寅年の年男・上本博紀監督とちびっこ虎戦士たち 寅年の締めは阪神タイガースジュニアの日本一や!!
■阪神タイガースジュニア2022、大会前最後の練習
いよいよ待ちに待った「NPB12球団ジュニアトーナメント」が明日12月27日、開幕する。阪神タイガースジュニアは東上直前の12月24日、最後の練習を行った。
バッティング、守備をみっちりと、そして昨年優勝したボール回しの練習も繰り返し、ラストは紅白戦で仕上げた。
お昼休憩時にはジュニアたちから首脳陣とスタッフへ、感謝の気持ちを記した色紙とアルバムをプレゼントした。目尻を下げた上本博紀監督、岩本輝コーチ、白仁田寛和マネージャーらは何度も「嬉しいわ。めっちゃ嬉しい」と大喜びだった。
そしてすべての練習が終わったあと、今度は上本監督と岩本コーチからジュニアたちへお守りが贈られた。タイガースがシーズン前に必勝祈願に訪れる廣田神社の「勝運守」だ。
即、リュックに着けたジュニアたちは、誇らしげにそれを見せてくれた。
■上本博紀監督
では、大会前の声を届けよう。まずは上本監督だ。
結成してここまで、すべての面で成長を感じる。とくに、ずっと言ってきたのは『自分らでやれ』ということ。最初は気を遣って、こちらの言うことをきかなきゃいけないという感じだったと思うけど、本当に自分らでやっていいんだなってわかってきたから、今はどんどん自分らでやっている。
それが正解とか間違いとかないからとも言っているので、自分たちで考えてやれるようになった。結局、自分で考えるということが一番いいから。
最初、今年のチームはおとなしいと言ったが、それは何か言ってもらうのを待っていたからで、ギャーギャー騒ぐことに対してのシーンとしているという“おとなしい”という意味ではなくて、気を遣っていたからということ。それが、ある程度解けてきたから、そうではなくなった。つまり、変に気を遣うのではなく、自分たちで考えられるようになったということ。
元々考えられる子たちだったんだろうけど、自分らで考えてやれるように僕らもその環境を作ってきたし、それに対して子どもたちが応えてくれた。そこがすごく成長したところ。
大会では緊張すると思うけど、それも経験なんで。今までととくに変わらずやってほしい。今まで(の練習試合)も全部、本番のつもりでやってきたから、僕らも。
僕自身も緊張は…うーん…まぁ、するんじゃないかと思います。
最初に言ったように、家族や応援してくれる人に優勝をプレゼントしようと、もちろんその気持ちをもってやりたい。
■岩本輝コーチ
続いて岩本輝コーチだ。
投手陣、いいっすよ。戦える準備が整った。
バットが変わるけど、基本は一緒かなって感じ。みんなも最初は「飛ばんから飛ばそう」みたいなのがあったけど、バットに慣れてきてだんだん点も取れるようになってきた。それは、よそも同じ。なので、そのへんは去年とそう変わらないのかも。四球やエラーが絡むと大量点になるし、きつくなる。でも大量失点は考えづらいかな。
連打も3連打、4連打はないやろうし、四球やエラーを防げれば、最少失点でいけるかなっていう感じ。
ウチの投手陣は一人一人個性があって、タイプの違ういろんなピッチャーが揃っているんで、いいところを出せればいけると思う。そのためには、怖れず思いきって投げてほしい。
いいピッチャーだと思うから出しているわけなんで、悪いと思っていたらピッチャーをやらせていない。だから、本当に自信をもってマウンドに上がってほしい。打たれたからって気にしなくていい。誰も責めない。
いいと思って出しているんだということを忘れないで。ビハインドになったりとか、不利なカウント、ピンチの場面はあると思うけど、そこは自信をもって、そういうときこそ力を出しきって頑張ってほしい。
大会では勝つ!勝って勝って勝つ!4連勝!!
