朝ドラ「おむすび」感動の逆プロポーズも、支持する声、しない声、何が評価を分けたのか #専門家のまとめ
朝ドラこと連続テレビ小説「おむすび」(NHK)の24年の最後の回は主人公・結(橋本環奈)が彼氏の翔也(佐野勇斗)に逆プロポーズ。従来なら視聴者が一斉に祝福しそうな展開だが、これまでの朝ドラファンからはSNSを通して戸惑いの反応が見られる。なぜか。「おむすび」は平成ギャルと栄養士が題材。栄養士は「食」がテーマで普遍的だがギャルは好き嫌いが分かれるどころか関心の有無が極端で、興味のない人にはまったく響かず、みんなでわいわい話題にしづらいのである。各媒体、どんな切り口で記事化しているのか見ていくとーー
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
SNSでの好意的な意見を拾う記事があれば、物足りない点を徹底的に突いていく記事も。不満がある層は、物語の展開や登場人物の言動が常識的ではなく許容できないという言い分である。それもわかる。だが、それこそが『おむすび』の狙いであり、『「どうすればいいかわからない」という苦悩』と指摘されるものを、ドラマはあえて描いているのではないだろうか。
朝ドラは、主人公がしかるべき職について成功するものが好まれる。成功するために必要な努力や考え方にうんうんとうなづきたいし、仕事のみならず、結婚についても、ゴールへの道筋が最適なものを、ストレスなく見たいのだ。だが『おむすび』は迷いを描いているため、なんでそうなるの?といらいらしてしまう。
でも、橋本環奈さんがインタビューで語るように「若い時の恋愛」というものを思い出すと、最適解ばかりではなかったはず。若気の至りというように、なんであんなことを言ったりやったりしちゃったのかという経験は誰もがあるはず。人は、それを乗り越えて正解や良識を手にするわけで。2025年は、ああでもないこうでもないと試行錯誤する青い時間をおおらかに見る余裕が誰もに生まれることを祈りたい。