準優勝に輝いた阪神タイガースジュニアチーム「2017年メンバー」の“現在地”
■まもなく開幕。今年こそ優勝を狙う阪神タイガースジュニア
今年もまもなく「NPB12球団ジュニアトーナメント」が開幕する。これは日本野球機構(NPB)の事業のひとつで、NPBとプロ野球12球団が連携し、子どもたちが“プロ野球への夢”という目標をより身近にもてるよう2005年に企画、創設されたものだ。
各球団のOB選手が監督やコーチに就任し、小学6年生を中心に結成された「ジュニアチーム」が12球団の頂点を目指して戦う。プロの選手とすべて同じユニフォームを着用し、ちびっこながらそのチームの看板を背負う。
過去、高山俊選手(千葉ロッテマリーンズジュニア)や松井裕樹投手(東北楽天ゴールデンイーグルス)など、このジュニアトーナメントから37人ものプロ野球選手が誕生し、1軍の舞台でも活躍している。
今年は開会式や始球式にゲストとして、今年のドラフトで中日ドラゴンズから1位指名された根尾昂選手(中日ドラゴンズジュニア)と、千葉ロッテマリーンズから1位指名された藤原恭大選手(オリックス・バファローズジュニア)が登場する。より注目を集めそうだ。
阪神タイガースも8月のセレクションで16人のちびっこ虎戦士を選出し、練習試合を重ねて大一番に臨もうとしている。(参照記事⇒阪神タイガースジュニア2018)
タイガースジュニアはかつて、なかなか勝てなかった。グループリーグ(予選)で1勝したのが唯一の勝利だった。
それが2016年、はじめて決勝トーナメントに進出。決勝戦で横浜DeNAベイスターズジュニアに敗れたが、準優勝という球団史上最高成績を修めた。
そうなると次に狙うは優勝のみだ。昨年、安定した投手力を引っさげて決勝トーナメントに進んだが、またもや決勝で涙を飲んだ。相手は中日ドラゴンズジュニアだった。
そんな2017年メンバーたちは今、中学1年生。どんな野球をしているのか。いや、そもそも野球は続けているのか。
「阪神タイガースジュニア2017メンバー」の現在、ジュニアでの思い出、そして将来の夢などを聞いた。
《背番号 名前(ジュニアでの登録ポジション)現在のポジション *所属チーム》
00 池上 隆人(内野手)セカンド、ショート *大阪福島シニア
「毎日、素振りを欠かさないようにしている。
小6のとき、他のチームと戦ったとき、『ジュニアの子やんな?』と声をかけてもらえたことが嬉しかった。
甲子園に出て、プロでテレビに出て、ジュニアの監督やコーチたちに見てもらえるように。監督やコーチに恩返ししたい」
0 酒井 優乃介(外野手)ピッチャー、キャッチャー、センター *関メディベースボール学院
「トレーニングをしっかりして体を丈夫にしたい。ケガなくできるように。そして頼られる選手になりたい。
ジュニアには未来性がある。ジュニアに入ったからいいことがあったし、違うことを教えてもらえた。人間性の大切さも。
将来は僕みたいになりたいと思われる選手になりたい。僕自身はブライス・ハーパー(ワシントン・ナショナルズからFA)が大好き(笑)」
1 宮田 亘(投手)ピッチャー *桜井シニア
「上の学年の試合でしっかり投げて、活躍できるようにしたい。
ボールの回転を意識して投げている。
ジュニアでは準優勝できてよかった。
これから色々な大舞台で活躍できるように、頑張り続けたい」
2 築山 隆翔(捕手・外野手)ショート *生駒中央ボーイズ
「バッティングの確率を上げることを考えてやっている。下からバットが出てしまうので、レベルにと意識している。素振りでもバッティング練習でも。
ジュニアでプロの人から教えてもらえた。なかなかこういう機会はない。気持ちの面とか、今も役に立っている。
将来はプロに入って、日本を代表する選手になりたい」
3 木村 浩之輔(捕手・内野手)ピッチャー、キャッチャー *浜寺ボーイズ
「打球が引っ張れないし、バットが出てこない。スイングが遅い。なので、もっともっとしっかりバットを振って、スイングスピードを上げたい。
ピッチングでは今はストレートで抑えられている。ストレートを活かしつつ、これから変化球をうまく使いながら日本一になる!!
