在日米海兵隊、関東や関西、北海道、沖縄など全国各地を「立ち入り禁止」――新型コロナ感染対策を強化
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、本州唯一の米海兵隊基地となっている岩国航空基地が隊員らを対象にして、関東や関西、中部、北海道、沖縄、九州の一部など全国各地を相次いで「立ち入り禁止」に指定している。
日本政府が観光支援策「Go To トラベル」の継続に固執するなか、在日米軍の危機管理意識は高く、日本国内での新型コロナ感染対策をぐっと強めている。
国内の新型コロナ感染者数が過去最多を更新するなか、米海兵隊岩国航空基地は9日、フェイスブックで広島市、静岡県伊東市、大分県、群馬県を新たに立ち入り禁止地域に定めたことを明らかにした。同日時点で次の地図のレッドゾーン(危険区域)こと、赤色部分が「立ち入り禁止」となっている。
具体的には、北海道、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、群馬県、長野市、静岡市、浜松市、伊東市、愛知県、岐阜県、三重県、和歌山県、大阪府、奈良県、京都府、兵庫県、広島市、松山市、福岡市、大分県、宮崎市、沖縄県(宮古島、石垣島を含む)が立ち入り禁止にされている。
米海兵隊岩国航空基地は、この「トラベル規定」が日米地位協定こと駐留米軍の地位に関する協定(SOFA)が適用されるすべてのメンバーが対象になると述べている。米連邦職員ら非軍人も含まれている。
また、地図上の緑色部分のグリーンゾーンは、レッドゾーンと違い、泊まりがけの滞在が認められている。
米軍の感染対策をめぐっては、在日米陸軍司令部が12月3日から、同司令部から150キロ圏内の関東平野にある基地外のレストランや食堂、飲食店での外食を禁止する指令を発令した。また、首都圏1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の人口密集地を「立ち入り禁止」に定めた。
振り返れば、米国は福島第一原発事故時も、2011年3月16日午後(日本時間の17日未明)の早い段階で、日本在住の米国民に対し、福島第一原発から半径50マイル(約80キロ)の退避を決めた。米海軍は空母にしても潜水艦にしてもすべて原子力駆動であり、海軍は放射能に対して厳格に管理し、注視している。ちょっとでも放射能漏れがあれば、乗組員全員が死んでしまう事態になりかねないからだ。
放射能と同じように、米軍は新型コロナといった感染症も危機管理上、厳格に注視している。特に今春に米海軍の原子力空母「セオドア・ルーズベルト」で新型コロナの集団感染が起き、大問題になっただけに、今や危機感が一層強い。日本国民は福島第一原発事故時のように、日本政府の情報とは別に、在日米軍の危機管理対策を参考に知っておいて損はないだろう。
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