【札幌】増えてきた「スペシャルティコーヒーショップ」利用時の注意と楽しみ方 入門編
札幌も徐々に春めいてきましたね。そろそろ街歩きに出かけたい季節です。お友達とでもお一人でも、カフェにお出かけしたい方はいらっしゃると思います。
ところで最近、私がよく耳にするのは、ここ数年札幌でも増えてきた、カフェではなく仮称「スペシャルティコーヒーショップ」の楽しみ方、マナーがよくわからない!というお話です。
そこで今日は、そんなこだわりの多いスペシャリティコーヒーを提供するショップ利用時の注意と楽しみ方の基本編をまとめてみました。
★「スペシャルティコーヒーショップ」とは?
現地のコーヒー農園がこだわり製法で育てられたコーヒーチェリー(果実)を様々な製法で乾燥や発酵をさせたグリーンコーヒーを独自のルートで仕入れ、それをこだわりの焙煎とテクニックで抽出するショップ、あるいはスタンドです。
総合的に飲食物を提供するというよりは、コーヒーのクオリティに集中したお店が多く、たいていは少人数で運営されています。
最近は特にエチオピア(ゲイシャなどのコーヒーの種類や、イルガチェフェなど地域の名前を聞いたことがあるかもしれません)、ルワンダ、ケニヤなどのアフリカや、コスタリカ、コロンビア、グアテマラ、エルサルバドルなどの中南米、中国の雲南などが産地として注目を浴びています。
★カフェ? コーヒーショップ? 喫茶店?
「カフェ」とはフランス語由来の言葉で、飲み物、フード、アルコールなどを総合的に出す飲食店のことを指している場合が多いようです。
それに対して「スペシャルティコーヒーショップ」や「スペシャルティコーヒースタンド」は、そのこだわりのメインが圧倒的にコーヒーのお店です。ペアリングするお菓子やフードは、あくまでもコーヒーのおいしさに合うシンプルなものが多いです。
北欧、アメリカ、オーストラリアなどでそれぞれのスタイルのコーヒーショップが発達してきました。最近では、従来型の深煎りだけではなく、浅煎りにしてできるだけ生豆(コーヒーチェリー)の風味を、ワインや紅茶のように味わおう、というスタイルのショップが多くなりました。
多くのショップでは、苦味だけではなく酸味や旨味をより多く引き出そうとします。
最近「喫茶店」という言葉を、「当店はカフェではないです(フードはそんなに多くないです)」という意味で使われるコーヒーショップもあります。以前の「喫茶店とは喫煙とお茶の店」というイメージではなく、喫茶店を名乗っていても禁煙のところも多くなっています。
「スペシャルティコーヒーショップ」の基本的なスタンス
「スペシャルティコーヒーショップ」は、ビジネスを成功させたいという意図よりも、コーヒー愛が強すぎてお店を始めたという方が多いので、「店主のこだわり=お店の決めたルールを理解する」ことがとても大切です。
最近、日本あちこちのコーヒーショップで見かけた「店内のお願い」には、以下のようものがありました。筆者はすべてなるほどと納得しました。いずれも静謐な環境でコーヒーを楽しんでもらいたいとの配慮からですね。
・写真はお手元の数枚のみにとどめ、多すぎる撮影はご遠慮ください
・ご自分の座席から動いての撮影はご遠慮ください
・アイドル写真を広げての撮影はご遠慮ください
・メニューは都度変わるのでSNSにはあげるのはご遠慮ください
・会話が大声にならないだけではなく、会話の内容にもご配慮ください
・シャッター音を気にする方もいますので、過度な撮影はご遠慮ください
などなど
★スペシャルティコーヒーの楽しみ方
基本的にはこだわりの店主のお店ですので、コーヒーのことはどんどん店主やスタッフさんに聞いてください。豆の産地と製法、焙煎方法や淹れ方などを、喜んで教えてくれるはずです。オーダーカードやメニューにはテイストの例が書いている場合も多いです。例えば、オレンジ、レモン、ストロベリー、パイナップル、ポートワイン、ブラックティー、ヨーグルトなど。
飲み方はシンプルにストレート、つまりブラックが一番おすすめです。一番コーヒーの特徴が分かります。コールドブリューという水出し製法を用意しているところもあります。もちろんラテやアレンジコーヒーでも美味しいですが、どんどんストレートのオーダーが東京では増えてきているようです。ワインと同じで、あまり熱かったり冷たかったりすると香りが開かないので、筆者は少しぬるめのホットか、氷を少なくしてもらったアイスが好きです。
抽出方法は、ペーパーによるハンドドリップが多いですが、一部、エアロプレス、ネルドリップ、金属ドリップ、フレンチプレス、エスプレッソなどを採用しているお店もあります。コーヒーによって抽出方法を変えているこだわり店もあります。
そういう楽しみ方はワインのテイスティングとも、とてもよく似ています。
★ペアリングするフード
定番は、クッキー、パウンドケーキ、スコーン、シンプルなタルト、バナナブレッドなどが多いでしょうか。特に浅煎り店の場合は生クリームやフルーツと組み合わせるが難しいようです。ナッツやワッフルなどを用意しているところもあります。
★札幌では増えてきたの?
