【Yahoo!ニュース 個人】3月の月間MVAとMVCが決定
■Yahoo!ニュース 個人、3月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました
社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、すぐれたオーサーコメント「月間MVC」も選出しました。厳選5本の記事と1本のオーサーコメント、筆者の受賞コメントをあわせて紹介します。
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3月の月間MVA
■なぜ食品業界は日本気象協会に仕事を依頼するのか(井出留美)
筆者による受賞コメント:書き始めた月に受賞の連絡を受け、驚きと感謝の気持ちで一杯です。データや写真をご提供頂いた日本気象協会様と共に受賞した、という思いです。食品ロス削減で最重要の「Reduce(廃棄物の発生抑制)」を推進するこの取り組みを、多くの方に知って頂きたいです。
(井出留美)
選出理由:食品メーカーが日本気象協会と連携し、過剰在庫の削減などに取り組んでいる事例は広く知られておらず、食品ロスを専門に取材する筆者ならではの記事です。欠品や余剰が許されない日本の製造業の環境が背景にあることまで踏み込まれています。
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■【3・11再検証】あのときメディアはSPEEDIの真実に迫れなかった(楊井人文)
筆者による受賞コメント:私が報道検証活動を始めて丸5年になります。3・11がなければ、この活動を始めることもなかったと思います。改めてこのテーマを取り上げたのは、この機会に「政府の説明を突き崩せなかった」教訓について書いておきたいと思ったからです。情報公開請求で入手してお蔵入りになっていた資料も載せました。MVA賞により再びこの記事が多くの方に読まれることを大変嬉しく思います。しかし、執筆時に見落としていて盛り込めなかった貴重な情報がありました。当時、原子力・安全保安院次長だった平岡英治氏へのジャーナリスト・烏賀陽弘道さんによるインタビュー記事です(https://note.mu/ugaya/n/n9836670daf6e)。SPEEDIが稼働していようと、活用する気がない人が原子力安全行政の責任者であったということがわかります。原発問題に関心のある方すべてにおすすめします。
(楊井人文)
選出理由:東日本大震災による原発事故で、「拡散予測不能」と報じられ国民に知らされなかったSPEEDIの情報。メディアはなぜ真実に迫ることができなかったのか、震災6年の節目に改めて伝える、迫力ある検証記事です。
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■「トワイライトエクスプレス瑞風」一番狭い客室に見た夢と憧れ(伊原薫)
筆者による受賞コメント:MVAに選出いただきありがとうございました。夜行列車はひとつの文化です。布団の中で感じる列車の揺れ、線路のジョイント音と機関車の汽笛、そして隣席の人との触れ合い…。JR3社の手がけた豪華クルーズ列車が注目されており、「瑞風」にもたっぷりの夢がつまっていましたが、こういった贅を尽くした列車とともに「少し頑張れば手の届く」リーズナブルな列車もぜひ登場してほしいところです。JR西日本さん、期待しています!
(伊原薫)
選出理由:鉄道旅の楽しさを受け継ぎ、子どものころ「いつかは乗りたい」と憧れた豪華クルーズ列車。「トワイライトエクスプレス瑞風」の車内の様子をいち早く詳細にレポート。夜行寝台列車が次々と姿を消す今、夜汽車の旅というひとつの文化の「復活」を夢見させてくれる1本です。
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■就活は「自分の足で・目で」というアドバイスに欠けているもの―募集要項の確認と客観情報の活用を(上西充子)
筆者による受賞コメント:就職活動にあたって募集要項を確認して労働条件を検討することは、本来、当然のことですが、なかなか就職ガイダンスでもアドバイスされていない現状があります。一方で、残業代を隠し含ませた初任給の提示など、求人トラブルは横行しています。対策もようやく進みつつあるので、そのことが広く知られ、健全な労働市場で安心して就職活動ができるようになってほしい。ご注目いただいたことに感謝します。
(上西充子)
選出理由:見過ごされてきた就職活動における募集要項の確認の重要性について、具体的な事例を紹介した上で丁寧に伝えています。見方を知ることができるという点で、就活生の具体的な課題解決に資する記事になっています。
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■[動画レポート]全ては日本オタク仲間のため 貴重コレクションを一般開放したインドネシア最強オタク(城田道義)
筆者による受賞コメント:記事を読んでいただいたインドネシア在住の日本人の方が、実際にこのオタクマスターに会いに行くという嬉しい報告がありました。来年は日イ国交樹立60周年、日本にとってのインドネシアがもっと近い存在になるような、そんな記事を作れるよう受賞を励みにさせていただきます。
(城田道義)
選出理由:日本のポップカルチャーに精通しているインドネシア在住のアディティアさんに引き込まれる動画表現で迫ります。日本コンテンツの海賊版があふれる海外で、「オリジナルを支える」ことを強調する彼の言葉が印象的な1本です。
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3月の月間MVC
■『【視点】アマゾンの過剰サービス、ヤマト宅配便危機の一因に… どう解決?』の記事へのオーサーコメント(吉田大樹)
筆者による受賞コメント:働き方改革が進む中で企業が主体的に取り組む姿勢は評価したいと思い、コメントさせていただきました。これまで「企業の主体性」という言葉は経営者側のいいように使われてきたので、労働改善につながる実質的な動きは歓迎です。ただ、ボールは消費者にも投げ返される話。消費者のマインドも変えていく必要があると思います。
(吉田大樹)
選出理由:関心が高まっている宅配サービスの問題について、なぜ今の状況を招いたのか、企業はどう変わらなければならないのかを的確に解説しています。この事例をきっかけに社会全体が変わってほしいという筆者の思いが伝わってきます。