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「パルワールド」のポケットペアを任天堂が提訴 ポイントは「特許権」 #専門家のまとめ

河村鳴紘サブカル専門ライター
ゲーム「Palworld」(c)Pocketpair, Inc.

 今年1月に発売され、人気ゲーム「ポケットモンスター」と似ていると指摘のあったゲーム「パルワールド」。同作を手掛けたゲーム会社・ポケットペアに対して、任天堂は特許権の侵害訴訟を東京地方裁判所に提起したと発表しました。現時点で分かることをまとめてみます。

ココがポイント

パルワールドは一部のゲーム内の要素やキャラクターデザインについて、賛否両論(中略)批判の多くはキャラクターデザインに関するもの
出典:ITmedia ビジネスオンライン 2024/1/29(月)

ゲームでは、表現が多彩な分、類似性の立証は、相当難しいというのがこれまで経験、取材した限りの実感です。
出典:Yahoo!ニュース エキスパート 河村鳴紘 2024/1/26(金)

任天堂のように技術開発の長い歴史があり、かつ、知財に力を入れてきた企業の特許資産には信じられないほど強力なものが
出典:Yahoo!ニュース エキスパート 栗原潔 2021/8/12(木)

共同出資会社として「パルワールドエンタテインメント」を立ち上げる。ソニー・ミュージック傘下の(中略)アニプレックスも参画
出典:日本経済新聞 2024/7/10(水)

エキスパートの補足・見解

 詳細は訴状が明らかになるのを待つとして、任天堂の今回の発表から分かるキーワードは「特許権」です。

 「パルワールド」は今年の発売直後から「ポケットモンスター」に類似していると指摘されていたのですが、その時に言われたのはキャラクターがあまりにも似ている……つまり「著作権」の侵害でした。同時に、ゲームは表現が複雑かつ多彩であり、任天堂もかつて訴訟で「著作権侵害」を勝ち取れなかった経緯もあり、訴えても著作権侵害を立証するのは、難しいのでは?……という見方がありました。

 ですが今回のように「特許権の侵害」となると、話が変わってきます。任天堂は昔からの積み重ねもあり、ゲーム開発に関する強力な特許権を多く所持しています。要するに任天堂は、最も勝算のある方法で勝負をしてきた……というのが第一の実感です。

 「パルワールド」の問題が明らかになってからすぐ、株式会社ポケモンが、同作への警告と取れるプレスリリースを出していました。今回の訴訟までに時間があったように、水面下で交渉したのでしょう。またポケットペアがソニー・ミュージックとの提携を発表し、「パルワールド」をゲーム以外に展開する動きを見せたことも、影響しているかもしれません。

 今後は、任天堂が主張する特許権侵害の具体的な内容、賠償額が注目を集めそうです。

サブカル専門ライター

ゲームやアニメ、マンガなどのサブカルを中心に約20年メディアで取材。兜倶楽部の決算会見に出席し、各イベントにも足を運び、クリエーターや経営者へのインタビューをこなしつつ、中古ゲーム訴訟や残虐ゲーム問題、果ては企業倒産なども……。2019年6月からフリー、ヤフーオーサーとして活動。2020年5月にヤフーニュース個人の記事を顕彰するMVAを受賞。マンガ大賞選考員。不定期でラジオ出演も。

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