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ニンテンドースイッチの後継機種 現行機のソフトはそのまま遊べる朗報も… 「価格がどうなる」問題

河村鳴紘サブカル専門ライター
「任天堂の新しい家庭用ゲーム機を持つ人」というテーマで生成したAIイラスト

 任天堂は、家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の後継機種(発売時期未発表)で、ニンテンドースイッチ用ソフトも遊べること、有料ネットワークサービス「ニンテンドースイッチオンライン」も利用できることを発表しました。いずれも想定内ですが、公式発表でファンも一安心といったところでしょうか。

 今回に限らず新型ゲーム機の登場時は、機器の性能、発売時期、ソフトのラインナップなどが気になるもの。ですが、ニンテンドースイッチの後継機種について、現時点で最も気になることを挙げろと言われると、価格でしょう。

 今回の発表を受けて、ニンテンドースイッチの所有者は安心して後継機種を買い求めることができます。ただし欲しいと思っても、価格があまりにも高いのであれば見送る人も出てくるでしょう。ややこしいのは「価格の許容ライン」が3万円か、4万円か、5万円か、それ以上か。どこまで許容できるかは、ゲーム機に対する優先度と経済力で個人差がかなりあることです。

 なぜ価格が不安視されるのか。理由は言うまでもなく、ソニーの家庭用ゲーム機「PS5」の度重なる値上げでしょう。高性能を売りにした同機ですが、発売時は税抜きで4万円を切る価格に設定し、関係者やゲームファンを「安い」と驚かせました。しかしその後は値上げを繰り返し、今月発売予定の「PS5 Pro」では約12万円という、従来のゲーム機では考えられない値付けをしました。背景には、世界的な物価高、円安なども影響していますが、それにしても……というわけです。

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 ニンテンドースイッチの後継機種も、コストと価格のバランスは、頭の痛い問題であることが予想されます。現行のニンテンドースイッチも8年目に突入し、さまざまな不満があるわけですが、その一つに、ゲームソフトの読み込みスピードの遅さが挙げられます。それを解決するには、コストのかかる話になります。ゲーム機は、性能と価格のバランスがポイントで、それは今回も変わりません。

 ですが、そのバランスについて消費者は基本、好き勝手を言うものであり、企業の事情などを考えてくれません(当たり前ですね)。身もふたもなく言えば、後継機種は、大きな性能アップを求めつつ、価格はなるべく安く……となるもの。そして期待が大きいほど、裏切られた失望(=価格が高かった)があるわけで、何とも悩ましい問題です。

 さらに価格についていえば、「任天堂なのだから……」などと日本市場の優遇を期待してしまう事情があります。ニンテンドースイッチの有機ELモデルの価格は、米国が349.99ドルに対して、日本は3万7980円(税込み)。現在のレートを考えると、日本市場のお得感が際立つからです。

 そして現在の事情は簡単でありません。従来であれば、ゲーム機は1台でも多く売るために極力安くするのがセオリーでした。しかしPS5の人気と長期の品不足を振り返ると、ただ価格を安くすることが果たして妥当なのか。「ニンテンドースイッチ」シリーズでも、高額なはずの「有機ELモデル」の売れ行きが好調です。

 もちろん、初回出荷台数、初年度の出荷台数、販売方法など、さまざまな要素が複雑にからみあうでしょう。それでも価格のインパクトは無視できませんし、過去のゲーム機がそうであったように売れ行きに少なからず影響するもの。

 ニンテンドースイッチの後継機種の価格は、あくまで安さを優先してくるのか。それともゲームファンに相応の負担を求めてくるのか。その一点だけでも注目といえそうです。

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サブカル専門ライター

ゲームやアニメ、マンガなどのサブカルを中心に約20年メディアで取材。兜倶楽部の決算会見に出席し、各イベントにも足を運び、クリエーターや経営者へのインタビューをこなしつつ、中古ゲーム訴訟や残虐ゲーム問題、果ては企業倒産なども……。2019年6月からフリー、ヤフーオーサーとして活動。2020年5月にヤフーニュース個人の記事を顕彰するMVAを受賞。マンガ大賞選考員。不定期でラジオ出演も。

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