博多めん街道

博多で食べたいメニューといえばやっぱりラーメン。数ある福岡の名物グルメの中でも一番人気と言っても過言ではないでしょう。そんな地元のソウルフードでもあるラーメンを食べたいと思った時に、どのお店に行けばよいのか迷ってしまう、あるいはわからない、なんて方も多いのではないでしょうか。

《そんな方のためにご紹介したいのが「博多めん街道」》

博多駅の駅ビルの中にありアクセスも最高。迷うこともなく行けるし、電車を待つ間にいただくこともできる絶好のラーメンスポットです。

ただ、「駅ビルってほんとに美味しいの？」「やっぱり自分は本店派」「観光客向けでしょ…」なんてことを思う方もいらっしゃるかもしれませんが、いやいやそんなことはありません。

驚くなかれ、この博多めん街道には福岡を代表する名店の数々が名を連ね、その数なんと12店舗。老舗から今人気の行列店まで福岡の麺が集結し、本場の味を楽しめるグルメスポットなのです。
これは、やはりラーメン王国である福岡だからこそできる技ですね。

確かに、「本店が本物の味」とか「元祖となる味を求めたい」などなど思う気持ちはよくわかります。歴史ある佇まいやポツンと一軒家のような名店を巡るのは、そこにたどり着くのがひとつの醍醐味だったりします。
福岡住まいであればまだしも、旅行や出張などで訪れる方々には限られた時間の中で楽しむには限界があります。
そんな方々におすすめなのがこの博多めん街道。旅の途中、移動の空いた時間などでも、アクセスする頻度が高い博多駅で本場の博多ラーメンが楽しめます。

その中で個人的主観ですが、お気に入りラーメン7選をご紹介したいと思います。（※各店舗の紹介には、関連記事として詳細の記事をリンクしていますので、興味がありましたら読んでみてください）

１．博多らーめんShinShin

言わずと知れた、全国にも名を轟かせる一大旋風のラーメンがこちら。
博多純情ラーメンと呼ばれる日々行列の大人気店。（関連記事：あっさり豚骨に極細麺。博多の観光名所のひとつ。博多純情ラーメンは食べたらわかる味わい深い一杯。）同じく博多駅ビルのひとつ、Kitte博多の地下にも店舗があります。博多駅直結で2店舗を構え、どちらも行列という凄いお店。

屋台が発祥という純情らーめん。この仕上がりは女性にも大人気。重くなくしつこくなくサラリといただける味わいです。
豚骨に鶏ガラ、野菜も使っているというスープは優しくさっぱりと飲みやすく、その中に感じる不思議とコク深い味わいがとっても美味しい。このさっぱり豚骨スープと極細麺が、多くの人を虜にしています。

２．元祖博多だるま

創業60年を越えた老舗の名店。福岡でも展開する店舗は数店舗。その中のひとつがこの博多めん街道です。この博多だるまも全国に名を轟かせる名店。店舗展開ではなく、イベント出店も積極的でお土産ラーメンも人気です。そして何よりも芸能人など著名人に愛されるラーメン。このだるまも、博多ラーメンの歴史を語る上で外せない名店のひとつです。（関連記事：博多のみならず全国に名を馳せる。博多ラーメンでも老舗として歴史を刻む味を博多駅で味わってみた。）

豚骨臭が香りよく漂い、濃厚な仕上がりのスープ。特製羽釜で長時間炊き上げて、呼び戻しで製法で仕上げたスープは濃厚かつ繊細。そこにオリジナル醤油を使っているというカエシが良き味わいを加え、濃厚さとコク深さがありながらもサラッと味わえる美味しさ。
このだるまは、限られた場所でしか味わえないラーメン。博多めん街道はその貴重な場所のひとつです。

３．麺や兼虎

福岡でつけ麺の文化は少ないのですが、その中でも第一人者であり博多で絶大な人気を誇るのが「麵や兼虎」。天神に本店を構え、現在はめん街道も含め福岡市内に３店舗展開中。どのお店も行列の大人気店です。
関東の本格つけ麺を提供する希少なお店は、博多ラーメンの文化とは違いますが、創業から10年を越え、名実ともに博多ラーメンのひとつと言っていいのではないでしょうか。（関連記事：福岡を代表するつけ麺。行列覚悟の人気店。濃厚スープにもちもち太麺の博多つけ麺を味わってみた。）

濃厚な豚骨や魚介の濃度が高いスープに、魚粉が一気にインパクトを与えます。そしてスープにはネギにチャーシュー、歯応えがある極太メンマ。この具材も美味しい。全てがバランスよく絡まります。そこにこのもちもちの太麺。食べ応えもありますが、やはり旨味も抜群。これは間違いなく、博多を代表するつけ麺です。

