近本光司選手の激励を受け、今年こそは優勝だ!阪神タイガースジュニア2019
■NPB12球団ジュニアトーナメント
今年の年末もジュニアたちの熱い戦いが繰り広げられる。
現在、12月27日に開幕する「NPB12球団ジュニアトーナメント」に向けて各チーム、練習を重ねている。
2005年から始まったこの大会は「子どもたちが『プロ野球選手への夢』」という目標をより身近に持てるようにと創設され、プロ野球12球団がそれぞれ小学6年生を中心とした16人でジュニアチームを結成する。
監督、コーチはそのチームのOBで、ジュニア選手たちは現役選手と同じユニフォームを身にまとって戦う。
この大会を経験したプロ野球選手も徐々に増えてきている。阪神タイガースの高山俊選手は千葉ロッテマリーンズジュニアの一員として出場した経験を持つ。
また、阪神タイガースジュニアからもプロ野球選手が誕生している。千葉ロッテマリーンズの安田尚憲選手は2011年の、広島東洋カープの林晃汰選手は2012年のメンバーである。
これまでの大会では3チームずつの4グループで予選を行い、勝ち数の多いチームが決勝リーグに進み、4チームのトーナメントで優勝チームが決定していた。
ところが今年は、4チームずつの3ブロックに分かれてトーナメントで戦い、勝ち抜いた3チームとワイルドカードを加えた4チームで決勝トーナメントが行われる。
ポイントは“消化試合”がないことだ。初戦で負けてもチャンスがあるので、すべてが息の抜けない厳しい戦いとなる。
(組み合わせの詳細はNPBのサイトで⇒NPB12球団ジュニアトーナメント)
■阪神タイガースジュニア2019のメンバー
さて阪神タイガースジュニアである。
8月半ばに例年どおりセレクションを開催し、これまでの最多を記録した受験者の中から精鋭16人が選ばれた。同月に合宿を行って結束を高め、練習および練習試合を重ねてきた。
11月23日の阪神タイガース「ファン感謝デー」の日には、朝の集合時に憧れのタテジマのユニフォーム一式を手渡され、盗塁王のタイトルに輝いた近本光司選手からの激励を受けた。
近本選手は、「自分はこういう経験がないので、うらやましく思う。ぜひ優勝を目指して頑張ってほしい」とエールを送っていた。
そしてイベント終了後には甲子園球場のグラウンドに足を踏み入れ、広大な球場狭しと暴れまくった。
本番前ラストの練習試合は12月14日、15日の2試合。最後の仕上げをして、いよいよ札幌に乗り込もうという16人のちびっこ虎戦士たちを紹介しよう。
(1.セールスポイントや意識して取り組んでいること 2.この背番号を選んだわけ 3.ジュニアでなにをしたいか)
《00 矢野 塁》内野手
1.守備での球ぎわです。基礎練習をしっかりやっている。
ボールを転がしてもらって、きれいに捕るように。形を大事にしている。
2.ゼロが好きだから。本当は「0」がよかったけど、じゃんけんで負けてしまった。
3.打って勝つ野球をしたい。
《0 岡部 飛雄馬》内野手 *主将
1.体が小さいところです!
守備では、守備範囲の広さ。一歩目を早くというのを意識している。
バッティングでは、前の足を早く着くことを意識している。
2.「0」がカッコよかった。
3.ホームラン王…(と言いかけると、周りから「無理!」とツッコミが入った)。
レギュラーを獲って、日本で有名になりたい。
《1 下坊 大陸》外野手
1.顔がイケメンなところ(笑)。
足が速いのと、守備範囲が広い。
バッティングでは足も生かすけど、長打力もある。
2.「1」がカッコいいから。見た目で。
3.活躍して、チームに貢献したい。
《2 梶谷 千聖》捕手
1.追い込まれてから外角の球を逆方向に打てるバッティング。粘り強い。
2.キャッチャーとしてカッコいい背番号だから。(自チームでは「0」)
3.全打席でヒットを打ちたいし、キャッチャーとしては二盗を刺す。
《3 竹田 陽翔》内野手
1.逆方向にも打てる広角なバッティング。
2.サードで打つバッターがよく「3」を着けているから。
たとえば長嶋茂雄さん。知らなかったけど、お父さんに教えてもらった。あと、大山悠輔選手。
3.チームが点がほしいところで打って貢献したい。
みんなで日本一になって、「楽しかったな」って思いたい。
《6 高山 潤》内野手
1.足が速いのと、バットコントロール。
いろんなケースでの走塁…パスボールとか、隙を逃さない。
状況に合わせたバッティング…たとえばランナー三塁なら右に転がしたり犠牲フライを打ったり、大事なところでヒットを打ったり。
2.高山俊選手が好きなので「9」にしたかったけど、じゃんけんで負けた。でも、内野は「6」が要なので。
