本格的な横浜家系を確立したパイオニア。黄金色の濃厚豚骨スープと彩るトッピング。モッチリ太麺も旨い。
博多区住吉の「入船食堂」
博多駅から住吉通りを進み、住吉交差点を美野島側の路地を入ったところに、昭和の香り漂う老舗が。レトロな街並みでもあるこの通りで、行列を作る人気店、「入船食堂」。博多ラーメンというジャンルが文化でもあるこの街で、横浜仕込みの本格派〈家系ラーメン〉を提供したのはもう15年以上前のこと。考えてみれば、その当時に博多の地で家系ラーメンは認知度も低く、横浜発の〈家系〉の味を確立したパイオニアともいえるでしょう。
入口から並ぶカウンターと、奥にテーブル席、さらにその奥にもうひとつカウンター席があり、全部で10席ちょっとでしょうか。年季の入った古き良き時代を思い起こさせる店内です。それもそのはず、もともとは70年くらいまえから食堂として営業しており、そのお店を今の家系ラーメンとして引継いで、その時代の面影はそのままに営業しているようです。
そんな「入船食堂」のメニューは、〈らーめん・油そば・つけめん〉のラインナップに、〈ホウレンソウ・うずら・のり・ネギ〉などなどのトッピング。そして、〈麺の種類・麺の硬さ・味の濃さ・鶏油の量(らーめんのみ調整可)〉が選べるのも家系スタイルですね。
ネギちゃーしゅうめん
ガッツリトッピングの、ノーマルにネギとチャーシューがプラスされ、のりも3枚の豪華メニュー。さらにうずらも追加してみました。黄金色のスープに彩られた、溢れそうなほどに盛り付けられたトッピングがいいですね。味は濃いめ、麺は太麺、硬さは普通、鶏油も普通。こんな感じで。
家系には白ごはん、と個人的に勝手に思っています。ご飯は小と大が選べて、チャーシュー丼もありますよ。こちらは、ご飯の小をいただきました。
キラキラとしたスープは、濃厚な豚骨の旨味がグッとくる。鶏油の甘みも広がりながら、しっかりした味わいのキレのある醤油ダレが伝わる。この濃厚でパンチが効きながらも奥深く、そしてスッキリとしているのが絶妙。
麺は老舗の〈諸富食品〉の麺を使用。この黄金色の濃厚豚骨とのバランスを考えられた麺は、〈太めん・ちぢれめん・細めん〉がチョイスできる。やはり家系、太めんかちぢれめんでいただきたいところですが、替玉もあるので、その際に細めんはバッチリかも。
そしてこのチャーシューが美味い。一枚がボリュームもあり、肉質も味わいも良い。これがたっぷりのちゃーしゅーめんは最高。
さらには海苔をスープに浸し、ご飯に巻いて食べる。これぞ家系の楽しみ。だからやっぱり家系は、白ごはん必須だと思います。
ちゃーしゅうめん
こちらはちゃーしゅーめん。ちぢれ麺の硬さ普通、味は濃いめの油多め、そこにうずらをトッピング。これもまた鮮やかなビジュアルですね。個人的な家系の想いとして、うずらは外せないように思います。
大きなチャーシュー敷き詰められて、うずらのたまごが可愛い。
まずは太めんでいただき、替玉でちぢれめんがおススメ。麺の硬さは、博多らーめんだと、ついついカタ、なんて言いがちですが、普通でいただくのが美味しいですよ。
のりたまらーめん
これもまた印象的なビジュアル。たっぷりのもみのりが盛り付けられ、生卵がポトリとトッピング。濃厚スープとのりの相性も抜群なんですよね。
横から見ても、このモリモリ感。麺を持ち上げるのが大変。ただ、このもみのりをスープに少しづつ浸しながら、麺に絡めていただくと絶品ですよ。
卓上にはゴマやコショウ、ニンニクや豆板醬など。これらもまた家系スタイル。
ライスの美味しい食べ方を案内してありますが、らーめんそのものの美味さはもちろん、ライスを美味しく楽しむのも家系の醍醐味。日々、ランチタイムは行列ができる名実ともに博多を代表する名店。本格的な横浜家系ラーメンを博多の人々へその味を伝え確立させた、まさに先駆者ともいえるお店です。パイオニアの一杯を、ぜひ味わってみてはいかがでしょう。
入船食堂
住所:福岡県福岡市博多区住吉4丁目15−6
営業時間:11時00分~15時00分
18時00分~21時00分
定休日:日曜日
アクセス:住吉バス停より徒歩2分
駐車場:近隣有料