【Yahoo!ニュース エキスパート】編集部が選ぶ10月の月間オーサー記事が決定 #MVA
Yahoo!ニュース エキスパート オーサー編集部が選ぶ、10月の「オーサーMVA(Most Valuable Article)」が決定しました
オーサー記事が目指す世界観、「発見と言論が社会の課題を解決する」「文化の発展に寄与する」 を体現している記事を選出する「オーサーMVA」。 厳選した2本の記事を、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。
今月の受賞者
・鐙麻樹さん
・宮崎園子さん
MVA受賞記事とあわせて、選出理由と受賞者のコメントをご紹介します。
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■ノーベル平和賞を動かした事情とは?知られざる舞台裏 ノルウェーでも驚きの声続々(鐙麻樹)
2024年のノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)。この受賞について選考側であるノルウェーのノーベル賞委員会の委員長交代に焦点を当てて解説しています。
編集部の選出理由
現地メディアでも驚きを持って受け止められたという日本被団協の受賞について、平和賞を選考する委員会での若き新委員長の誕生といったノルウェーの国内事情や各国との関係性などがどのような影響を与えたのか舞台裏を記しています。日本ではあまり報道されない貴重な情報で、北欧の社会・政治・文化を専門とする筆者だからこその考察です。
鐙麻樹さんの受賞コメント
毎年、ノーベル平和賞は多くの日本メディアも報道するので、私が似たような発信をしても意味はなく、自分ならではの角度で書くようにしていました。受賞者発表の会場では、「声を上げ続けることで、変化は起きるのだ」ということを改めて感じました。取材中に「ノルウェーでは、折り鶴の意味を知らない人は多い」と言っていたノーベル平和センターの館員の言葉が、今も頭の中をぐるぐるしています。ノーベル委員会の若い委員長の誕生が象徴するように、北欧社会は「私たちは、子どもと若者にどのような未来を引き継ぐか」ということを常に真剣に考えています。だからこそ、被爆体験を次の世代に語り継いできた長年の活動が、どんよりするニュースも続く今の時代だからこそ、改めて評価されたのではないでしょうか。12月10日の授賞式を皮切りに、被爆者の方々のメッセージがよりたくさんの人に届き、新しい変化の波が起きるでしょう。
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■毎月6日、帰れない遺骨7万柱のための読経を60年以上続けた僧侶が死去 広島・呉の吉川信晴さん(宮崎園子)
広島の原爆で犠牲になった遺骨7万柱のために、平和記念公園の原爆供養塔で読経を60年以上続け、9月に亡くなった僧侶・吉川信晴さんの思いや功績がまとめられた記事です。
編集部の選出理由
いまなお引き取り手がいない原爆犠牲者の遺骨7万柱の供養のために、60年間にわたり平和記念公園の原爆供養塔へ通い、読経を続けた僧侶・吉川信晴さんを中心に、生前から亡くなるまでの様子や平和を願う思いについてつづられています。さらに遺族や吉川さんの活動に賛同する人たちにも丁寧に話を聞いています。広島に住まう人々のこれまでといま、そして平和に向けて語り継ぐ大切さが伝わる内容となっています。
宮崎園子さんの受賞コメント
原爆供養塔前には、813人の名前が並んだポスターが掲出されています。名前が判明しているのに引き取り手がない遺骨について広島市が遺族を捜しているのです。名前がわかるのはごく一部。7万柱もの遺骨が収められた供養塔の前に立つと、80年近く経っても戦争は終わっていないのだと気付かされます。わたしはこの数年間ほぼ毎月6日朝にここに足を運び、吉川さんの話を聞いてきました。最後は9月6日、自宅内で転倒してしまっておおごとだったという話をしていましたが、まさかそれが最後になるとは。だんだん背中が丸くなり、いつしか椅子に座りだした吉川さんは、殺された人たちを背負って、言葉を発していた人。広島ではこういう人がどんどん減ってきています。同じ平和公園内にありながら、原爆ドームや原爆資料館ほど観光客の方々に足を運んでもらえていないこの場所。この記事を機に、一人でも多くの方に訪れていただきたいです。
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Yahoo!ニュース エキスパートの「オーサーMVA」は、毎月中旬に「Yahoo!ニュース エキスパート公式」の記事で発表しています。
コメンテーターコメントから選出した「MVC」も同時に発表していますので、ぜひあわせてご覧ください。