【3月16日廃止】稲作北限地帯の板切れホーム 宗谷本線 初野駅(北海道中川郡美深町)
今月12日、宗谷本線の初野駅が廃止になることが報じられた。JR北海道は一日平均乗車人員が3人以下の各駅を廃止または自治体移管する方針を示しており、その一環として他の4駅と共に廃止となる。初野駅については6月にも廃止が検討されていることが報じられていた。
初野駅は昭和23(1948)年6月に初野仮乗降場として開業。昭和34(1959)年11月1日に正式な駅に昇格した。北海道の仮乗降場には「朝礼台」と呼ばれる板切れホームの駅が多く、初野駅のホームも簡素な板張りである。
ホーム入口には平成8(1996)年度設置のプレハブ待合室がある。木造待合室などと比べればまだまだ新しく見えるが、今年で築27年。プレハブとしては充分長生きな方に入るだろうが、その役目ももうすぐ終わる。
室内は見ての通り狭いが、締切可能で居住性は確保されている。停車する列車は上下4本ずつで、上り最終21時台の普通列車は初野駅を通過する。
宗谷本線では令和3(2021)年3月13日のダイヤ改正で11駅が廃止となり、恩根内駅との間にあった紋穂内駅も廃止となっている。初野駅には令和3(2021)年6月にJRから町に廃止の打診があり、令和5(2023)年7月までの回答が求められていた。初野駅の乗車人員は令和3(2021)年度で1.6人、令和4(2022)年度で1.0人だった。通学利用が一人あるそうだが、350m西を走る国道上には名士バス恩根内線「美深14線」バス停があり、そちらで代替可能なことから廃止を免れることができなかったのだろう。ちなみに美深14線にはバスが一日八往復あり、平日は朝に名寄駅前行きがもう一本追加される。
戦後すぐに仮乗降場として開業してから75年9カ月、初野駅の廃止によって北海道から板切れホームがまた一つ消えようとしている。残る駅も今後が安泰とは言い難いので、北海道らしい板切れホームの駅を見たいなら今のうちに訪ねておいた方がいいだろう。
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