“横浜家系ラーメン”のトレンドをもキャッチする「はま寿司」! 開発担当者のラーメン愛に迫る!
回転寿司に行って、寿司だけを食べて帰る人はどれぐらいいるだろうか?
寿司だけでなく、各社が力を入れているのがサイドメニューだ。汁物や茶わん蒸しなどおなじみのメニューをはじめ、今は有名チェーンならどこでも置いているのが「ラーメン」だ。
寿司にラーメン?とはじめは違和感を持ったものだが、今や当たり前の光景になっている。
その中でも筆者が7年ほど追いかけ続けているのが「はま寿司」のラーメンだ。
2015年に2ヶ月で100万食を売り上げた「贅沢一杯 コク旨煮干しラーメン」のあまりのクオリティに衝撃を受け、開発者を取材させていただき、専門店顔負けのラーメンへの向き合い方にいたく感動したものだ。
「はま寿司」のラーメンは期間限定で時期によって入れ替わっていくが、10月まで発売されていた「横浜家系ラーメン」を食べて、また衝撃を受けた。
「横浜家系ラーメン」は「はま寿司」の数あるラーメンの中でも史上最高杯数を叩き出したメニューだ。
「はま寿司」に限らず、チェーン店で家系ラーメンを提供しているところは決まって濃厚系だった。
豚骨のスープが濃厚で、クリーミーで油もたっぷりのイメージ。その方がインパクトも残るし、食べた感が強いからだ。濃いスープはご飯にも合い、お腹いっぱい食べられる。
しかし、「はま寿司」の家系ラーメンは濃厚系に振っておらず、“醤油先行型”だったのだ。豚骨の濃厚さではなく、醤油の旨味を際立たせた一杯だったのである。
元祖「吉村家」から続く直系店や老舗へのリスペクトをも感じるような、押しつけがましくない家系ラーメンだったのだ。それに本当に驚き、開発者の家系ラーメン愛を感じたのである。
「今年の横浜家系ラーメンは炊き出しの国産豚骨と鶏油を使用し、再仕込み醤油や白醤油の配合を何度も試し、もちろんのことながら寿司との相性も考えながら作りあげました。
昨年よりもベースの豚骨、鶏ガラを多く使用し、カエシの素となる醤油の種類を増やした事で、豚と鶏の濃厚感と、醤油による複雑な旨味を感じられるように仕立てました」(はま寿司・開発担当者)
筆者は醤油先行型に感じたが、豚骨や鶏ガラの量も増やしているという。スープの厚みもパワーアップしながら、あくまで醤油感を主役にバランスを取っているようだ。
このラーメンは分かる人が食べれば、付け焼き刃なものではなく、本当の家系ラーメン好きが作ったものだということがすぐ分かる。チェーン店なのに顔が見えるラーメンが提供されているところが凄い。なかなか他でこういうパターンには出会ったことがない。
「横浜家系ラーメンはお客様にも大変好評いただいておりますし、私自身も大好きなラーメンTOP5に入りますので近年毎年登場させていただいています。来年は今年よりも繁盛店に足を運び、更に完成度を高めたいと思います」(はま寿司・開発担当者)
家系ラーメンのトレンドも毎年変わってきていて、確かに今は濃厚系が全盛ではない。毎年食べ歩きを続けながら、トレンドをしっかりキャッチして開発に生かしているのである。
「はま寿司」の横浜家系ラーメンは今年は終了してしまったが、現在は「北海道濃厚味噌ラーメン」が提供されている。
赤味噌と白味噌を2種類ずつ組み合わせたコクと濃厚さが特徴のラーメン。
タマネギ・ごま・ニンニクなどの香味が効いた味わい深い一杯となっている。
進化し続ける「はま寿司」のラーメン。これからもぜひ注目していただきたい。