準優勝した阪神タイガースジュニアチーム「 2016年メンバー」の“現在地”
先日行われた「NPB12球団ジュニアトーナメント」の阪神タイガースジュニアチームのセレクション。(詳細記事⇒阪神タイガースジュニア2017セレクション)
毎年、前年のメンバーとその保護者が手伝ってくれるのだが、これがちょっとした“同窓会”となってメンバーも保護者も3日間を楽しんでいる。
昨年末の準優勝から7ヶ月。中学生になった2016年メンバーたちは体も大きくなり、顔立ちも少し大人っぽくなっていた。
タテジマのユニフォーム(タイガースの選手とすべて同じプロ仕様)に身を包み、グラウンド整備やボール磨き、また実戦練習をサポートしたり受験生に声をかけたりと、一生懸命にお手伝いしていた。
そして、その合間には仲間同士でキャッチボールをするなど、久々の再会にずっとテンションが高かった。
個性豊かなメンバーたちだが、本当に仲がいい。「オレら、技術面では絶対に(他球団に)負けていたと思う。でも準優勝できたのはチームワークの勝利。チームワークだけは自信ある」と胸を張るのは主砲の正重選手だ。歴代のメンバーの中でもっとも仲がいいと、関係者からも言われたという。
「また今後もみんなで集まりたい」と正重選手が言うと、即座に横からムードメーカーの藤井選手が「じゃあ、みんなでハワイでも行く?」と入ってきた。「いや、そういうことちゃうやん(笑)。また高校とかで同じチームでやりたいなと思って」と返す正重選手。
それにはみんなが高校代表選手に選ばれなければならないが、本当に実現したらと考えるとワクワクする。
そんな「タイガースジュニア 2016」のメンバーの“現在地”を紹介しよう。
(1.ポジション。2.今、取り組んでいること。3.タイガースジュニアで得たこと。4.タイガースジュニアでの一番の思い出)*写真はランダムです。
【#1 橘本 直汰】中百舌鳥ボーイズ
1.ピッチャー
2.次の新チームで、関西秋季大会で近畿の優勝を目指している。
軟式から硬式になって球が浮いて四死球が増えたので、股関節周りのストレッチを重点的にやっている。
3.周りのレベルの高さを知って、「このままじゃあかん」と思った。
4.宮崎での4日間すべて。3試合に投げて、まとめられた。
【#2 寺川 裕也】生駒ボーイズ
1.キャッチャー
2.リード面。ストレートだけでなく変化球でバッターの目線を散らすように。また、高低や内外をうまく使えるようになりたい。
二塁送球を素早くするよう、足を速く動かすことと、捕ってから早くというのを心がけている。
3.まだまだ自分の実力が足りないと思ったし、コーチに教わった『準備をしっかりしろ』ということが今も役立っている。
4.自分のパスボールやセカンド送球のミスで、決勝で負けてしまった。思い出というより反省点の方が大きい。
【#3 岡本 尊】レッドスターベースボールクラブ
1.ピッチャー、ファースト、外野
2.体幹トレーニングをするようになって、小学生のときより凡打や三振の数が減った。
体幹トレはインターネットで調べたりして、メニューは日替わりでやっている。
3.チームワークの大切さや精神力を得られた。
もともとメンタルが弱かったけど、打席でオドオドせずドシッと立って『どんな球でも打ったる』と向かっていけるようになった。選ばれて自信がついた。
4.決勝トーナメントに進出してメダルをもらいたいと思っていた。もらうからには金メダルと思っていたけど、今思えば十分な成績だった。
【#4 安西 洸晟】東かがわリトルシニア
1.ショート
2.バッティングでは後ろ足に体重を乗せるように、守備ではゴロを捕るときにアゴがあがらないように、走塁(盗塁)ではピッチャーのクセをよく見るよう、それぞれ意識している。
3.八木監督から教わった「顔を残して打て」というのが今でも残っていて、そこを気をつけてやっている。
4.甲子園球場で練習できたのが嬉しかった。入った瞬間、すごいと思った。甲子園出場を目指したい。
