体にとって筋肉は
発熱材のような役割をしており、
脂肪は保温材のような役割を担っています。
そのため、体脂肪率が低すぎると
身体の保温機能が低くなり、
免疫の低下を招く可能性があります。
4 骨粗しょう症の危険性が高くなる
女性の骨密度は一般的に
18歳頃にピークを迎え、
40代を過ぎると徐々に減る傾向にあります。
体脂肪を減らしすぎることで
卵巣の働きが低下するため、
女性ホルモンの分泌が減少しやすくなります。
女性ホルモンの1つのエストロゲンは
骨を壊す破骨細胞の働きを抑え、
骨をつくるのを促す作用があります。
そのためエストロゲンの量が減少すると、
骨密度の低下につながります。
5 妊娠しづらくなる
やせすぎることにより、
月経不順、無月経を起こしやすくなり、
排卵がしづらくなあります。
すると、妊娠のタイミングが難しくなり、
不妊治療が必要となる可能性が高くなります。
6 妊娠した場合赤ちゃんにも影響がでる
妊娠ができた場合でも、
妊娠前の低栄養状態が胎児に悪い影響を与えます。
すると赤ちゃんを
成人病予備軍にしてしまうと言われています。
体脂肪率とあわせて骨格筋率もチェックしましょう
骨格筋率とは、体に占める
骨格筋の割合を示す指標のことです。
骨格筋は、「体を動かす」「姿勢を維持する」
「エネルギーを生み出す」役割があります。
身体にとって筋肉は
発熱剤のような役割がありますので、
筋トレを取り入れて骨格筋の量が増えれば、
基礎代謝が高まります。
ダイエットのために
体脂肪率を計測している場合は
この数値の増減にも気を付けると効果的です。
女性の骨格筋率と判定内容
- 5.0~25.8% 低い
- 25.9~27.9% 標準
- 28.0~29.0% やや高い
- 29.1~60.0% 高い
骨格筋は筋トレやHIITトレーニングなどで
効率的に増やすことが可能です。
女性は特に筋肉量が少ない方が多く
老人性円背になりやすい傾向です。
猫背を放置したまま高齢期を迎えると、
身体機能がさらに衰え、
背中や腰の曲がりが進行し、
円背(えんぱい)を引き起こします。
すると、体幹バランスや運動機能が低下し、
要介護状態にも影響しやすくなります。
ダイエット面だけでなく、
健康上のリスクも大きいことから、
年齢を重ねると特に
筋トレを取り入れることがオススメです。
理想とする体脂肪率に落とす方法とは
体脂肪率は極端に低くなると
健康上のリスクが生じます。
ダイエットに取り組む際は、
健康状態や栄養管理も行いつつ、
ほどよく体脂肪を落としましょう。
栄養管理をする
ダイエット中の食生活は
「PFCバランス」を意識すると効果的です。
PFCバランスとは、
摂取カロリーのうち三大栄養素の
「P=たんぱく質」「F=脂質(脂肪)」
「C=炭水化物」が
どれくらいの割合を占めるかを
示した比率のことです。
タンパク質は脂肪を減らしながら
筋肉を減らしたくない場合、
短期的には
高たんぱく質の栄養管理を行うと
効果的です。
しかし、あくまで
短期的な栄養バランスであり、
中長期的には結果が伴うにつれ、
タンパク質の割合を下げ
炭水化物や脂質の割合を増やします。
短期的(ダイエット期間 3ヶ月まで)
- タンパク質を体重1kgに対し、
2g摂取します - タンパク質は1gあたり4キロカロリーで計算します
- 基礎代謝と活動量から1日の消費カロリーを計算します
- 次に摂取カロリー全体の
15~20%に脂質を当てはめます - 残りを炭水化物で計算します
例) 体重50kg・1日1300kcal消費する人の場合
- タンパク質 50×2g=100g
タンパク質1g=4kcal
100g ×4kcal = 400kcal - 脂質20% 脂質1g=9kcal
1日の消費カロリー 1300kcal
消費カロリーの90% = 1170kcal
1170kcal × 20% = 脂質 234kcal - タンパク質 400kcal
脂質 234kcal
合計 634kcal - 1170kcalから634kcalを引く
炭水化物1g = 4kacl
炭水化物 536kcal
通常のおすすめ割合
- タンパク質 25%
- 脂質 25%
- 炭水化物 50%
ダイエット中は食事のカロリー管理も大切です。
しかし摂取カロリーを減らし過ぎると、
脂肪も減りますが、筋肉も分解されて減ってしまいます。
健康的で理想的な
身体のラインを作るためには、
十分な栄養素を確保したうえで、
脂肪を落としつつ筋肉もつけましょう。
摂取カロリーは消費カロリーの
90%程度を目標とし、
高タンパク質の食事内容にしましょう。
筋トレを取り入れる
体脂肪率を効率よく落とすためには、
筋トレを取り入れて筋肉量を増やしたり
