「パルワールド」のポケットペアを任天堂が提訴 ポイントは「特許権」 #専門家のまとめ
今年1月に発売され、人気ゲーム「ポケットモンスター」と似ていると指摘のあったゲーム「パルワールド」。同作を手掛けたゲーム会社・ポケットペアに対して、任天堂は特許権の侵害訴訟を東京地方裁判所に提起したと発表しました。現時点で分かることをまとめてみます。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
詳細は訴状が明らかになるのを待つとして、任天堂の今回の発表から分かるキーワードは「特許権」です。
「パルワールド」は今年の発売直後から「ポケットモンスター」に類似していると指摘されていたのですが、その時に言われたのはキャラクターがあまりにも似ている……つまり「著作権」の侵害でした。同時に、ゲームは表現が複雑かつ多彩であり、任天堂もかつて訴訟で「著作権侵害」を勝ち取れなかった経緯もあり、訴えても著作権侵害を立証するのは、難しいのでは?……という見方がありました。
ですが今回のように「特許権の侵害」となると、話が変わってきます。任天堂は昔からの積み重ねもあり、ゲーム開発に関する強力な特許権を多く所持しています。要するに任天堂は、最も勝算のある方法で勝負をしてきた……というのが第一の実感です。
「パルワールド」の問題が明らかになってからすぐ、株式会社ポケモンが、同作への警告と取れるプレスリリースを出していました。今回の訴訟までに時間があったように、水面下で交渉したのでしょう。またポケットペアがソニー・ミュージックとの提携を発表し、「パルワールド」をゲーム以外に展開する動きを見せたことも、影響しているかもしれません。
今後は、任天堂が主張する特許権侵害の具体的な内容、賠償額が注目を集めそうです。