【#5 島田 大空】北播リトルシニア
1.ショート
2.バッティングでは、左肩が開かないように気をつけている。開かなかったら強い打球が打てる。
守備では足でタイミングをとって、下からグラブを出すように気をつけている。
3.上には上がいる、うまい子ばかりだとビックリした。タイガースジュニアに選ばれたからと天狗にならず、でも自信にしたい。
4.初めて決勝トーナメントに出場して準優勝できたこと。野球がすごく楽しかった。
【#6 山本 壮斗】 ベースボールネットワーク
1.ピッチャー、セカンド、サード、ショート
2.バッティングはできるだけ三振せず前に飛ばすように。追い込まれたらすり足にしてカットするように、打席で粘る。
ピッチングでは配球を考えている。縦のスライダーでは三振がとれている。
3.レベルが高かったので、楽しくできたし、いろいろ吸収できた。また、自分のよさもわかった。たとえばショートで三遊間の打球を捕れたりというのは、レベルの高いところでやったからこそだと思う。
4.たくさんの仲間ができたし、楽しく野球ができた。競い合える仲間だと思う。
【#7 村上 太一】枚方ボーイズ
1.ピッチャー、サード
2.準備をしっかりすることを課題にしている。たとえばバッティングでは前のバッターが打っているとき、ネクストで相手ピッチャーに合わせて振る。
守備では、飛んできたらどこに投げるかを考えて構えるようにしている。
3.準備が大切というのを教わった。
普通では経験できないことをたくさん経験できたし、いろんな選手と友だちになれた。
4.(練習試合の)舞洲でホームランを打てたことが自信になった。またみんなで集まりたいなぁ。
【#8 沖 寛太】 紀州ボーイズ
1.ピッチャー、外野
2.ピッチングでは変化球も投げるようになったので、キャッチャー任せにせず自分でも配球を考えるようにしている。
バッティングはタイミングをしっかり合わせて、レベルスイングで打つようにしている。自分で思っているよりだいぶ遅れているんで、ステップを小さくして前に突っ込まないよう意識している。
3.準備の大切さを教えてもらった。ネクストで相手ピッチャーのタイミングをはかったり、ベンチではピッチャーが牽制かホームに投げるか、動きをよく見るようになった。
4.ヤクルト戦で初めて投げて、めっちゃ緊張したけど楽しかった。今までで一番緊張したけど、新呼吸で長く息を吐いて緊張を楽しさに変えることができた。
【#9 山平 柚斗】 伊丹市立南中学校野球部
1.キャッチャー
2.キャッチングの音をよくする。いいところで捕れるよう、練習を重ねている。
バッティングではアウトコースに届かないのが課題。しっかり配球を読んでいきたい。
3.準備の大切さがわかったし、もっとすごい選手がいるんだなということがわかった。
4.準優勝したことがすごく嬉しかった。
【#10 正重 恒太】夙川ボーイズ
1.ピッチャー、キャッチャー、ファースト
2.体力をつけるため、毎日走っているのと、肩甲骨の可動域を広げるためにポール体操をしている。
3.技術面とかだけじゃなく、サポートの大切さなどを学んだ。(このセレクションの)3日間でも、まだだいぶ学べた。
4.宮崎での3日目の練習終わりに一番広い部屋にみんなで集まり、一太(藤井選手)の芸を見てみんなで大笑いしたこと。
【#11 田中 春太】佐用スターズ
1.ピッチャー、センター
2.バッティングでもピッチングでも2年生を超えたいと頑張っている。
家でも素振りや、お父さんとのティーをやっている。ピンチングもお父さんが受けてくれている。
3.準備の大事さを教わった。今もそれはとても意識してやっている。
4.最後、みんなで撮った集合写真が一番思い出に残っている。
【#12 春山陽登 】五條リトルシニア
1.キャッチャー
2.バッティングはバットを内から出して右方向に打つことを練習から意識してやっている。