3.優勝したい。そのためにはチームのことを考えたバッティングをする。
自分勝手にはしない。守備も走塁もチームのためにやる。
《7 新宅 陽貴》内野手、外野手
1.長打力。「打てる!」と思って、狙い球を絞って打席に入っている。
木のバットで素振りをしている。1日に150スイング。(「ときにズルをします(笑)」とお父さん)
2.糸井嘉男選手が好きだから。足が速くて長打が打てるところが好き。
3.チャンスで打てるように頑張りたい。
《8 松田 英晃》投手、外野手
1.速い球で相手バッターを抑え込むこと。
ストレッチとかで体を柔らかくしてフォームを固めている。体重をボールに乗せられるように。
2.自チームで優勝したときにセンターをやっていた。センターラインにいるとき、勝てるイメージがある。それに、上の人たちと一緒にやっていて楽しかった思い出があったので。
3.自分のピッチングでチームの優勝に貢献したい。
《9 桑原 啓人》外野手
1.チャンスで打てるバッティング。チャンスではなんとか点を取ろうと集中する。狙い球を絞って、周りをよく見る。
2.去年のジュニアで「9」を着けた高津優くんに憧れているので。
3.普段より細かいルールを教わっているので、それを実践したい。
ここ一番で打てるバッターになる。
《10 佐藤 滉起》捕手
1.キャッチャーとして、ピッチャーとは日頃からコミュニケーションをとって話し合って、いつも同じでいられるようにしている。
2.タイガースでは永久欠番だから。誰かは知らないけど…。
3.チームをまとめられるように。しっかりと周りを見て、できるだけ外野まで、全員に声をかけられるようにしたい。
《11 仁井田 快梨》投手、外野手
1.球が速い。三振が取れる。軸足が折れないように気をつけている。
追い込んだら三振を狙う。三振が取れたら気持ちいい。
2.タイガースの永久欠番なので。鶴直人監督がそう言っていた。
3.チームが優勝できるように、いいピッチングをしたい。
《14 辻 琉沙》投手、外野手
1.丁寧なピッチングを心がけている。小6になってアンダースローにした。打ちにくいから。高橋礼投手(福岡ソフトバンクホークス)のように。
2.僕のチームのOBである則本昂大投手(東北楽天ゴールデンイーグルス)の番号だから。則本投手のような強気なピッチングをしたい。
3.コントロールを大事にして、チームが勝てるピッチングをしたい。
《18 奥村 頼人》投手、内野手
1.自チームでは、ほぼ点を取られていない。ジュニアでは球の質、バランス、コントロールを意識している。
2.プロ野球ではエースナンバー。僕もエースになりたいから。
今永昇太投手(横浜DeNAベイスターズ)が好きで「21」とも迷ったけど、やっぱりエースナンバーで。
今永投手はテレビ中継で見て、一目ぼれしました(笑)。*奥村投手も左腕
3.0点に抑えて、絶対に優勝したい。優勝するために自分がどういう働きをするか。何が役立てるか考えてやりたい。
口だけにならないように…。
《44 田中 翔雅》捕手
1.肩とバッティング。
ピンチのときに盗塁を刺す。捕ってから早く慌てずに投げるよう意識している。
バッティングは長打も単打も。状況に合わせたチームバッティングをする。
2.梅野隆太郎選手のファンだから。
3.自分のためだけじゃなく、みんなのために頑張りたい。
《51 佐々岡 優翔》内野手
1.守備です!エラーしないよう最後までボールを見て、しっかり捕ることを意識している。
最近、肩が強くなってきているので、自信がついてきた。
バッティングではこすらず、ボールをバットに乗せるよう気をつけている。
2.セレクションのときの番号が「51」だったから。
3.レギュラーを獲って、活躍して優勝する。
《82 赤埴 幸輝》内野手、外野手
1.得意なのは守備。捕ってからすぐに投げられる。
セールスポイントは走塁。守備と一緒で、一歩目のスタートを大事にしている。相手もよく観察して、ピッチャーのクセとか見抜くようにしている。
2.名前の中の「はに」から。兄もジュニアに選ばれて「82」を着けたので、それも見ていたから。
3.試合に出て活躍する。1試合に必ず1本、ヒットを打ってチームに貢献したい。
阪神タイガースジュニアの初戦の相手は読売ジャイアンツジュニア。“伝統の一戦”である。ちびっこ虎戦士にとっても絶対に負けたくない相手だ。
これまでの最高順位は準優勝。「今年こそ」は、タイガースジュニアに関わるすべての人の思いだ。
悲願の優勝に向けて、チーム一丸となって戦う。
(撮影はすべて筆者)
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