2022年のちびっこトラ戦士16名が決定!「阪神タイガースジュニア2022」は寅年に初優勝を誓う
■NPB12球団ジュニアトーナメント
野球界において、すっかり“年末の風物詩”になった感のある「NPB12球団ジュニアトーナメント」。プロ野球12球団がそれぞれ選りすぐった16人の精鋭たち(小学5、6年生)でジュニアチームを結成し、トーナメントで日本一を目指してしのぎを削る。
2005年にスタートし、18回目となる今年は、12月27日から29日までの3日間、明治神宮野球場と横浜スタジアムを舞台に繰り広げられる。
現役プロ野球選手の中にも、ジュニア経験者がどんどん増えており、年々認知度も高まっているが、阪神タイガースの選手にもジュニア経験者がいる。
高山俊選手は千葉ロッテマリーンズジュニア、浜地真澄投手は福岡ソフトバンクホークスジュニア、豊田寛選手は横浜DeNAベイスターズジュニア、及川雅貴投手は千葉ロッテマリーンズジュニアのメンバーだった。
そして阪神タイガースジュニアから唯一、プロのタテジマ戦士となったのが佐藤輝明選手である。
また、安田尚徳選手(千葉ロッテマリーンズ)、林晃汰選手(広島東洋カープ)ら、他球団で活躍しているタイガースジュニアのメンバーもいる。
(*ジュニア経験のある、おもなプロ野球選手は後述)
さて、今年はどんなメンバーがそろったのか。先のセレクションで約300名から選ばれた16人のちびっこトラ戦士たちを紹介しよう。
以下の質問に答えてもらった。
1.タイガースジュニアに応募した動機
2.なぜこの背番号を選んだのか
3.ストロングポイント
4.憧れの選手とその理由
5.タイガースジュニアでの目標
#00 新開 柚葉(しんがい ゆずは)*国府少年野球クラブ
1.高いレベルで野球をしたかった
2.選べる背番号が00から99までなので始まりの数字だし、両親からも「初心を忘れないように」と教わっているから
3.球が速いところ(最速117キロ)
4.近本光司選手(阪神タイガース)
いっぱい打つところが好き
5.日本一になること
#1 和田 海敬(わだ うきょう)*津田ファイターズ
1.全国のみんなと戦いたかった
2.鳥谷選手が好きだから
3.コミュニケーション力
4.鳥谷敬選手(阪神タイガース―千葉ロッテマリーンズ)
守備も上手いし、バッティングもいいし、かっこいい
5.チームで優勝すること
#2 駒 勇佑(こま ゆうすけ)*木津スーパーレッズ
1.ほかの全国のみんなと仲よく野球がしたかった
2.このチームで正捕手の座を獲りたかったから
3.キャッチャーでは肩が強いのと、バッティングでは長打力がある
4.村上宗隆選手(東京ヤクルトスワローズ)
長打力もあってミートもうまいので好き
5.このチームで全国優勝をして、上本監督を胴上げしたい
#3 高崎 辰毅(たかさき たつき)*黒田庄少年野球団
1.自チームのコーチが教えてくれた
2.自チームの最初のレギュラー番号が3番だったから
3.ファーストの守備でショーバン(ショートバウンド)が捕れるところ
4.甲斐野央選手(福岡ソフトバンクホークス)
地元の選手で、球が速くて日本代表にも選ばれているから
5.大会でヒットをいっぱい打ちたい
#5 池本 大地(いけもと だいち)*神明スポーツ少年団
1.レベルの高いところで野球をしてみたかった
2.セクションのときにサードを守ったので、そのままサードのレギュラーになろうと思って5番にした(自チームではエースなので「1」を着けている)
3.ゴロをしっかりタイミングをとってさばける
4.2人いて、今宮健太選手(福岡ソフトバンクホークス)と山本由伸選手(オリックス・バファローズ)
今宮選手は飛び込んだりダッシュして捕るところがすごくかっこよくて、自分もそうなりたいと思うからで、山本選手は球も速いし変化球のキレもあって日本のすごいバッターでも打ててないから、いいピッチャーだなと思って憧れている
5.スタメンを勝ち取って、タイガースの優勝に貢献できるように頑張りたい
#6 中谷 英太郎(なかたに えいたろう)*香櫨園ファイターズ、タイガースアカデミー
1.レベルの高いところで野球をしたかった
2.ショートが好きだから
3.勝負強いバッティング