４．博多醤油ラーメン 月や

福岡の志那そばの人気店「月や」。いわゆる志那そばと呼ばれる醤油ラーメンと、クリアとんこつの豚そばのお店で、中州や大名という繁華街や、博多駅や福岡空港など、好立地の中心部で展開する名店のひとつ。こちらの博多めん街道では「博多醤油ラーメン 月や」として、九州の醤油を使った博多生まれの極上醤油ラーメンを提供しています。（関連記事：博多駅でいただく博多名物。九州極上醤油を使った、もつ鍋と中華そばの絶品コラボレーション。）

こちらのめん街道の限定メニューが「モツらーめん」。もつ鍋をモチーフしたメニューは、ぷりっぷりのもつがいっぱい。丼の真ん中を川のようにニラが並べられ、まさにもつ鍋を彷彿とさせるビジュアル。九州の醤油を使っているという綺麗な透き通るスープには、ツルッとした平打ち麺が絡みます。博多名物のもつ鍋と中華そばのコラボレーションは、それぞれの美味しさを追求した一杯です。これは博多を楽しめるオリジナルメニューですね。

５．モヒカンらーめん

モヒカンの大将が作るラーメンは久留米で人気を誇り、2023年に博多めん街道にも出店。豚骨ラーメンの発祥とも云われる久留米ラーメンが味わえるのも、博多めん街道の醍醐味です。このモヒカンラーメンは、久留米にある味壱家本店が火事で閉店してしまい、逆にこの博多めん街道が味わえる貴重なお店のひとつとなりました。（関連記事：モヒカンの豚骨戦士が捧ぐ、博多駅でいただける大人気久留米ラーメン。逆境にも負けないモヒカン魂。）

濃厚さも感じる白濁のスープには、真ん中に唐辛子の薬味ダレがトッピングされています。濃厚なのに不思議とマイルド、まろやかでクリーミィな後味もスッキリなスープです。豚骨の旨味が凝縮されコク深い味わい。なのにさっぱり、というのがサラリといただける美味しさの秘訣ですかね。このスープに唐辛子の薬味が交わることでモヒカンの味わいの完成です。

６．ラーメン海鳴

博多ラーメンの進化系と呼ばれる人気店の海鳴。魚介豚骨をメインとし、ジェノバやつけ麺などアレンジしたラーメンを数多く提供するお店。福岡市内に店舗展開し、お店ごとに限定麺を提供するなどのアイデアも斬新です。様々なメニューから進化系と言われていますが、基本の豚骨ラーメンにもこだわり。メニューにも「迷ったらまずはとんこつ！」なんて書いてありますが、やはり博多ラーメンはこれが基本。博多とんこつを純粋に味わえる一杯です。（関連記事：魚介豚骨やジェノバのルーツとなる一杯。基本のとんこつこそ美味い。博多駅で人気店の基本を味わってみた。）

臭みがないように豚骨は丁寧に下処理をおこない、脂を馴染ませた寸胴を綺麗に洗ってから20時間以上炊き込んだというスープ。濃厚でクリーミィな豚骨スープは、不思議と重くなくサラリとしていて、まろやかに味わい良くいただけます。自家製の麺はメニューにあわせて太さも調整していて、とんこつには細麺をあわせています。まろやかなスープにつるっとした食感にコシも感じ、スルスルっとあっという間にいただけます。さすがの麺とスープのバランスですね。

７．博多一幸舎

泡立つスープが特徴的な元祖泡系の名店一幸舎。羽釜追い焚き豚骨は今や博多の新鋭ラーメンのルーツとなっています。現代風の呼び戻しとんこつは、一幸舎から始まったとも言えるかもしれません。今の博多で人気の新鋭ラーメン店は、一幸舎の出身も多く、現在の博多ラーメンの元祖とも言えるでしょう。もちろん伝統を誇るこの一幸舎も大人気で、博多駅直結で３店舗あるのですが、どのお店も行列ができています。（関連記事：博多駅で味わう濃厚なラーメンは納得のコク。そして泡プクのスープはまろやかで美味しい。これが元祖泡系。）

この泡立つスープこそ元祖泡系。濃厚でクリーミィなスープは一幸舎の真骨頂。２つの羽釜で骨が砕けるまで炊き上げ、熟したスープに若いスープをブレンドした呼び戻しスープ。豚骨を強火で炊き出し旨味を凝縮した中に、程よく広がる九州産カエシの味わいもまた美味い。そして麵は、一幸舎のブランドでもある製麵屋慶史を使用しているのも、オリジナルブランドを磨き上げた名店ならではですね。

いかがでしたでしょうか。博多めん街道で味わえる博多ラーメン。
歴史を作った老舗ラーメンに、全国から訪れる人を虜にする新鋭ラーメン。そして独自のスタイルを歩みながら、新たなスタイルを確立する人気店など様々なラーメンをご紹介してみました。
そんなお店が集約した博多駅のグルメスポット。博多のラーメンを楽しみたい時はおすすめです。ぜひ、お気に入りの一杯を見つけてみては。

博多めん街道