東京や福岡で多かったこういったこだわりのコーヒーショップですが、最近は日本あちこちに注目すべきショップやスタンドが増えてきました。特にコロナ禍の中、美味しいコーヒーをテイクアウト(テイクアウェイ)しようという需要が高まったということもあります。
流行の当初は、アメリカ系の有名店が東京の清澄白河に旗艦店を出店したからでしょうが、現在はヨーロッパ系、あるいはアジアでもコーヒー先進国と言われる韓国や台湾に影響を受けたお店も多いようです。
またオーストラリアやニュージーランドの文化である「フラットホワイト」を扱うお店も増えてきました。(フラットホワイトについては、またあらためてご紹介したいと思います。)
スペシャルティコーヒーショップやスタンドは札幌でも少しづつ増えてきています。昨年は Coffee City Festival Sapporo 2021 というイベントも開催されました。札幌は深煎りコーヒーを出すお店が多い街として海外でも有名なのですが、これからは浅煎りも含め、コーヒーのクオリティや店主のこだわりや感性で勝負するお店が増えてくると、楽しくなりそうです。
またこれから店舗を持ちたい人や、そもそも週末だけのこだわりコーヒータイムを実現したいという思いから「間借りコーヒースタンド(ポップアップスタンド)」という形のショップも札幌や北海道では増えて来ましたし、移動ワゴンで頑張る方もいます。こだわりの実現のために、いろんな形があるのは素敵ですね!
★営業時間やメニュー
こうしたコーヒーショップのメニューの内容や値段は、材料や店主のコンセプトにより、その時々で変更する場合が多いです。また営業日時には、研修や見聞を広める旅に行くための不定休があったり、時には気に入った焙煎ができないと開店時間を遅らせたりする場合もあります。
またペアリングするフードも頻繁にチェンジしたりしますので、訪問する前に必ずSNS、特にInstagramで、カレンダーやその日の情報を確認することが大切です。特にストーリーズに大切な情報が書かれている場合が多いです。
評価サイトなどで掲載されている情報は過去の情報で、既に変更している場合も多いのでご注意ください。
また一般的には禁煙、駐車場なし、予約が不可、営業用の電話を置いていないところも多いです。メニューや営業時間などの問い合わせはメールやDM、SNSであっても返答できないというところも多くあります。
また上記とも一部重複しますが、オーダーしたものを撮影する場合以外は、必ず事前に、写真の使用目的を告げて(個人ブログにあげても良いですか?など)許可を取った方が良いと思います。
支払い方法は、現金決済のみだったり、逆に東京では現金決済は受け付けないところもあります。まちまちなのでご注意ください。
★「スペシャルティコーヒーショップ」の楽しみ方
まず、店主のこだわりに共感ができるかどうかを、事前に知り合いの声やSNSなどを通じて調べておくと良いと思います。基本的に、こうしたカテゴリーのお店の店主はマニアな方が多いので、コーヒーやペアリングのフードを通して、その価値観を共有できるようであれば、レギュラーカスタマーになって応援してあげるのも良いと思います。
これらのことは、最近北海道で多くなってきているマイクロワイナリーや、クラフトビアのバーやブルワリーにも同じことが言えると思います。
一見面倒だと感じるかもしれませんが、自分の感性にマッチするこだわりのコーヒースタンドが札幌に数件あれば、生活に潤いができてくるのではないでしょうか?
今後、できるだけこのようなこだわりショップを取り上げていきたいと思っています。
■撮影協力■
今回の写真は全ての写真掲載は通常の記事同様にお店の許諾をとっています。
各店舗の情報は下記からご確認ください。