AI搭載の無人実証機、2025年11月に初飛行へ 防衛装備庁担当者が技術シンポジウムで明かす
三菱重工業は2025年11月、人工知能(AI)を搭載する無人実証機の初飛行を実施する。防衛装備庁担当者が11月12日に都内で開会した「防衛装備庁技術シンポジウム2024」で明らかにした。
この飛行実証機は、新たに開発された航空技術を航空機の飛行環境で評価する「実験用航空機」(FTB、Flying Test Bed)と呼ばれる。同庁から契約を受注した三菱重工業が2022年度から「無人機へのAI搭載技術の研究試作」を開始。AI搭載技術を実証するため、AIが実装できるFTB無人機や管制装置などを試作している。
このFTB無人機には2種類あり、戦闘型と偵察型になっている。両型機は胴体とエンジンを共通化しているほか、主翼と尾翼をモジュール交換が容易な機体とすることで、これら2つの機体形態が可能になるという。
全長は戦闘型、偵察型ともに3メートル超で、全幅は戦闘型が2メートル強、偵察型が3メートル超とそれぞれなっている。センサーは両型機ともEO/IR(電気光学/赤外線)を搭載するが、偵察型についてはSAR(合成開口レーダー)も搭載できるようにするという。
●今後の予定
今後の予定としては、三菱重工業が社内で2025年11月に初飛行を実施し、2026年3月までに研究試作を終える。そして、2026、2027両年度に防衛装備庁での所内試験(飛行試験)を実施する。
防衛装備庁は、AI活用によるこの自律型無人機が将来的に戦闘支援無人機として、日英伊が2035年度までの共同開発完了を目指している有人の次期戦闘機と連携させる計画だ。
その一環として、三菱重工業は10月16日、「2024国際航空宇宙展」でAI搭載の戦闘支援無人機の模型を初公開したばかりだ。この戦闘支援無人機の模型はあくまで現段階で同社が独自にイメージしているコンセプト段階のものとなっている。
(参考記事)
●三菱重工、AI搭載の戦闘支援無人機の模型初公開 2025年中に実機の飛行試験を初実施へ
海外に目を向けると、アメリカはAIによる操縦でL-29やVISTA X-62Aなどの軍用機で自律飛行に成功している。
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