維持する必要があります。
栄養管理だけでも
体重を落とすことは可能ですが、
体重や体脂肪が落ちると筋肉も減ってしまいます。
基礎代謝量が落ちるばかりか
老人性円背になるリスクも高くなります。
2017年に行われた最も信頼度が高い
分析方法による研究報告では
ダイエットに効果的な運動は
有酸素運動をするよりも
多くの関節を一緒に動かす
低強度の筋トレだと示されています(Paoli 2017)。
2021年に行われた別の研究報告では
低強度の筋トレは体脂肪を減らし、
内臓脂肪も減らすと判明しています(Wewege 2021)。
HIITを取り入れる
有酸素運動と比較し
カロリー消費を3倍することができ、
脂肪燃焼効果が得られると注目されているのが
「HIIT(ヒット)」です(Paul 2015)。
2018年に行われた
最も信頼度が高い分析方法による研究では、
おなかの内臓脂肪も
皮下脂肪も減らす効果があると
研究調査で判明しています(Florie 2018)。
筋トレの効果と有酸素運動の効果を
両方得られる方法もでもあり、
最短4分から行えます。
有酸素運動も適度に行う
有酸素運動は脂肪を燃やしますが、
あまりに多く行うと
筋肉の分解が進みやすくなります。
1回に行う時間は1時間以内、
週に2回ほどがおすすめです。
適度な筋トレを優先しつつ、
有酸素運動をほどほどに取り入れましょう。
女性の体脂肪率の理想ってどのくらい?
40代や50代・60代との違いまとめ
女性の場合は体脂肪率は
高すぎても低すぎても健康上よくありません。
ダイエットを目的として
体脂肪率を減らしたい場合は
体脂肪率20~22%が理想的です。
これから妊娠を希望する方は
将来のリスクを踏まえると
20%を大幅に下回らない方が良いでしょう。
近年では女性がボディを競うコンテストや
競技に参加することも増えています。
しかし彼女たちの体は
あくまで競技で勝つための体であり、
健康的な体ではありません。
女性が筋肉の隆起が
外見でわかるほどに脂肪を落とす場合
10~13%ほどの体脂肪になります。
記事の中でもご紹介したように
10%~13%まで体脂肪を落とすと
卵巣機能が低下し、健康上のリスクが高くなります。
コンテストに出場しない方の場合は
可能な限り健康な範囲で体を作ることをオススメします。
少なくとも15%は下回らないように注意しましょう。
私自身はときどき
13-4%まで落ちることがありますが、
できる限り体脂肪15%までになるように心がけています。
これらの情報があなたのダイエットや
健康的な体を作るためにお役に立てると幸いです。
更年期の影響で脂肪が落ちにくくなった、
痩せづらくなったと感じている方は
こちらの記事もご参考ください。
■参考文献
Paoli A, et al. Resistance Training with Single vs. Multi-joint Exercises at Equal Total Load Volume: Effects on Body Composition, Cardiorespiratory Fitness, and Muscle Strength. Front Physiol. 2017 Dec 22;8:1105.
Wewege MA, et al. The Effect of Resistance Training in Healthy Adults on Body Fat Percentage, Fat Mass and Visceral Fat: A Systematic Review and Meta-Analysis. Sports Med. 2021 Sep 18.
Florie Maillard, et al. Effect of High-Intensity Interval Training on Total, Abdominal and Visceral Fat Mass: A Meta-Analysis.Sports Med. 2018 Feb;48(2):269-288.
Paul H Falcone, et al. Caloric expenditure of aerobic, resistance, or combined high-intensity interval training using a hydraulic resistance system in healthy men.Comparative Study J Strength Cond Res. 2015 Mar;29(3):779-85.
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