「家系ラーメン箕輪家」が中野でグランドオープン！幻冬舎・箕輪厚介が語る「箕輪家」の真のこだわり

ラーメンライター／ミュージシャン

2022/12/1(木) 7:31

「いってらっしゃい！」「うまいのその先へ！」

2022年11月28日、東京都中野区に「家系ラーメン箕輪家」がグランドオープンした。

「箕輪家」は幻冬舎の書籍編集者でインフルエンサーの箕輪厚介さんがオーナーを務める横浜家系ラーメンのお店だ。

昨年11月に箕輪氏がツイッターで

「家系ラーメン箕輪家やります。みんなの好きな家系ラーメン教えて！」（箕輪厚介 @minowanowaより）

と発信。今まで奇想天外な企画をたくさん仕掛けて成功をおさめてきた箕輪氏がどんな家系ラーメン店を作るのか注目が集まっていた。

博多ラーメン店で修業

筆者が「箕輪家」の取材を本格化したのは今年4月のこと。高田馬場にある「博多ラーメンでぶちゃん」の店主・甲斐康太氏からもらったメッセージがきっかけだった。

「箕輪家の店長がうちに修行に入ります」

「博多ラーメンでぶちゃん」は都内で有名な本格的な博多ラーメンを提供するお店。家系ラーメンを提供するはずの「箕輪家」の店長が博多ラーメン店で修業するというのはどういうことなのか？かなり気になってきた。

オーナーの箕輪氏はそもそもまずなぜ「箕輪家」を作ることにしたのか？

「シンプルに家系ラーメンが好きだからです。昔、仕事がとても忙しく、お金もあまりなかった頃、人生唯一の楽しみが、大井町の『おふろの王様』に行ってサウナに入り、帰りに『武蔵家』で家系ラーメンを食べることだったんです」（箕輪氏）

「箕輪家」の店長に就任した丸山紘平氏は元自衛隊員。箕輪氏の講演を聞いて感動し、自分を変えようとオンラインサロン（箕輪編集室）に入り、カバン持ちから始まり、最終的に「箕輪家」の店長に就任した。

丸山氏は今までにあった家系ラーメン店とは全く違う方向で店の立ち上げや味づくりを目指した。もともと伝統やしっかりした修業を重んじる従来の家系ラーメン店とも違うし、ここ数年増えてきた“資本系”といわれるセントラルキッチンでスープを仕込むチェーン店の動きとも違う。

「でぶちゃん」では豚骨の扱いやスープの炊き方から始まり、店づくりや売上や経費面などさまざまなことを学んだ。家系ラーメン店ではなくあえて博多ラーメンのお店で修業したことにより、型にはまらない豚骨スープの炊き方を学んだ。

「いちばんのこだわりはスープを直炊きにすることです。あり物のスープを使った方が効率がいいし、コスパもいいし楽なんですが、直炊きにこだわって永遠に美味しさを追求したいと思っています」（箕輪氏）

箕輪氏が家系ラーメン好きだったからこそなのか、妥協一切なしの本格的な家系ラーメン店を目指すことになった。この動きを見ていて、筆者は意外に思っていた。

いつも新しいことを仕掛ける箕輪氏であれば、店で本格的にスープを炊く家系ラーメン店は作らないだろうと思っていたからだ。

しかし、「箕輪家」のポイントはそこではなかった。ラーメン作りとは全く違う、ファン作りやオープンまでの話題作りという部分で他店とは全く違う動きを見せていったのだ。

クラウドファンディングをはじめ、「下北線路街空き地」での催事、「王道家」での勉強会、「あさが家」での勉強会、「中華好好」とのコラボ、「沙羅善」とのコラボ、ラーメンNFT、「大つけ麺博」出店など、さまざまなことにトライし、中野店のオープンまでにファン作り、話題づくりに邁進してきた。

肝心のラーメンは、非常にオールドスタイルな家系ラーメンにまとまっている。今流行の濃厚系や醤油の強い家系ラーメンとは違うが、昔からの家系ファンとしてはこれはこれで嬉しくなる。いろんな人のアドバイスが詰まった結果の一杯だろうし、もともと箕輪さんの原点である昔の家系ラーメンの良さも滲み出ている。

卓上に「王道家」の無限ニンニクと刻みショウガが置いてあることも驚きだ。いわゆる家系ラーメンのインスパイア店でこんなお店が今まであっただろうか。

「まずは中野店を本当に愛される店にすることからですね。

ラーメンの価値はめちゃめちゃ高いと思うので、メイドインジャパンとして世界にもっと認識されていいと思っています」（箕輪氏）

「箕輪家」は新たなラーメン屋のあり方として、今後注目されていくだろう。

家系ラーメン箕輪家中野旗艦店

東京都中野区中野5丁目53-2 1階

※写真はすべて筆者による撮影