4.村上宗隆選手(東京ヤクルトスワローズ)
大事な場面でホームランを打つから
5.まずレギュラーを獲って、優勝したい
#10 岩田 瑠花(いわた るか)*新旭少年野球スポーツ少年団
1.去年、ジュニアの大会を見に行って、レベルが高いなと思って自分もそこでやりたかった
2.西武の森友哉さんが好だから
3.野手の間を抜くバッティングが得意なのと、守備で内野や外野を引っ張っていくところ
4.森友哉(埼玉西武ライオンズ)
バッティングもすごいし、キャッチャーとしてもすごいから
5.タイガースジュニアはまだ一回も優勝したことがないので、初優勝したい
#11 亀岡 壮佑(かめおか そうすけ)*中山少年野球団
1.上手い人たちのプレーを見ながら、自分も上手くなりたいと思った
2.大谷翔平選手が好きだから
3.足が速いところ
4.大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)
メジャーリーグでホームランをたくさん打って、ピッチングでも活躍しているので好き
5.足の速さをウリにして、チームに貢献できるように頑張る
#17 新野 旬(しんの しゅん)*物部少年野球団
1.上手い子が集まるところで自分の実力を試したかった
2.大谷選手が17番なんで
3.球速です!(最速115キロ)
4.柳田悠岐選手(福岡ソフトバンクホークス)
打力があって強肩なんで、ぜひ真似したいなと思っている
5.タイガースジュニアは優勝したことがないんで、今年こそ初優勝できるように頑張りたい
#18 原田 侑季(はらだ ゆうき)*里庄町少年野球クラブ
1.上のレベルで野球をしたかった
2.誕生日が10月18日だから
3.いっぱい打てるところ
4.イチロー選手(現 シアトル・マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)
バックホームとかがノーバン(ノーバウンド)で届いたり、かっこいいから
5.12球団で1位になりたい
#20 浅居 煌星(あさい こうせい)*豊郷スポーツ少年団
1.小学2年生で知って、お父さんと「目指そう」と言ってずっと夢にしてきた
2.森木大智選手が高校のときにやっていたトレーニングの動画を見て、やっているから
3.球が速いピッチャーなので、どんどん押していきたい(最速116キロ)
4.森木大智選手(阪神タイガース)
コントロールがよくて、投げっぷりもいいから
5.先発ピッチャーとして頑張りたい
#21 殿垣内 大祐(とのがいと だいすけ)*朝和イーグルス
1.将来、プロ野球選手になりたいという夢を持っているから
2.自分の所属チームが21人なので
3.キャッチャーでセカンドに投げるとき、捕ってから早いところ
4.梅野隆太郎選手(阪神タイガース)
キャッチングも上手いし、捕ってからも早い
5.12球団の中で日本一になりたい
#51 石田 修(いしだ しゅう)*多賀少年野球クラブ
1.ほかの県から上手い人が来るので、上手い人と一緒に野球をやりたかった
2.イチロー選手みたいに守備範囲が広くなるように
3.守備範囲が広いところ
4.柳田悠岐選手(福岡ソフトバンクホークス)
バッティングがすごい
5.タイガースジュニアはまだ優勝したことないので、このチームで優勝したい
#55 小松 蓮(こまつ れん)*金山野球スポーツ少年団
1.もっとレベルの高い人たちと野球をやりたかった
2.村上選手のようなバッティング(変化球でもしっかり対応して、まっすぐでもしっかり振り抜いてホームランが打てる)をしたいから
3.守備ではキャッチャーでも外野でもいろんなところができるところで、バッティングではライトにも強い打球が打てるところ
4.村上宗隆選手(東京ヤクルトスワローズ)
バッティングがすごいから
5.大会でまだ優勝していないので、自分が頑張って優勝したい
#56 高橋 琳来(たかはし りく)*丸亀城南軟式野球スポーツ少年団
1.高いレベルで野球がしたかった
2.漫画『メジャー』で主人公の茂野吾郎の背番号だから
3.速い球を投げられる(最速123キロ)
4.菊池涼介選手(広島東洋カープ)
守備の間がすごくよくて、どんな打球でも捕れるので憧れている