■4か月で大きく成長した選手とチーム
最初はよそよそしかった16人のメンバーたち。練習や練習試合を重ね、遠征も経験して、だんだんと距離が近づいた。しかし、そうなると今度は馴れ合いも出てきて、練習試合で悔しい惨敗も喫した。それは、ともすれば覇気がないようにも映った。
そういう、ここぞというときに上本監督は雷を落とし、選手たちに勝負に臨む心構えを今一度考えさせ、チームを引き締めた。ときに、獅子がわが子を千尋の谷に突き落とすかの如く、厳しい課題を与えたこともあった。
しかしジュニアたちはそれぞれが自ら考え、仲間と相談し、問題を一つ一つ解消してきた。逆境や試練を乗り越える度にその絆は強くなり、個々はもちろん、チームとしても大きく成長してきた。
また、自チームでそう躾けられているのか打席で1球ずつベンチを振り返る選手も多かったが、上本監督は「こっち見なくていいから!好きに打っていいから!」と檄を飛ばし、自ら打開できるよう背中を押した。
こんなにも強い絆で結ばれたチームが強くないわけがない。何をすべきか考え、行動できる選手たちが負けるわけがない。
そんな全身全霊で挑むちびっこ虎戦士たちの声も届けよう。
■ちびっこ虎戦士たちの声
(3つの問い―①ジュニアでのここまでで一番の思い出、②ジュニアに入って自分自身で成長したと思えるところ、③大会に向けての意気込み―への返答)
#00 新開柚葉(しんがい ゆずは)
①ピッチングかな。やっぱり三振が取れたときが思い出に残っています。
②声が出せるようになりました。人見知りがちょっとなくなったからだと思います。
③日本一を獲りたい!三振をいっぱい獲って、日本一になる!
#1 和田海敬(わだ うきょう)
①甲子園球場で練習したことです。甲子園は後ろが広くて緊張しました。見渡したら、テレビで見るような看板がありました(笑)。
②守備の送球がよくなりました。セカンドは近いんですけど、逸れないように正確に、そして強い球を投げるように意識してやっています。
③自分ができることを出しきります!
#2 駒勇佑(こま ゆうすけ)
①甲子園で初めて野球ができて、また高校生になったら帰ってきたいと思いました。
甲子園球場は、土が思っていたより硬くて、外野の芝はすごくよかったし、甲子園でできたことが本当に嬉しかったです。
②6年生になってからレガシーっていうバットで長打ばっかり打ってたけど、ジュニアは金属か木製じゃないとダメで、木製でも遠くに飛ばせるようになったし、安打も増えました。
③寅年で、監督に初めての優勝をプレゼントしたいです。ブラボー!!
#3 高崎辰毅(たかさき たつき)
①甲子園球場で練習できたことですね。
グラウンドは普通に地元と一緒やのに広く感じて、人(スタンドの観客)もいたから、けっこうテンションが上がりました。
②ファーストを守っていて、守備の一歩目が早くなりました。
③近所の人が応援に来てくれるし、近所の子が誕生日なのでホームランを打ちます!そして、チームとしてはやっぱり初優勝!!
#5 池本大地(いけもと だいち)
①甲子園球場でみんなと野球ができたことです。
すごく広かったし、すごすぎて鳥肌立ちました。鳥肌が立ったことなんて、初めてです。
②守備の動きや状況判断、連携プレーとかが成長したと思います。
シートノックとかで難しい状況でも頑張ってやってきたから、しっかり覚えてこれたんだと思います。
③タイガースジュニアが優勝できるように、守備やったら全部捕りたいし、バッティングやったらチャンスのときに還せるようなバッティングをして、チームに貢献したいです。
#6 中谷英太郎(なかたに えいたろう)
①オリックス戦でのホームランです。(12月10日)
最初、レフトフライかなと思ったら意外に伸びてホームランになったので、とても嬉しかったです。
②野球への姿勢や考え方、すべてにおいて成長したと思います。
たとえば守備練習とかも前よりたくさんしたり、バッティング練習もいろんなことを考えてするようになりました。
③監督、コーチに教えてもらったことを活かして、守備でもバッティングでも活躍したいし、初優勝したいです。
#10 岩田瑠花(いわた るか)
①甲子園の練習です。いつもの球場より広くてよかったです。初めてグラウンドの中に入ったけど、土がサラサラでした。
②キャッチャーからピッチャーへの声かけとか、キャッチャー送球とかです。
ピッチャーを盛り上げることを意識してやってきました。
③絶対に優勝します!
自分自身はベンチやったとしても、チームにできることを精一杯やりたいと思います。
#11 亀岡壮佑(かめおか そうすけ)
①試合前の声出しです。円陣での声出し。(井澤)佑馬が「デスターシャ」をやろうって提案して、めっちゃいい感じにハモッたのが一番印象に残ってます。
②バッティングです。最初のほうは全然打てなくて、監督に指導してもらったりして、打てるようになったこと。
毎打席、ネクストから打席に行くまでに、一回整理してから打ちにいくというのを意識しています。
③足でかき回したり、相手が困ることをいっぱいして、優勝します!
