ソニーがKADOKAWAの筆頭株主に 買収でなく資本業務提携 今後は #専門家のまとめ
ソニーグループは19日、KADOKAWAと資本業務提携を締結すると発表しました。ソニーが約500億円でKADOKAWAの新株を取得し、2021年に取得済みのものと合わせて約10%を保有、実質的に筆頭株主になります。発表について考えてみます。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
ロイターの初報では、ソニーがKADOKAWAの買収へ協議……でした。結果は資本業務提携で、当初の衝撃を考えると薄れますが、妥当なところに着地したといえます。初報後に考察記事がいくつも出ましたが、両社の課題・不足部分を埋め合うなどと概ね評価されていました。
ただしコンテンツの制作スタイルで、両社のスタンスに違いがあります。ソニーは世界でビジネスを展開することから、地域的なタブー、表現の潮流に対して敏感です。一方でKADOKAWAは出版社らしく、作家性を重んじる分先鋭的になるため、コンテンツ次第で海外展開に不向きなものも出るわけです。
こうしたKADOKAWAの自由度、長所を生かすには、今回のような資本業務提携が妥当でしょう。ソニーはKADOKAWAのコンテンツを囲い込めますし、KADOKAWAもソニー側から後押しを受けやすく、大株主としても期待できます。
現時点は、両社ともメリットが圧倒的に見えますが、企業規模の差は歴然としている分、ソニーの方針が変更になったときはどうなるか。今後ですが、ソニーのやり方と違うKADOKAWAの手法に、ソニーが理解を示し続けられるのかが問われそうです。