ジュニアはみんなレベルが高くて最初はビックリしたけど、そんな中で活躍できてこそ一流の選手になれると思ってやってきた。
将来は大谷選手のように球が速い一流の野球選手になりたい」
4 赤松 純弥(内野手)レフト、センター *五條リトルシニア
「振り遅れないように意識している。素振りでも重いバットを振るとかしている。もっともっと努力してレベルアップしたい。
ジュニアはレベルが高かった。他の球団の選手も。自分の地元のチームじゃ上のほうやったけど、ジュニアに入ったことで実力がわかって、もっと頑張らなあかんと思った。
今後、甲子園にでて活躍して、プロから声がかかるように。打率の高い、左右広角に打てるようなバッターになりたい」
5 岡山 勇斗(内野手)ピッチャー、サード *レッドスターベースボールクラブ
「ピッチングでは下半身を使って投げることを意識している。しっかり走り込んでスタミナをつけているところ。
ジュニアでは他の県の子らとも仲よくなる機会もあって、それがよかった。それと八木監督や鶴コーチ、庄田コーチ…プロ野球を経験した人たちに教えてもらえたのは最高だった。
将来は、誰からも愛されて日本の代表になれるように」
6 伊原 良介(内野手)サード *大阪東ボーイズ
「守備では一歩目を大事にして練習している。打者のバットの出方とか当たった瞬間を、しっかり集中して見るようにしている。
バッティングでは左肩が入らないように意識している。日々の素振りから鏡を見たりして気をつけている。
ジュニアでは本大会になって、勝つにつれてチームが一丸になってきたのがよかった。その経験があるから、中学でも大きい大会でも緊張がほぐれやすくなった。
高校は、実力をつけて大阪桐蔭に行きたい。僕が入ってもう一回、春夏連覇したい」
7 溝部 大地(投手・外野手)ピッチャー、たまに外野 *兵庫伊丹
「しっかり走って下半身を強くしている。球のキレとコントロールを上げたい。高めにいく球をなくして低めを意識したい。
ジュニアではマウンドの入り方、準備の大切さを教わった。今もキャッチボールや遠投でしっかり温めて本番に入るようにしている。
ピッチャーとしてしっかり抑えて、高校から注目されるような選手になりたい。もちろん甲子園にも出たい。いいピッチャーになりたい」
10 長岡 真一郎(捕手)キャッチャー *桜井シニア
「一つ上の試合に出られるよう努力している。素振りを一番しているし、他にも色んなことをしている。
キャプテンを任されて、人一倍声を出している。チームをまとめていかなあかんし。大変だけど、やりがいがある。(ジュニアでもキャプテン)
ジュニアでは元プロの人に教えてもらって嬉しかったし、いろんなすごいレベルの高い選手もいっぱいいて、もっと頑張らなあかんと思った。
夢は日の丸を背負って大リーグで活躍できるようになりたい」
11 西田 大志(投手・外野手)ピッチャー、ファースト、ライト *高砂リトルシニア
「ピッチャーとしてはスピードを上げることを目指している。下半身を鍛えて…。走ることが苦手だけど、克服して頑張っている。
ジュニアでは色々なチームのすごいメンバーたちと一緒にプレーできて勉強になった。
将来はプロ野球選手になって1軍で活躍したい。先発完投できるピッチャーになりたい」
14 下村 賢伸(内野手)ショート *桜井シニア
「体が大きくないので、たくさん食べて大きくするようにしている。晩ごはんは、お茶碗に3杯はご飯を食べるようにしている。
体が硬いので、守るときに低く入ることを意識してやっている。
ジュニアでこんないい仲間と出会えて、みんなライバルとして競い合っていけたのがよかった。
今後は甲子園に出て、プロ野球選手になって、世界が認める超一流のメジャーリーガーになる!」
17 武田 悠作(投手・外野手)ピッチャー、外野 *兵庫夢前ヤング
「球のキレとコントロールをよくしようと、走り込みとスナップの練習をしている。
ジュニアでは準優勝できたことがよかった。でも…最後に負けたことは悔しかった。
一流の選手になって活躍したい。『億』稼げるような選手になりたい」
18 横山 楓眞(内野手)ピッチャー、内野、外野 *神戸中央リトルシニア
「いいフォームを作ること。下半身が弱いので、鍛えている。軸足の膝が曲がって力が抜けることが課題。
バッティングではミート力を上げることを意識している。
ジュニアでは監督、コーチやうまい選手と出会えたことや、ベンチを経験できたことがよかった。人間的に全然だったけど、成長できた。
将来は二刀流で一流の選手になりたい。メジャーも日本のプロ野球も見れる時間があるときは見ている」
19 浦田 祐樹(投手・内野手)ピッチャー、外野 *尼崎西リトルシニア
「ケガしないように。今はコントロール中心で、投げ方を意識している。
ジュニアでうまい人と野球ができたことは刺激になったし、よかった。より頑張れる。
活躍できるプロ野球選手になりたい。ピッチャーでは大谷選手、バッターでは柳田選手のような」
82 赤埴 克樹(内野手)ショート *大阪東ボーイズ
「守備では送球がバラついたりするので、キャッチボールから意識してやっている。
バッティングではあまり考えすぎないように。下半身がバラつくと変化球が打てなくなるので、下半身だけはしっかりと思っているし、しっかり走り込みをしている。
ジュニアはいい経験になった。その経験を当時、(所属チームの)みんなに伝えられたらと思ってやっていた。
夢は近いところでは中3でU-15の侍ジャパンにいきたい。もう少し先では甲子園でレギュラーになって活躍したい。もっと先ではプロ野球選手になりたい」
*赤埴選手は8月、カル・リプケン世界少年野球大会(U-12)で日本代表として、世界を舞台に戦ってきた。
「そこではレギュラーになれなかった悔しさがあったので、それをバネにしてこれからやっていきたい」
みんな野球を続け、タイガースジュニアでの経験を生かして意識高く取り組んでいるようだ。春からは中学2年になる。ジュニアでの経験を糧に大きく羽ばたくことだろう。
次に会うときはどんな選手になっているかな。
(撮影はすべて筆者)
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