#17 新野旬(しんの しゅん)
①試合前のサイドノックです。エラーしたら罰ゲームがあるんで、エラーしないという気持ちというか、それがワクワクして楽しかったです。
1回エラーしたことあったんですけど、そのときは時間の都合で罰ゲームはなくなりました(笑)。罰ゲームは、岩本コーチとかみんなで決めています。
②自チームでは自分が当たり前のように試合に出てたんですけど、タイガースに入ってケガして出られないときもあって、ベンチにいる仲間の悔しさとかがわかるようになりました。
③ソフトバンクと練習試合をしたとき(11月12日)は、僕らが本気を出せてなくて負けたんやと思うので、大会ではソフトバンクを倒して優勝目指します。
#18 原田侑季(はらだ ゆうき)
①いっぱいありますけど、甲子園で練習ができたことです。
グラウンド内に入れたことが嬉しかったし、すごくいいグラウンドだと思いました。きれいな黒土でした。
②ケガしてしまったけど、試合に出られないときもバット引きとかチームのことを考えて行動できたことです。誰かに言われたとかじゃなく、自分で考えてやりました。
③初優勝です。試合に出ても出られなくても、チームに貢献できるように頑張りたいです!
#20 浅居煌星(あさい こうせい)
①甲子園球場で野球ができたことです。広かったですし、観客も少しいたのでテンションが上がりました。
高校で絶対に甲子園に行きます!
②守備の声かけやフライの声かけなどを学びました。
③阪神は去年、1回戦で負けたので、今年は勝ち上がって優勝したいと思います。
僕自身はピッチャーで三振取りたいです。
#21 殿垣内大祐(とのがいと だいすけ)☆副キャプテン
①甲子園球場でプレーしたことです。グラウンドがとてもきれいでした。
とくに黒土と芝の境目がきれいで、全然イレギュラーしなくて守りやすかったです。
②今まで外野を全然やってなかったんですけど、ジュニアでやってうまくなったことです。
芝生だったらゴロでも伸びてくるので、横の打球とか素早く捕りにいくことを意識して守っています。
③バッティングでもピッチングでもチームに貢献して、初の日本一です!
#51 石田修(いしだ しゅう)
①甲子園球場でシートノックができたことが思い出に残ってます。
小学生が使ってる芝生よりも全然よかったですし、周り(スタンド)に人がいて緊張しました。
②バッティングが成長できました。これまではホームランを打とうと思っていたけど、タイガースジュニアに入ってからはミート中心に打つようになりました。
③練習の成果を活かして、初優勝したいです!
#55 小松蓮(こまつ れん)☆キャプテン
①甲子園で練習をしたこと。なかなかできない球場でできたことがよかったです。
めちゃめちゃ広かったです!
②ピッチャーとかへの声かけが成長したかなと思います。
今までそんなにできていなかったけど、ピンチのときに間を取ったりとか、自分から声をかけられるようになりました。
③チャンスでしっかり打って、勝って優勝できるように頑張ります!
#56 高橋琳来(たかはし りく)
①甲子園で練習できたことです。甲子園球場は憧れの球場だから。
観客がちょっといたので緊張したけど、バッティングのときにランニングホームランが打てたので嬉しかったです。
②自分の球に自信を持てるようになったことです。
元々は高いレベルのところで野球をしたいと思っていて、そのレベルの高いチームで高いレベルの相手と対戦したときに打たれなかったので、自信をもてるようになりました。
③声で貢献します!目指すのは優勝です!!
#99 井澤佑馬(いざわ ゆうま)☆副キャプテン
①三重遠征の2日目(10月30日)、タイブレークで(池本)大地がサヨナラ打を打ったときにみんなで喜んだことです。そこでチームが一つになれたと思います。
②自分から練習しようと思って、頑張れるようになったことです。
最近、自チームを卒団して夜練がなくなったから、自分でしようと思ってできるようになりました。ランニングとティーバッティングとかをしています。
③最初に言った目標と変わらず、日本一になって上本監督を胴上げすることです。(インタビューでの“胴上げ宣言”は3度目)
■寅年の締めは阪神タイガースジュニアの日本一だ!
自分を信じ、仲間を信じ、監督やコーチを信じて挑む「NPB12球団ジュニアトーナメント」。
タイガースジュニアの初戦の相手は福岡ソフトバンクホークスジュニア。横浜スタジアムにて13時35分から(時間は予定)だ。予選トーナメントを2勝すれば決勝トーナメントの準決勝に進む。(詳細⇒NPB公式サイト)
年男である上本監督ほか、選手も16人中15人が寅年、そして保護者の中にも寅年生まれが数人いる。寅年の2022年、最後に日本一で締めるのはもちろん、阪神タイガースジュニアのちびっこ虎戦士たちだ。
(表記のない写真の提供は阪神タイガースジュニア保護者)