JR北海道が42駅の廃止を検討! 来春廃止はそのうち4駅
先日の中ノ沢駅・初野駅の廃止検討に続き、衝撃的なニュースが飛び込んできた。JR北海道が1日の平均乗車人員が3人以下の無人駅42駅の廃止を検討していると北海道新聞が報じたのだ。このうちの4駅(初野駅・愛山駅・中ノ沢駅・滝ノ上駅)は来春ダイヤ改正での廃止が検討されている。その42駅とは以下の通りだ。これらのリストには始発列車が設定されている緑駅や厚内駅のような運行拠点駅も含まれている。
宗谷本線 16駅
瑞穂駅、日進駅、智北駅(名寄市)、初野駅、恩根内駅(美深町)、天塩川温泉駅、咲来駅、筬島駅(音威子府村)、佐久駅(中川町)、問寒別駅、糠南駅、雄信内駅、南幌延駅、下沼駅(幌延町)、兜沼駅(豊富町)、抜海駅(稚内市)
石北本線 3駅
愛山駅(愛別町)、瀬戸瀬駅(遠軽町)、緋牛内駅(美幌町)
釧網本線 3駅
茅沼駅(標茶町)、美留和駅(弟子屈町)、緑駅(清里町)
根室本線 5駅
東滝川駅(滝川市)、厚内駅(浦幌町)、尾幌駅(厚岸町)、別当賀駅、昆布盛駅(根室市)
富良野線 1駅
鹿討駅(中富良野町)
函館本線 10駅
仁山駅(七飯町)、赤井川駅(森町)、山越駅、山崎駅、黒岩駅(八雲町)、国縫駅、中ノ沢駅、二股駅(長万部町)、目名駅(蘭越町)、比羅夫駅(倶知安町)
室蘭本線 3駅
静狩駅(長万部町)、礼文駅、大岸駅(豊浦町)
石勝線 1駅
滝ノ上駅(夕張市)
JR北海道は平成28(2016)年以降、利用者の少ない駅の廃止を進めており、7年間で49駅が廃止となった。コロナ禍や燃料費の高騰により、以前にも増して経営状況が厳しくなる中、経費節減は避けられない。冬季に豪雪に見舞われる北海道では駅の維持に多額の除雪費用と人員が必要という事情も関係している。廃止対象42駅のうち瑞穂駅と初野駅を除く宗谷本線14駅と石北本線の瀬戸瀬駅は、令和3(2021)年4月より自治体管理となっているが、自治体の考え次第では廃止ということもありえる。一方、JR管理の駅の場合は、自治体管理となることを条件に存続というケースも出てくるであろう。
もし仮にこのリストに上がった42駅がすべて廃止になれば、宗谷本線の名寄以北では特急停車駅以外に存続するのは智恵文駅と勇知駅の2駅のみとなる。もっともこの2駅も決して利用者が多いとは言い切れないので、もし仮に他駅が大量廃止になる際には運命を共にするであろう。宗谷本線沿線自治体のうち幌延町は糠南駅などの「秘境駅」を観光資源として活用する姿勢を見せており、駅の存続はそれが今後も続けられるかどうかにかかっている。幌延町はふるさと納税を秘境駅存続のために活用しているので、これらの駅を応援したいという方は幌延町にふるさと納税をしてみてはいかがだろう。
JR北海道は今後、通学利用の有無やバスなど代替交通手段の有無なども勘案した上で自治体と協議を行い、これら42駅を順次廃止、または自治体管理への移管を行っていくとしている。今後も北の大地から目を離すことができなさそうだ。