5.ピッチャーでチームに貢献して、12球団の大会で優勝すること
#99 井澤 佑馬(いざわ ゆうま)*多賀少年野球クラブ
1.みんなと高いレベルで野球がしたいと思った
2.5年生で最初に着けた背番号で色々な思い出があるということと、ニューヨークヤンキースのアーロン・ジャッジ選手の背番号だから
3.守備範囲の広さ
4.近本光司選手(阪神タイガース)
守備範囲が広くて、スライディングキャッチとかが上手いところがかっこいい
5.今年寅年で、初優勝すること
■上本博紀監督の采配にも注目
この16選手を率いるのは上本博紀監督、岩本輝コーチ、藤川俊介コーチだ。3度目の練習日、上本監督に話を聞いた。
「今年のチーム…うーん…どうですかね。まだわからないですよ。性格とか、どんなもんか。まぁ、なんとなくは見えてはきたんですけど。比較的おとなしい子が多いですかね、去年よりかは」。
たしかにまだ遠慮しているのか、練習中の声もあまり聞こえてこない。最初だからかもしれない。
「にしても…去年は最初からけっこうねぇ(笑)。でもこれからだんだん慣れてきて、素が出てくると思うんですけど」。
そう言われてみれば、昨年のメンバーは最初から賑やかだったかも…。
だが、今年もジュニアの練習に来るのが楽しみだという子ばかりだ。“素”が出るのも時間の問題だろう。
今年は女子が2人選ばれている。しかもピッチャーとキャッチャーで、紅白戦でもバッテリーを組むこともあった。自然と目を惹く。
「タイガースWomenも優勝したりして盛り上がっているんで(注:8月30日、全日本女子硬式クラブ野球選手権大会で優勝)、女子を入れたいっていう気持ちはあったんです。でも、そもそもがしっかりした力があるので選んだんで、女の子だからというわけではないです」。
なるほど。男女関係なく、実力で勝ち取ったということだ。新開投手は最速117キロを誇る速球派投手だし、岩田捕手も扇の要としてどっしり構えている。今後も楽しみなバッテリーだ。
いよいよ次回からは練習試合も行われるが、「今年はちょっと野球が変わってくる。でもまぁ、それは相手も同じですし…。練習試合の中でそういったところも見ながら、大会に向けてやっていこうと思います」と、上本監督も表情を引き締める。
そして、メンバーたちへの指導について、こう語る。
「この大会だけじゃなくて中学校、高校とレベルの高いところでやっていくだろう子どもたちなので、そこにすんなり入っていけるようにとか、大人になったときにどういう選手になってほしいとか、そういうことを意識しながら指導していきたいですね」。
野球は考えるスポーツだ。考え方のヒントを知ることで、プレーのレベルも変わってくる。メンバーたちには、ほかでは得られないような高度な“野球脳”を授けていく。
練習試合の初戦は関メディベースボール学院との一戦。昨年のメンバーも何人か所属しているチームだ。先輩と後輩の対戦、そして上本監督の初采配も楽しみである。
■NPB12球団ジュニアトーナメントを経験した、おもなプロ野球選手
阪神タイガースジュニア
嘉手刈浩太(ヤクルト)
内星龍(楽天)
広島東洋カープジュニア
田口麗斗(ヤクルト)
読売ジャイアンツジュニア
オコエ瑠偉(楽天)
東京ヤクルトスワローズジュニア
浅間大基(日ハム)
五十幡亮汰(日ハム)
櫻井周斗(DeNA)
中日ドラゴンズジュニア
根尾昂(中日)
石川昂弥(中日)
高橋宏斗(中日)
横浜DeNAベイスターズジュニア
松井裕樹(楽天)
楠本泰史(DeNA)
福岡ソフトバンクホークスジュニア
高濱祐仁(日ハム)
小野郁(ロッテ)
東北楽天ゴールデンイーグルスジュニア
西巻賢二(ロッテ)
埼玉西武ライオンズジュニア
羽田慎之介(西武)
日本ハムファイターズジュニア
砂田毅樹(DeNA)
若林楽人(西武)
オリックス・バファローズジュニア
森友哉(西武)
岸潤一郎(西武)
九鬼隆平(ソフトバンク)
野口智哉(オリックス)
藤原恭太(ロッテ)
来田涼斗(オリックス)
田上奏太(ソフトバンク)
池田陵真(オリックス)
千葉ロッテマリーンズジュニア
近藤健介(日ハム)
佐藤優(中日)
郡司裕也(ロッテ)
藤平尚真(楽天)
木澤尚文(ヤクルト)
(表記のない写真の提供:「阪神タイガースジュニア2022」保護者)