投票で選ばれてキャプテンを務めている。まとめて引っ張っていくことは好き。今のチームを日本一にする。
3.セレクションでも練習でも緊張していて、ここまでの緊張はそれまでなかった。でも、その緊張をいい方向に変えていけるようになった。さらにプラス思考、ポジティブになった。
4.そんなに役立てなかったけど…みんなで勝てたこと。準優勝できたことがいい思い出。
【#13 勝 隼祐】泉州阪堺ボーイズ
1.センター
2.一太(藤井選手)を超える(笑)。というのは冗談で、出塁率を上げる。そのために転がして強い打球を打つよう心がけている。
素振りをしたり、小4の弟と一緒にランニングをしたりと頑張っている。
3.変な緊張をしなくなった。それまでは人と喋るのや写真も苦手だったけど、社交的になれた。試合でも緊張せず入れるようになった。
4.チーム全員で楽しく野球ができたこと。
【#14 三宅 慶真】西淀ボーイズ
1.ピッチャー
2.バッティングでは左足を開かないように、守備ではイージーボールを簡単に捕りにいかず、確実に。
素振り、ダッシュのほかに反射神経を鍛えるようビジョントレーニングも取り入れている。
3.ピッチャーの配球を考えられるようになった。
4.決勝でサードで出たこと。めっちゃ緊張したけど、いい思い出になった。
【#15 寒川 忠】 枚方ボーイズ
1.ピッチャー、ショート
2.守備では足を止めずに正確なプレーをすること、バッティングではセンターにライナーを打つイメージでやっている。
素振りの回数も増えた。
3.準備の大切さを学んだ。代打のときとか、ベンチ前でしっかり素振りをしておく。
4.ヤクルト戦でヒットを打てた(決勝タイムリー)。
タイガースのユニファームを着て、責任感を感じて戦えたこと。
【#16 山本 耕太 】京都ベアーズ
1.センター
2.バッティングでは自分のスイングができるよう思いきり振ること。守備では打球が抜けたときに思いきりダッシュしてできるだけランナーを進めないようにしている。
3.普段、バット引きやボールボーイなどをしていなかったけど、そういうことも大切だと学んだ。控えでも仕事をきっちりする。
4.準優勝できたこと。
練習試合だけどレフトオーバーのヒットを打てた。決勝のDeNA戦では、サードへの強い当たりをしっかり捕れた。
【#17 藤井一太】 泉州阪堺ボーイズ
1.ファースト、ライト(笑い役、引っ張り役も)
2.どうしてもフライが多いので、ヘッドを下げないようにしてライナー系の打球を増やすよう取り組んでいる。また、センターからライト方向に打つよう心がけている。
3.庄田コーチから外野の捕る姿勢を教わった。動きも適当じゃなく、しっかりとした構えで捕るように。
4.タイガースジュニア初の決勝トーナメント進出、初の準優勝ができた。ちょっとは活躍できたことが嬉しかった。
今までに経験したことのないような喜びが心にきた。
【#18 永谷天太】北摂リトルシニア
1.ピッチャー、外野
2.バッティングでは変化球を引っ掛けて上げてしまってのフライが多いので、練習からしっかりと強い打球を打つイメージでやっている。
また、配球も読むようにしている。
3.準備の大切さを教わり、今も意識している。たとえば前の日からしっかり寝て、早く起きて体を整えて試合に向けて体を作っていく、とか。
4.準優勝できたこと。一太の笑いを見れたこと(笑)。
すごくチームワークがよくて、いい経験ができた。
タイガースジュニアに選ばれたことは名誉なことであり自信にもなる。周りからも羨望のまなざしを受ける。しかしその一方で、見られ方も厳しくなるしプレッシャーも小さくない。
そういった様々なものを受け止めながら、「タイガースジュニア 2016」のメンバーがのびのびと大きく羽ばたくことを願ってやまない。
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