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【札幌市中央区】圧巻!創成イーストのアメリカンスタイルカフェで出会った、鮮烈なパイたち!

ゆべーる地域クリエイター(札幌市)

今日は創成イースト地区の伝説的なアメリカンスィーツ&カフェ、「スィート・レディ・ジェーン Sweet Lady Jane」に来ています。

「岩佐ビル」というレトロなビルをご存知ですか?創成イーストの魅力は、主に南北のエリアに分かれており、南エリアが二条市場や北海道神宮頓宮を中心とした庶民的なダウンタウン。一方北エリアは旧サッポロビール第一工場(サッポロファクトリー)や永山武四郎邸&三菱鉱業寮、そしてこの岩佐ビルなど、開拓使時代からの息吹を感じられるエリアです。

岩佐ビルは札幌景観資産29号にも指定されている建物です。1950年にラムネ工場として建設されました。千歳鶴、旧サッポロビール第一工場、そしてこの岩佐ビルが南北に一直線に並んでいる理由は、豊富な地下水が入手できたからです。旧豊平川の河川跡であり豊かな水脈があったので、日本酒やビール、ラムネが作られたのですね。(今でも水脈は残っています。)

このビルの東側がこのビルの1950年当時のオリジナル、西側が1962年の増築部分です。

このビルのオリジナル部分に、今日訪問の「スィート・レディ・ジェーン」はあります。

このビルはどうやら当時のアメリカンスタイルも取り入れて建築されたようで、元々工場ということもあり天井が高く、ちょっと日本ばなれした雰囲気があります。

東京では蔵前、そしてロンドンのカムデン・タウンなどの旧倉庫や工場群を再利用したカフェやレストラン活用が注目されていますが、そうした例は札幌では創成イーストにいくつか見受けられます。このカフェはその流行の先駆けとも言えるお店。

内装も、アメリカのどこかにありそうな感じがします。

オーナーシェフ&パティシエのRon H. マコシさんにちょうどお話を聞くことができました。マコシさんは1984年から1995年にカルフォルニアに滞在していました。パティシエとして、現在ではフレンチなどのベースをも意識しつつ、北海道や日本の素材にこだわって、伝統的なアメリカンスタイルのパイやケーキを作り続けています。

ショーケースを見た瞬間、叫び出しそうになりましたよ!あまりに魅力的!どれも結構な大きさがあります。そしてカラフル。フルーツやナッツの香りがすぐにでも飛んできそうですね。

ひとつひとつのパイやケーキに解説があります。「想い」が伝わってきますね。

プリンやコーヒーゼリーも。。。たまりませんね。どれも妥協なき存在感、全部食べてみたい。

迷った末、今回はまず、「フルーツサラダのクラフティ」を頂きました。

パイ生地がしっかりしているけれども、全然甘ったるくない。フルーツはできるだけ本来の風味の良いところを引き出すようにしているとのこと。各フルーツのフレーバーがしっかりと閉じ込められた感じで、まさに口福!

こうなると、私の探究心は止まらないので、お次は「いちごのクラフティ」を追加でいただきます。クラフティClafoutisとはもともと、タルト生地ベースの果物入りカスタードプディングのようなお菓子の総称で、フランスのリムーザン地方発祥です。確かにこのお店のお菓子にはフランスのフォーマットにアメリカンドリームが詰まっているような華やかさを感じることができます。

ここのカフェは、コーヒーも美味しい。スムースでケーキを決して邪魔しません。

さらにさらに追加オーダーをしてしまいました。これはもう食べきれない部分はテイクアウトにしてもらいましょう!マコシさんによると、こちらのお店の本領は、この焼き菓子たちに最も発揮されているとのことです。

「ピーナツバターパイ」です。コーティングされたシュガーが添えられたピーナツバターの部分は、甘さが心地良いけどメルティではなく健康的な歯ごたえが印象的。そして本体部分にぎっしりと詰まったナッツは、まるで植物性のあっさりとしたミートパイを食べているような充実感があります。これは最高に気に入りました!

そしてこちらが、一見するとチキンか?と見間違えるようにゴロゴロとしたりんごが豊富に入った「アップルパイ ピンクレディー」です。ピンクレディーはオーストラリア原産の酸味の強いリンゴで、日本では限られた農家さんしか作っていないようです。焼き方が完璧なリンゴのはるか奥の方に酸味が感じられ、少し時間を置いて、透明で爽やかな風味が口の中に広がります。

こちらのお店のパイは、まるで食事のようにフォークとナイフが出てきますよ!そう、これらは食事としてもじゅうぶん通用するのです。一食分をここで頂くような覚悟で、創成イーストまでお出かけくださいね。私は今、満足感で動けませんよ。本当にココロも胃袋も120%満たされています。。。

というわけで、気になったコーヒーゼリーは食べることができませんでしたので、また改めて訪問したいと思います!

優しい風貌のマコシさん。本当は彼のミュージシャンとしての一面や、アメリカと創成イーストの関わりなど、他にもたくさんのお話も聞けたのですが、とても一度の記事には入りきりません。

ご紹介できていないケーキやクッキーも多いので、また改めて訪問します。そして金管奏者である私やギタリストの友人と一緒に、ジャズやニューオリンズスタイル、軽音楽のセッションをやってみようというお話になったところです。またお邪魔します!

■スィート・レディ・ジェーン■

住所:札幌市中央区北3条東5丁目5 岩佐ビル1階

営業時間:日曜日は10:00-19:00

     他の曜日は10:00-20:00

定休日:無し

公式Instagramは、こちら

オーナーシェフのマコシさんのInstagramは、こちら

■ライター(地域クリエイター)ゆべーるの札幌おすすめカフェ情報■
寿珈琲
ナガヤマレスト
トムズカフェ
スモールシングスコーヒー(記事の中の一部として)
月祭
hato coffee
時計のない喫茶店
オーバカナル札幌
ONIYANMA COFFEE&BEER

地域クリエイター(札幌市)

通訳案内士(全国&札幌)、そしてライターや日本遺産炭鉄港、日本遺産候補小樽、サッポロコンシェルジュのガイドとして、いつも札幌市内の出来事やおすすめ情報を探しに歩いてます。最近、少し鉄気味。交通ネタや都市インフラに興味が行きつつあります。サイダー(シードル)大好き。ホルン(フランス式ピストン)とテナーホーン吹き。

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