海上自衛隊掃海艇「うくしま」沈没 海自艦艇が火災で沈没するのは初めてではなく2件目 海幕広報室
11月10日に福岡県沖を航行中に火災が起きた海上自衛隊の掃海艇「うくしま」は翌11日未明、転覆して火が消えて、その後に沈没した。隊員1人が依然、行方不明となっている。
TBSなど国内メディアの一部が「海上自衛隊の艦艇が火災で沈没するのは初めてとみられる」と報じた。しかし、海上幕僚監部広報室は11日、筆者の取材に対し、昭和41(1966)年10月に海自の特務艇高速13号(ASH-13)が広島・江田島沖で火災が原因で沈没していたため、2件目となることを明らかにした。
10日の防衛省での会見で「おそらく火災での沈没は初めて」との説明があったため、誤情報が広まったとみられる。
また、海幕広報室によると、火災以外での沈没については、未公表ではあるが、過去に海自の小型支援船などの沈没があったという。
火災で沈没した掃海艇「うくしま」はすがしま型掃海艇の6番艇で、艦番号はMSC-686。平成11(1999)年度計画艦で平成15(2003)年3月にUSC京浜事業所鶴見工場で竣工し、佐世保地方隊第43掃海隊(下関)に配備された。
すがしま型掃海艇は基準排水量510トン。長船首楼型で、全長54メートル、幅9.4メートル、深さ4.2メートル、喫水3メートル。速力は14ノット。乗員は約45人。
行方不明となっている3等海曹の男性機関員(33)が一刻も早く発見、救助されることを祈るとともに、出火元とみられるエンジンが設置された機械室でいったい何が起きたのか、再発防止のためにも原因の徹底究明が待たれる。
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