【話題沸騰!】大人気店「三浦家」が家系ラーメンを捨て大胆転身! 波紋広がる「もう何系でもない」宣言
心機一転!!
これから三浦家は家系と名乗る事をやめます! もう何系でもないです。
ジャンルにとらわれず単純に美味い鶏豚骨を追求していく
《ラーメン三浦家》を確立します
(ラーメン 三浦家(公式)Twitter 4月17日の投稿より)
JR常磐線・金町駅南口を降りると、「ラーメン 三浦家」の前には連日大行列ができている。
2021年8月にオープンして以降、「ラーメンデータベース」豚骨醤油部門人気ランキングでは全国1位獲得、業界最高権威ともいわれる「TRYラーメン大賞」では新人賞とんこつ部門2位を獲得した人気店だ。
1997年創業の横浜家系ラーメンの人気店「武蔵家」の総大将を務める三浦慶太さんが、「家系ラーメンの本気を見せる」と地元である葛飾区金町に自分の店を開いた。暖簾分け店が約90店舗もある「武蔵家」の旗艦店として、三浦さんのこだわりが溢れる名店として成長してきたお店だ。
そんな「三浦家」が横浜家系ラーメンを“卒業”したという。早速リニューアルしたラーメンを食べに、三浦さんのもとを訪れた。
夜営業をやめ、昼のみの営業に
まず営業時間を昼のみに絞った。営業時間は月~土の11:00~15:00で、夜営業はなしで日曜定休となる。
短時間営業にすることで、仕込みに十分時間をかけられるようになり、全てにこだわれるスタイルになった。
基本的な味の方向性はそのままに仕込みのクオリティを格段に上げている。
煮込んだダシとフレッシュなダシを1つの寸胴で
まずはスープ。
今までより鶏の量を増やし、肉カス、骨カスを徹底的に取り除くことで雑味を減らしている。濃厚なのに豚と鶏の旨味がストレートに伝わり、且つクリアな味わいになっている。
「咀嚼後に重くならないスープを目指しています。
寸胴の下半分に入っているゲンコツなどの骨は煮込み続け、その上に積んだ背ガラとコミガラのトンボ(肩ロースのガラ)は頻繁に入れ替えるようにして、煮込みとフレッシュな肉出汁を1つの寸胴で作っています」(三浦さん)
香味野菜を揚げてから煮込むこだわりの鶏油
今までは香味野菜を揚げて作っていた鶏油だが、これもさらにこだわった。
まず少量の鶏油で香味野菜を揚げ、その後、揚げた香味野菜を鶏油と一緒に煮出す製法にした。
いい感じに揚がった鶏油と香味野菜を新しい鶏油と一緒に煮出すことで、フレッシュな鶏油のバター感と香ばしさが合わさり、スープにコクを与える。
燻製のコマ切れチャーシューが味変のポイント
「上ラーメン」「特上ラーメン」にはコマ切れチャーシューがトッピングされる。これがポイントだ。
今まではすべてのチャーシューが燻製だったが、今回のリニューアルからはコマ切れチャーシューのみが燻製となる。これが味変となるのだ。
最初にスープを飲んだ時には燻製の香りはしないが、コマ切れチャーシューをスープに混ぜていくと薫香が効いてきて旨い。徐々にスープの表情が変わっていくのが面白い。
通常のチャーシューは肩ロースとももの2種類作っている。一度表面を強火で炊いた後に一旦取り出して、芯温63度で6時間煮込んで作っている。「ラーメン」には肩ロースのみ、「上ラーメン」は1枚ずつ、「特上ラーメン」には2枚ずつ乗る。
ほうれん草や味玉もリニューアル
ほうれん草は冷凍を使うのをやめ、完全に生のみにした。小松菜と混ぜて、食感にアクセントが出るように工夫している。
味玉はより柔らかくするために、茹でる時間を短くし、24時間以上漬けて黄身まで味が入るようにしている。提供の直前まで保温機で人肌程度に温めているので、より柔らかさが際立つようになった。
実に落ち着いた極上の大人な味わい
「武蔵家」を象徴するようなやんちゃな味わいだった「三浦家」のラーメンが、実に落ち着いた大人な味わいになった。極めて質が高く、極上の旨味と香りが丼から広がる。
ここで、三浦さんが旨さを追求する時に制約となっていたのが、暗黙のうちに何となくできあがっていた「横浜家系ラーメン」の“定義”だった。
「家系ラーメンには、これはやってはダメとかこの具材は違うとか、定義のようなものがあります。
美味しさを追求する中で、家系ラーメンから離れれば離れるほど、本来のラーメンとしての評価ではなく、『家系ラーメンかどうか』という見方が出てきてしまう。
そうではなく、カテゴリーにとらわれずに自分が本気で作ったラーメンを真っ直ぐに食べてもらいたいと思いました。それで、『三浦家は家系ラーメンをやめます』という宣言をしました」(三浦さん)
あくまで旨さを追求するために、「横浜家系ラーメン」のカテゴリーを外して勝負する。「武蔵家」の総大将として、「武蔵家」の美味しさの幅を広げていくための大きな挑戦だ。
ラーメン 三浦家
東京都葛飾区金町6-5-1
※写真はすべて筆者による撮影
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