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「パルワールド」の衝撃、PS5価格論争… ゲーム業界の2024年を振り返る

河村鳴紘サブカル専門ライター
「パルワールド」(c)Pocketpair, Inc.

 2024年もさまざまな出来事があったゲーム業界。今年の象徴的な出来事を改めて振り返ってみます。

 最も印象に残ったのは、やはり「パルワールド」でしょうか。1月に発売されるとゲームの面白さもさることながら、人気ゲーム「ポケットモンスター」にかなり似ていることから、ゲームファン(関係者含む)の間で激論になりました。7月にはソニーグループとの新会社設立が発表され、9月に任天堂が「パルワールド」を開発したポケットペアを提訴。そこで終わらず、ゲームショウで巨大ブースを構えて注目を集め、さらにPS5版を出し、おまけに日本だけ1週間遅れにしたことも話題になりました。

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 続いて、PS5の値上げ、そしてうわさ通りに発表された強化版「PS5 Pro」とその価格、それを巡る激論でしょう。特にPS5 Proは12万円に迫る価格は衝撃。世界的な価格上昇や円安などがあって仕方がない面があるとはいえ……。1年前に「買わずに後悔するなら、買って後悔」という内容の記事を書きましたが、ここまで価格が上がるとはさすがに思いもよりませんでした。

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 最後は、ニンテンドースイッチの後継機種の存在を公式にアナウンスしたことです。ただし任天堂がこれまでに発表したのは、今年度中(~2025年3月)に商品の詳細を発表することと、現行機のソフトも遊べることぐらい。ですが情報がないゆえに盛り上がった面があり、事情通の情報がネットで飛び交っています。PS5の発売前とよく似ていますね。

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 他にも、SIEの900人削減のリストラ、スクウェア・エニックスの220億円を超える特別損失の発表、任天堂の音楽配信サービス開始なども騒がれました。

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 ソニーと任天堂に関連するニュースは、何かと盛り上がるのですが、やはり「パルワールド」のインパクトは強烈で、年中ゲーム業界の話題をさらった感はあります。来年はどんなことで盛り上がるのでしょうか。

サブカル専門ライター

ゲームやアニメ、マンガなどのサブカルを中心に約20年メディアで取材。兜倶楽部の決算会見に出席し、各イベントにも足を運び、クリエーターや経営者へのインタビューをこなしつつ、中古ゲーム訴訟や残虐ゲーム問題、果ては企業倒産なども……。2019年6月からフリー、ヤフーオーサーとして活動。2020年5月にヤフーニュース個人の記事を顕彰するMVAを受賞。マンガ大賞選考員。不定期でラジオ出演も。

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