ゲーム音楽配信サービス「Nintendo Music」 今後に与える影響は #専門家のまとめ
任天堂が31日、スマートフォン向けのゲーム音楽配信サービス「Nintendo Music(ニンテンドーミュージック)」の配信を始めました。同サービスの狙いや見通しについて考えてみます。
ココがポイント
Nintendo Music 紹介映像
エキスパートの補足・見解
テレビゲームを彩るゲーム音楽は、シンプルなメロディーゆえか、特に誕生の初期は評価されづらい一面がありました。しかし今は、本格的な演奏会を開催するのも普通になりました。ゲーム音楽が東京五輪で使用され、グラミー賞がゲーム音楽部門を設ける時代になったのです。
一方でゲーム音楽が、コンテンツビジネスとして十分に活用されてきたかと言えば、ノーでしょう。2030年には現在の2~3倍になるという調査会社の予測もあります。となればゲーム音楽をより積極的に活用するのは、当然の戦略です。
ただし「Nintendo Music」の狙いは、収益を増やすよりも、ユーザー囲い込みの一環と見るべきでしょう。具体的には、コンテンツと利用者の接触点を増やしつつ忠誠心を高め、任天堂の有料ネットワークサービス「Nintendo Switch Online」の会員増を促すツールです。そして有料サービスの安定収益は、ヒットに左右されがちなゲーム会社にとってありがたいのです。
なお、昨年にソニーグループのソニー・ミュージックレーベルズが、ゲーム音楽に目を付けたプロジェクト「SACRA GAME MUSIC」をスタートさせています。ソニーと任天堂が動けば、コンテンツ業界の今後に影響がないはずはありません。ゲーム会社は、コンテンツ市場で優位に戦うため、よりゲーム音楽を活用する動きを見せるのではないでしょうか。