在日米軍、新型コロナ緊急事態宣言を6月14日まで延長。日本政府の一部解除判断に影響か
在日米軍司令部(東京・横田基地)は5月12日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本全国の米軍基地・施設を対象とした緊急事態宣言を6月14日まで延長すると発表した。日本政府は5月14日に専門家会議を開き、一部地域で緊急事態宣言を解除する方向で調整しているが、在日米軍は緊急事態宣言を1カ月間も延長し、日本政府よりも依然日本国内の感染状況を重くみていることがうかがえる。
在日米軍による宣言の延長決定が、日本政府の緊急事態宣言の一部解除の判断に影響を与えるかどうか、注目される。
●在日米軍は日本政府より早く宣言発令
在日米軍は4月6日、関東を対象に5月15日までを期限とし、緊急事態宣言を発令した。その後、4月15日にはその宣言の対象を全国に拡大した。
これに対し、日本政府は、在日米軍の後を追うように4月7日に7都府県を対象に緊急事態宣言を発令。ただし、期間は5月6日までとし、在日米軍の設定した期限よりも1週間以上短かった。さらに日本政府は在日米軍が緊急事態宣言を全国に拡大した翌日の4月16日、再び在日米軍に追従する形で対象を全国に拡大した。
(参考記事:後手に回る安倍政権…対応は在日米軍よりも遅過ぎる!?)
在日米軍の緊急事態宣言は、日本にある陸海空軍と海兵隊の全ての基地と施設で働く軍人や軍属、従業員、契約業者らを対象に、衛生管理や社会的な接触などに関して予防措置を実施することで、感染拡大を抑制することを目的にしている。在日米軍のケビン・シュナイダー司令官の判断で、宣言期間途中でも更新あるいは解除される可能性もある。
日本国内の感染状況をめぐっては、在日アメリカ大使館が4月3日、日本に滞在するアメリカ国民に対し、帰国を強く促す文書をホームページ上に掲載した。その中で、日本の検査態勢について、「幅広く検査をしないという日本政府の決定によって、新型コロナウイルスの有病率を正確に把握することが困難になっている」と指摘した。